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171話 サキュバス

まずは周囲にいるサキュバスたちだ。

種族:サキュバス

種族固有スキル{魅了(チャーム)}{エナジードレイン}{レベルドレイン}{スキルドレイン}


レベルは個体によってかなり差があるようだ。それに従ってステータスにも格差がある。ステータスが高い個体の中には上位種もいるようだが、今のリアより強そうな個体はいなかった。

そして注目すべきはスキルだ。

魅了(チャーム)}自身より弱い相手を魅了状態にする。魅了状態になるとそれが切れるまで魅了したものの意のままに操ることができる。魅了状態の継続時間は相手との力量に応じて変わるが、異性である方が効きやすい。

まずは{魅了}文字通り相手を魅了してしまうスキルだ。魅了状態はかなり恐ろしい状態異常のようなので気を付けなければならない。

{エナジードレイン}相手からHPを吸収し、自身のものにすることができる。{魅了(チャーム)}以外のスキルを使用していない場合、自動的に発動する。吸収するには条件があるが、使用者のレベルや種族が高ければ高いほど条件は緩くなる。基本種であるサキュバスの場合、レベルが低ければ対象との性干渉、高ければキスなどの性的な接触のみで使用することができる。上位種になると、触れるだけで発動できるものもいる。{魅了(チャーム)}以外のスキルとの併用不可。

{レベルドレイン}相手からレベルを吸収し、自身のものとすることができる。吸収する際の条件やスキルの併用に関しては{エナジードレイン}と同様。

{スキルドレイン}相手からスキルを奪うスキル。これは対象を{魅了(チャーム)}状態にすることで使用可能になる。対象を性的に絶頂させることで敵のスキルを奪うことが可能。他のスキルとの併用は不可。


それぞれ、性的なことをすることによって相手から自身の望むものを奪うことができるそうだ。{エナジードレイン}は使用しすぎると相手のHPが0になってしまい、殺してしまうこともあるそうだ。しかもほかのスキルを使用しなければ自動的に発動か。今のわたしは【基軸世界】の自分と同じ見た目に角としっぽが生えたような状態である。いうなればロリなので他のサキュバスたちについて行っている男たちが私の近くに来ることはない。

私自身がどれだけの力を持っているか見てみよう。


リア 淫魔女王 14歳

スキル{賭博}、{魔神}、{魔王}、{豊穣の貢ぎ}、{時空間転移}、{次元断裂}

種族固有スキル{魅了(チャーム)}{エナジードレイン}{レベルドレイン}{スキルドレイン}

Lv.49

HP ∞

MP ∞

STR 20000

VIT 18000

RST 10000000

AGI 300


まさかの世界の支配者と同じ最上位種だった。それだけでなく、【基軸世界】での時間はかなり経っているようで私は14歳になっていた。

最上位種だけあって{魅了(チャーム)}の力が強いらしく{スキルドレイン}に関しては相手に触れることすらせずに発動できるらしい。要は触れることさえせずに相手を絶頂させることができるということだ。

これなら、この世界でレベルを上げることもできるかもしれない。ここまでかなりの数の強敵を倒してきたが、レベルは1も上がらなかった。この世界にいる全員のレベルを1にするくらいの気持ちで吸い取りまくれば可能性はある。{レベルドレイン}は私の場合相手に触れるだけで効果が発動する。しかも『淫魔女王』という種族には特殊体質が与えられるらしい。

それは同族に対してもそれイン系統のスキルが有効になるというものだ。これがあればだれであろうと私の{レベルドレイン}から逃れることは出来ない。触れられてスキルを使用するだけでも気絶するほどの快楽を味わうことになるだろうがサキュバスの中に耐えられる個体はいるだろうか。とりあえず近くに誰もつれていない一人のサキュバスがいたので接触することにした。周囲をきょろきょろと見まわしているので何かを探しているのだろう。近づくと向こうから声をかけてきた。


「あっれー?君、見ない顔だね。あんまり積極的に男漁りはしてない感じ?」


「はい。ここに来るのも初めてで勝手がわからないので教えてもらいたいんですけど。」


「うちらにそんなかしこまらなくていいよ。礼儀正しいってことは東方のサキュバスちゃんかな?アタイはアイ。ここ南方の生まれだよ。それであなたの名前は?」


「私はリアって言います。」


「リアちゃんね。ここ南方の国では好きなように男漁りをしていいってことになってるよ。それもすべてこの国の女王様が許してくださってるからなんだよね。私たちの住む【裏世界】、それに対応した【表世界】その両方で許可が出てるよ。他の国だと【表世界】に関しての許可は出てないんでしょ。不便だよね。この世界の支配者って言われてる割にほかの国を支配してるアスモデウス様ってケチだよね。まぁ、それは置いといて、ここでは空いている部屋なら自由に男を連れ込むことができるのよ。この町にいるサキュバスたちのレベルだと、上位種みたいに触れるだけでっていうわけにもいかないしね。私たちは気にしないんだけど特に人間が人に見られるのを嫌うのと町の衛生管理のために屋外での行為は控えるようにね。大体それさえ守ってれば何も言われないよ。もし女の子とエッチなことしたければ、その辺のサキュバスちゃんたちとしても大丈夫だからね。」


「ありがとう、アイ。私もとりあえず一度ここでドレインしてみるよ。」


私はそういいながらアイに手を差し出す。アイはそれを握りながら


「ようこそ南方の国へ。リア、あなたを歓迎するわ!」


アイはそういい終えると同時に顔をしかめる。私がスキルを発動させたのだ。

発動させたのは{レベルドレイン}。アイも自身のレベルが吸収されていることに気が付いたのだろう。しかし、彼女にはとてつもない快楽が襲い掛かっており今にも絶頂してしまいそうな様子だ。一度手を放して


「ここではあれなのでどこかの部屋にでも行きましょうか。」


私がそういうとアイはすぐに部屋を確保してくれた。その態度を見るとサキュバスですら虜になるほどの快楽が襲っているのだということが分かる。

そして私たちはアイが用意した部屋へと入っていった。

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