154話 処刑
「貴様、この世界の存在ではないな!他の世界からこの世界へ侵入する行為は許されざる大罪である。ゆえに貴様を拘束し裁判にかけさせてもらう。おとなしく拘束されるがよい。」
そんな決まり外から知ることなんてできないんだからどうやって守ればいいんだよ。まぁここで逆らって面倒なことになるのも厄介だからおとなしく捕まるか。これからどうするかはその後で考えればいい。
「分かりました。牢屋にでもなんでも連れて行ってください。私は武器を携帯していませんし、逆らいもしませんので。」
そういうと、オーガは少し怒っているようだったが冷静に私の両腕を後ろ手に縛り、町の中心にあった大きな建物の中へ連れて行った。そこはここを収めている王の居城だったようで日本でいうところの警察や消防などの組織の施設もここに集められていた。オーガは私をその中の牢へ入れると
「明日裁判が執り行われるそうだ。それまでせいぜい大人しくしておくんだな。」
そう言い残すといなくなった。腕を縛っている縄を解かないところを見ると食事も与える気がないのだろう。特に食欲があるわけでもないので今日はそのまま寝る。明日の事はその場で考える以外方法がないだろう。状況を見極めながら最善の行動をとることにしよう。
翌日、早朝に目を覚ますとすぐに1人のオーガがやってきて、
「裁判を行うそうだ。こっちへ来い。」
そういいながら私の腕を縛っている縄につながっている縄を手に取り引っ張った。面倒だが従うほかないだろう。
そのままついていくと、屋外に連れていかれた。民衆も集まっており、この世界ではよほど他の世界からの侵入が重い罪なのかを知った。
「これより裁判を始める。しかし、昨晩酒呑童子様のお言葉により判決が決定された。罪人を斬首刑に処す。とのことだ。刑の執行は今ここで行う。衛兵たちよ処刑台へ連れて行け!」
裁判長風のオーガロードがそう言い、私は衛兵たちに連れられ、いわゆるギロチンの処刑台に連れてこられた。そしてそのまま処刑台に拘束され、衛兵が日本刀を構えた。
さすがにこれはヤバい。死刑にされたら元も子もない。しかしここで逆らえばそれこそこの世界の滞在時間が長くなってしまう。そんなことを考えているうちに口枷を付けられてしまった。これで魔法もスキルも使うことができない。さすがにこれは死にそうだな。まだ【創造神】への復讐を果たしていないっていうのに!
そしてギロチンの刃をさせているロープにそれを振り下ろす。それがロープに触れた瞬間、ギロチンの刃が私の首目がけて落ちた。




