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178話 『世界の狭間』

消失世界から出てきた私は何が起こったのかはわからないがとりあえず獲得したスキルを確認しようとした。しかし、無いのだ。数の増えたスキル欄を隅から隅まで見てみたのだがどこにもない。{ドレインタッチ}の効果で相手を喰らったのだから何かしらスキルは獲得しているはずだ。肉体を喰らったということはレベルは経験値量が少なかったと考えれば妥当だろう。その他の能力も微々たるものだったのか変化がない。しかし、スキルだけは何があろうと獲得できるはずだ。何も獲得できなかったということは相手がスキルを持っていなかったことになる。その可能性もなくはないが、もう一つ可能性が浮かんだ。それを確認するには一度【基軸世界】に戻らなければならないが、まだここでしなければならないことがある。戻ってくることは出来るだろうが、向こうに変えるならこっちでのことを済ませてからゆっくりしたい!そのためにもさっさと終わらせなければ。

近くに入口のあった世界はすべて攻略しスキルを得た。しかし、そのスキルの中にある{青龍}と{玄武}。この2体がいるということは『白虎』と『朱雀』もいると考えるのが自然だろう。

この4体が中国では東西南北を守護する伝説上の生き物だという話は有名だし、ファンタジー物にもよく出てくるし。

ただ、この『世界の狭間』はとてつもなく広い。どれくらいかって、おそらく1週間歩き続けても端まで行けないほどに縦に長い。横幅は日本の学校の廊下くらいしかないのだが、縦に長すぎる。空間内について調べる時も鑑定の魔法は有効なのだがこの空間内を鑑定することは出来なかった。空間の鑑定には範囲の制限がかけられており、その制限の限界が縦横共に自信を中心として半径500㎞の範囲なのだが、それで範囲を知ることができなかったのである。つまり、縦に1000㎞以上の長さはあるということである。この中から特定の世界を探し出すなんてほとんど不可能だろう。しかし、7つの大罪がすべてこの付近に集まっていたことを考えると近くにある可能性もある。とにかく両方向に1㎞くらいずつ見てみることにしよう。

とりあえず今向いている方向に1㎞歩いていく。いくつかの世界の入り口があったがどれも望むものではなかったし大したスキルが得られそうになかった。どれもよくわからない世界や、何の世界なのか理解できないような世界しかなかった。

それに世界の入り口は1㎞もの間でたった10個しかなかった。さっきまで入っていた世界は100mもないところに10の世界があった。あそこは世界の入り口がが密集していた地点だったようだ。元の場所が分かりやすくなっているのは助かるけれど、1㎞歩いてどちらも見つからないとなるとかなり大変な作業になりそうな予感がする。

また1㎞歩いて元の場所に戻ってきたわけだが、むやみやたらに探しても意味がなさそうなので今後の方針を考えることにする。一度一方向の端まで行ってそこから地道に探すのが最も効率的だろうが、それでもかなりの時間がかかってしまう。空間の鑑定ではその空間内にある世界の入り口が何の世界につながっているのかまでは分からない。世界の入り口に対して直接鑑定をかけることでようやくそこが何の世界なのか把握することができる。

それならやることは決まった。一度どちらかの端まで行き、そこからひたすら走り続けて『白虎』や『朱雀』が良そうな世界を見つけたら入ってそれらを倒す。それを繰り返すだけだ。それで見落とすことがないように身体強化系の魔法は発動させず、確実にすべての入り口に鑑定をかけながら進んでいかなければならない。今の体なら疲れることもないし、飲食もしなくて大丈夫だ。もちろん睡眠も不要だ。今の身体能力ならもうちょっと早く走れると思うけど、とりあえず100メートルを10秒で走るとして1日で900㎞近くは移動できるだろう。最初に端に向かうときは身体強化をしてもいいから、とりあえず分かりやすいように【ソニックムーブ】だけを発動させるとする。今の体で発動させる【ソニックムーブ】はAGIを20倍にできるらしい。なので1秒当たり200メートル進むことができる。地球の世界記録保持者もびっくりだろう。これならば1時間で720㎞1日なら17000㎞移動できる。魔法の回路を少しいじって【ソニックムーブ】を常時発動できるようにもしてあるし、これならすぐに端の方までつくことができるだろう。

それから私は最高速で一方向に走り続けた。それはそれは長かった。

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