152話 【体内時間停止】
今自分自身を対象に発動させた魔法【体内時間停止】は対象の体内時間を停止させる魔法だ。
この魔法には2つの使い方がある。一つは敵に使用することで体内の時間が止まる=心臓を含むすべての臓器の活動が停止する→死ぬ
という、相手を確実に殺すもの。今回はスサノオに魔法が効かないとのことだったのでこの使い方はしなかった。
そして2つ目、今回使用した使い方が、この魔法を私自身にかけてしまうこと。もちろん自分で掛けるとはいえ何か変わるわけでもない。起こることは全く一緒だが私はすべての臓器が停止したところで何の問題もない。私自身が不老不死の性質を持っている。そのため臓器が止まろうと何をされようともいかに苦しかったとしても死ぬことはない。
これは以前自分で考えてたどり着いた結論なのだが、【基軸世界】で【創造神】となったことで不老不死の性質自体が体に刻まれた。そのためいかなることがあっても、不老不死であることには変わりがない。つまりこの世界でも私の不老不死は健在!
そのため何があっても死ぬことはない。しかしこれから使う技の反動で肉体は崩壊してしまう。そうなった場合どうなるのかなどは分からないので万が一に備えるのは大事だ。
【体内時間停止】の効果には体内の時間を停止させ外界と完全に隔離される。ということだ。そのため、物理・魔法どちらの攻撃も一切効かない。技の反動で肉体に害が及ぶこともない。
今回この魔法を発動したのはこれが目的なのだ。これから私が使う技は1日に2度以上使用すれば肉体が崩壊してしまう。それを防ぐにはこれくらいしなければならなかったのだ。
「勇者スサノオ、これで終わりです{次元断裂}」
そう。私が使用したのはスキル{次元断裂}。かつて【基軸世界】の【創造神】に操られた時に私の体でこの技を使用しいろいろとあったためトラウマになっていたのだが、今こそそれを乗り越える時だと思った。そしてついに自分からこの圧倒的な力を解き放ってしまった。
最初に詠唱が終わると同時に自動的に発動した魔法は{次元断裂}からこの世界以外の世界を守る結界である。そしてスサノオはまだ倒れていない。これも想定通りである。そのために【体内時間停止】を創り出したのだから。
「連続で行きます!これでトドメです!!!{次元断裂}{次元断裂}{次元断裂}{次元断裂}{次元断裂}」
{次元断裂}5連撃を喰らったスサノオは肉片すら残さずに吹き飛んでいた。それもそのはずだ。この技は私が食らっても肉体を保てるかどうか怪しいレベルのものなのだから。




