第1話 ストーカーさんとの出会い
息抜きで書いた作品です。もう書きあげてるので一気に投稿しますm(_ _)m
「ようやく会えたわね!初めまして…で良いのかしら?こんばんは、ストーカーさん?」
深夜兄と呑んだ帰り、いきなり引き込まれた人気が無い路地裏で目の前にいる男から腕を掴まれナイフを突きつけられつつ、私はニッコリ微笑んだ。
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私が彼の存在に気付いたのは、ある冬の日の帰り道だった。
「こんな疲れた日に雪が積もる中歩いて帰るとか何の苦行よ…。タクシーも全然来ないし…。」
この日は職場内トラブルによる残業で退勤が夜9時を過ぎてしまい、その上、この日の午後から降り始めた大雪の影響で通勤で利用していたバスが運休してしまい、タクシーも捕まらず、片道30分以上かけて帰ることになってしまった。
会社は車の行き来が多い大通りに面しており、人の往来もある。しかし、自宅のマンションがある地域は閑静な住宅街で夜中の人の往来はほとんど無い。その上、マンションの掲示板に『変出者注意!』という貼り紙も常にされているので、出来れば身の安全の為、マンション近くのバス停に停まるバスで帰宅したいが仕方が無い。
「あぶなっ!滑って転けるところだった…。ヒールが低い靴で良かった…。」
雪は止んでいたものの、所々除雪作業が進んでいない場所に悪戦苦闘しつつ、自宅へ向かっていった。大通りを外れ自宅の方へ向かうにつれ、徐々に人気も無くなっていく。正直少し怖い。早く帰ろう、そう思った時、周りに誰もいないはずなのに視線を感じた気がした。その時は気のせいかと思っていたのだが、自宅のマンションまであと50m程の所でカーブミラー越しに電柱の影からこちらを伺う男性がいる事に気付いた。身長は170cm~180cm程度であろうか?体格から男性であろうことはわかるが、パーカーについているフードを深く被っているので顔や年齢は分からない。ただ、こちらをじっと見ているようだった。
「(え、こっち見てる…??)」
私が確認の為に振り返った瞬間、彼は慌てて立ち去った。私は怖くなりすぐマンションへ入り、自分の部屋へ駆け込んだ。冷や汗と動悸が止まらなかったのを今でも覚えている。
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