13話 衛兵との戦い
「そんなものでたらめだろう。もし本当にあのアラン様とリリス様の紹介ならば俺くらいは倒せるはずだ。俺は自分がやられない限り信じないぞ。」
若い衛兵が早口でまくし立てた。それに対し先ほどまで中心になって話していた隊長っぽい感じの人物が、
「止めろ!失礼だぞ。子供相手にどれだけムキになって……」
「いいですよ。」
「え?」
「ここは町の外、なのでまだ人同士で決闘しても問題ないですよね?あなたと私で一騎打ちをして、私が勝ったら町へ入るのを認めてもらえますね?」
「え?……あぁいいだろう。後悔しても知らねぇからな!」
そういうと同時にラビッシュが切りかかってきた。
こうして、リアと、一人の衛兵ラビッシュの一騎打ちが始まった。
リアはラビッシュの最初の一撃を余裕でかわすと、
「そんなものですか?」
「なんだと?運良くかわせたからと言って調子に乗るなよ!」
確かにラビッシュの斬撃の速度はすさまじい。しかし、アランの斬撃に比べるとずいぶんと遅く、「フィジカルストレングス」で余裕でかわせる程度だった。
そのままかわし続けていると
「このクソガキがぁぁぁぁ」
そう叫びながら何かの魔法の詠唱を始めた。すると周りがざわつき始めた。
「やめろ、ラビッシュ罪のない子供を殺すつもりか!」
(殺すとかいうヤバいワードが聞こえたけどまぁ、大丈夫でしょ。)
リアは、そう楽観的にとらえていた。彼女のRST はずば抜けて高いのだ。おそらくダメージさえ受けないだろう。と
「もう遅い!くらえ!私の最終奥義「「インサイド・エクスプロージョン」」!!!!!」
聞いたことない魔法。それはリアを殺すものではなく、リアの心をときめかすものだった。
周囲にいた衛兵は皆目をつぶっていた。魔法の名前から推測するにおそらく、体の内部から爆発するものなのだろう。しかし、リアのRSTと高さにはじかれたそれは、リアの体外で爆発を起こした。爆発の煙が薄れてくると同時に
「なぜ生きているのだぁぁぁぁぁ!貴様貴様貴様ぁぁぁぁ!!!」
何も考えずにラビッシュが切り込んできた。
「マリオネットネイチャー」
周囲の人たちが驚愕の声を挙げた。
そこには自然系統最上位に君臨する魔法を操る幼い少女の姿があったからだ。
その魔法により、ラビッシュは四肢を拘束された。その状態で少女が
「おやすみなさい。」
といいながら、地面から生やした蔦でラビッシュの首をうち、気絶させたのだった。