172話 {レベルドレイン}
それからしばらくして部屋から出てきた私たちには少しだけ変化があった。効率よくレベルを集めたかった私は、アイに快楽を引き換えにレベルを男どもから搾り取って持ってきてくれと頼んだのだ。快楽に負けたアイはそれに了承し、【淫紋】と呼ばれるものが刻まれていた。これならレベルが速く集まるだろう。アイには人間の男を堕とせるくらいの力だけ残してレベル上げに向かわせた。
一方私はというと、他のサキュバスに声をかけていた。今度はフリーそうな3人組を見つけたので声をかけた。先ほどとは少し違う手法だ。
「こんにちはお姉さんたち。少しお話良いですか?」
「あらお嬢ちゃん、どうしたの?」
「私、男の人を吸い殺しちゃうのはもちろん好きなんですけど、女の人に気持ちよくしてもらうのも好きで、私をかわいがってくれませんか?」
これは前世の記憶から絞り出したセリフだ。サキュバス同士の中が悪かったら意味がないだろうがここではそうでもなさそうなのでこれならうまくいくかもしれない。
私が声をかけたサキュバスたちはニヤッと悪い笑みを浮かべて顔を見合わせたかと思うと、
「お嬢さん今のレベルは?」
「49です。」
正直にレベルを言ってみる。この3人は一応私よりも高レベルだ。しかし種族的な差が大きく、私の方が圧倒的に強い。
「そこそこ高レベルなのね。それじゃあお姉さんたちとゲームをしない?」
「ゲームですか?」
「えぇ。あなたが先にギブアップすればあなたを私たちの精奴隷にする。私たちの方が先にギブアップしたらあなたの言うことをなんでも聞く。これでどう?」
「いいですね!ぜひ、受けて立ちます!」
思ってた以上に物事がうまく運んでうれしいばかりだ。これで彼女たちをアイと同じように私のものにすればレベルが上がるかもしれない。ちなみに彼女らのレベルは60、54、78である。ひとりだけ70を超えているのがさっき話していたサキュバスである。所詮はサキュバスだし余裕でしょう。
その後はあっさりだった。部屋に入ると同時に最もレベルが低いサキュバスがキスをしてきた。そこでスキル{レベルドレイン}を発動させる。それだけで一人は痙攣して動かなくなった。ほかの二人も同じように対処してあとはアイの時と全く同じである。快楽を与え続け、その快楽に敗北した3人に【淫紋】を刻み、私のためにレベルを集めさせに言った。名前も聞いていないが、まぁレベルは集めてきてくれるだろうしいいだろう。
それだけでなく、今回の{レベルドレイン}でレベルが50になった。この世界では経験値の質がいいらしく、他の世界よりもレベルが上がりやすいそうだ。それでもこの世界の平均的な男性1億人で1レベルというとんでもなく非効率ではあるが、それをたくさんのサキュバスたちに集めさせれば効率も少しは良くなるだろう。
私は次の標的を決めてそのサキュバスのもとへ歩き出した。




