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12話 旅立ち

リリスの誕生日パーティから1週間後、ついにリアの旅立ちの日だ。日本人の価値観からすれば11歳で旅立ちは早いように感じるが、この世界の成人年齢は13歳なのだ。それを考えると、少し早く自立したくらいにとらえられるものである。


「キルスについたら冒険者ギルドに行ってこれを渡すといい。」


そういってアランに封書を渡された。キルスというのはこれからリアが向かう予定の大きな町だ。この世界の世界地図もアランからもらったが、世界でも各国の王都を除いたら一番大きい都市だった。冒険者ギルドの場所や主要な建物の場所はアランから教えてもらった。

そしてこの封書だが、なんでも未成年はCランク以上の冒険者の紹介がないと冒険者になれないそうだ。


「何かあったらすぐに帰ってきていいからね。」


そういってリリスが涙を浮かべながら抱きしめてくる。

その手から離れたリアは、

「いってきます!」


そう大きな声で言いながら、両親のもとから巣立ったのだった。


ニケ村から旅立って、リアは何事もなくキルスへ着いた。「ソニックムーブ」と「マテリアルサーチ」使用しながら来たのでモンスターにも遭遇せず、通常1週間かかる道のりを、途中道に迷ったにもかかわらず、たったの3日で到着できたのだった。


キルスは要塞都市と呼ばれており、町の周囲が城壁で囲まれており、その上からの侵入を試みても常に見張りが配置されているため、門以外からの侵入は不可能らしい。門では門番による厳重なチェックが行われており、町の中でも多くの衛兵が巡回しているため、この町の犯罪率は限りなく0に近いらしい。

そんな厳重なチェックが行われる門でリアはなぜか衛兵たちに囲まれていた。

武器を持つのは一般的には冒険者の資格を持つ者のみであり、冒険者は、冒険者ギルドにて発行される冒険者カードを持っている。リアは、武器を所持し、冒険者カードも持っていない、そして何よりも子供が武装していることで怪しまれてしまれてしまったらしい。


「なぜ冒険者でもないのに武装している。」


「田舎から出てきたばっかりで、これから冒険者ギルドに言って登録する予定だったんです。」


「その年で冒険者だと?適当なことを言うな!あまり俺たちに対抗するようならここで切り捨てるぞ!」


「その年でって言いますけど私11歳なんですけど。」


リアは身長がかなり低く、見た目年齢は9歳ほどなのだ。それをコンプレックスに思っているリアは、これに対して、かなり激昂した様子で反論した。その様子に衛兵も少し気まずくなったのか、


「見た目で年を決め付けたことへの非礼は詫びよう。しかし、冒険者ギルドに登録するといったが、未成年なら紹介状が必要だろう。紹介状がないならばここを通すわけにはいかんな。」


「これでいいですか?」


そういってリアは衛兵たちに紹介状を見せた。


「え?」


まさか本当に持っているとは思わなかったのだろう。衛兵たちが間抜けな声をあげた。しかも紹介人はかつてこの町で活躍したAランク冒険者2人ときた。衛兵たちは


「失礼いたしました!まさか、アラン様とリリス様の紹介だとは思わず飛んだご無礼を。」


と跪いた。

1名を除いては。


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