第1章のあらすじ
時計がなく、時間に追われることのない辺境の小さな島ウォーターランド。大陸メーンランドから遠く離れたこの島は、都会の喧噪を逃れた人たちが自然と共に暮らす自由な生活を楽しんでいるところです。
この島には200年以上も前に島を一人で訪れた人によって書かれたノートの一部が残されています。そのノートには大きな時間がゆるりと動き、島が消えるという謎めいた話が書かれています。しかし、今そのことについて知っている住人はだれもいませんし、それを目にしたものもいません。
さらに島での生活の記録として、ミドリの鮫との遭遇、方位のずれ、ゆがむ虹など常識では考えられないできごとが次々に起こったと記録されています。しかし、ノートの一部しか残されていないため、そこからすべてを知ることはできません。一人で生活していたノートの主がどうなったのかさえも謎のままです。
住民で最古参になる本屋のオルターじいさんがそのノートを手がかりに、島で起きるふしぎな出来事の秘密をなんとか解き明かそうとします。一方で、住民の失踪やおいしい島の水の発見、島特有の動植物との暮らし、不審火など、島では都会とは違う出来事が頻繁に起きます。
住民たちは予想もつかないそれらの出来事を自然の一部として受け入れています。不思議と発見が交互に現れては消える暮らしがこの島の日常です。島のおおらかで、時間やお金に縛られない自由な生活はそれらのできごとを楽しみに変えてしまうほどに豊かなものなのです。
メーンランドとの連絡船の船長もこの不思議な島に魅せられている一人です。島のすばらしさをメーンランドに伝え、ノートに関する情報を得ることを提案します。古い印刷機を手に入れみんなで島便りを定期的に出すことになりました。それを読んだ人が少しずつ訪れはじめたころ、メーンランドに仕事で渡っていた島の住人から、オルターに知らせたいことがあるのですぐに来てほしいとの手紙が届きます。
島をまったく出たこともなくのんびりと生活していたオルターでしたが、ノートの謎が解かれる期待を持って船長の船でウォーターランドを後にすることにしました。




