1/1
1
あの日、私はさとちゃんに借りたゲームを返そうと急いでいた。信号が赤から青になったのを確認し、横断歩道を走り抜けようとしていたその最中、文字通り突然現れた大きなトラックにはねられた。本当に突然現れたのだ。中には誰もいないのに全速力でこちらへやってくる大きなトラックが。
体が宙を舞い、青い空と電線が近くに見えた。重力を感じ、空が段々遠くなるのを感じた瞬間私はぎゅっと目を閉じた。
ゲーム
ちゃんと返せなくてごめん
返しに行くねって言ったのまずかったな
さとちゃん、変に気負わないでね
もうみんなごめん
死にたくない
まだもっと出てきそうだった思いもなにもかもが地面に叩きつけられた瞬間全身に衝撃が走り、全て終わった。
私、畑山 みらいの人生はここで幕を閉じたのだ。