4話
アル「ああそうか、僕の発明好きは飛行機の魅力に気付いたときからだ。なるほど、なるほど、納得がいったよ」
ヴィー「げえ、拾い食いしたカビの生えたパンの味を思い出しちまった。ペッ、ペッ……」
グローリア「(嬉しそうに)そうよ……、そうだわ、思い出した……! 私マリーゴールドの花が好きだったの! ふふ、ああすごく気持ちがいいわ……! 空白だった記憶が埋まっていくこの感覚……」
テオ「……グローリア、アル…ヴィー……」
グローリア「なあに? テオドール」
テオ「ねぇ、もう辞めよう……?」
グローリア「なんのこと?」
テオ「出会ったインサイドの住人たちを片っ端から消していくなんて……。駄目だよ、やっぱり間違ってると思う」
グローリア「言ったわよね、これは『私たち』の記憶。アウトサイドに戻るにはこの記憶が必要で、記憶を取り戻すにはこうするしかないの」
テオ「だからって……」
アル「君の言い分もわかる。だけど僕たちの目的は最初からアウトサイドに帰ることだったはずだよ。今やっていることは、その目的を達成するための必須条件だ」
テオ「でも……」
ヴィー「でもでもってなぁ。じゃあなんだ? お前だけここに残るのか? 俺たちずっと一緒だったのにか?」
テオ「それは……!」
グローリア「私達は全員でインサイドに来たの。なら全員揃ってアウトサイドに帰るべきだわ。そうでしょう?」
テオ「……ペイパー……君は、どう思う……?」
ペイパー「僕はテオが元の世界に戻る手伝いをしているし、ムーンにも君を守るように言われた。テオはテオが思うようにしたらいい。住人を消すことが嫌なら、別の方法を探そう」
グローリア「効率がいい別の方法があれば考えてあげてもいいわよ? 私達はアウトサイドに帰れればいいの」
テオ「例えば、……フードの中を覗く……とか」
アル「相変わらずテオは面白いね」
グローリア「……私がバカだったわ」
テオ「……そういう反応だと思ったよ……」
ヴィー「お、あっちの方に住人がいそうだな。行ってみるか」
テオ「あの、僕……」
アル「大丈夫だよテオ、きっと僕たちの記憶が全部戻れば、残された住人の頭はテオの記憶だろうからね。あえて君が消す必要もないだろう。少し待っておいで」
テオ「うん……ごめんね」
ペイパー「僕はテオと一緒に待ってるよ。いいかな」
アル「構わないよ。君が見ていて気分がいいものでもないだろうからね」
グローリア「行きましょう」
ペイパー「大丈夫かい?」
テオ「大丈夫……ありがとう、ペイパー……」
ペイパー「気にすること無いよ。誰にだって苦手なことはある」
テオ「あの……実は僕、記憶が少し戻ったんだ」
ペイパー「え? 本当かい? でも君は住人を消したりしていないよね?」
テオ「うん……その、ちゃんと僕の記憶だって分かったわけじゃないんだけど、謎の人物のフードの中を覗いたら、こう……ぶわって流れ込んできて、その後、ぎゅうって頭が痛くなって……」
ペイパー「謎の人物……? それってどんなの?」
テオ「……背は小さくて、マントみたいなの羽織ってて全身真っ黒で、フードで顔が全く見えなくて……」
ペイパー「名前は聞いた?」
テオ「うん、でも名乗ってくれないんだ」
ペイパー「……僕、インサイドにずっといるけどそんな子知らないよ?」
テオ「……え?」
ペイパー「うーん……それはもしかすると……」
テオ「やっぱり幽霊……?」
ペイパー「んっ?」
テオ「だって皆が戻ってきたら消えてるんだ……! いつの間にか居なくなって……! それって幽霊だよね……!」
ペイパー「はは、どうだろうね? で、その幽霊はなにか言ってた?」
テオ「……僕が、インサイドに1人で来たって……その理由を思い出せって……」
ペイパー「一人で……ねぇ。……(声を低めに)ってことはやっぱり……。ねえテオ、そのフードの子にあったこと、グローリアたちには内緒にしよう」
テオ「内緒に……? どうして……?」
ペイパー「どうしても。僕と約束して」
テオ「う、うん、わかった……」
グローリア「戻ったわよ」
テオ「おかえりなさい。皆の記憶はどれくらい戻ったの?」
アル「僕はほぼ全部集まったかな? グローリアとヴィーはどうだい?」
ヴィー「まぁまぁって感じだな」
グローリア「そうね。でも何かが足りない……コアになる部分というか……」
テオ「そうなの? 記憶だけじゃだめってこと……?」
アル「僕もそう思う。これだけじゃ未完成って感じだ。ある程度消えたものが戻ってくると空白の部分が明確になるね」
テオ「そっか……」
グローリア「心配しなくても私達の記憶が戻ったら、テオの記憶も戻してあげるわよ」
テオ「ありがとう、みんな」
ヴィー「今更! 俺たち仲間だろ?」
アル「この調子でいったらすぐにアウトサイドに帰れるだろうね」
テオ「じゃあそのこあ?になる部分っていうのを探しに行くの?」
グローリア「そうね。まあ……案外近くに置いてあるものなんだけど」
ペイパー「……ッ! テオ!」※危険を察知
テオ「え?」
コレ「やあ、テオドール」
テオ「わっ!」※かぶる
グローリア「きゃああ!!」※かぶる
コレ「危ないな、まったく」
テオ「また君……!!」※かぶる
グローリア「コレクター!!」※かぶる
テオ「え……?」
アル「なんてことだ……こんな近くにいるのに気が付かないなんて……!!」
ヴィー「どうする……!! 今更隠れる場所なんてないぞ……!!」
テオ「え、ま、まって」
グローリア「折角記憶を取り戻してきたっていうのになんでこのタイミングで……! アルヴァ! なにか策はないの?!」
アル「今考えてる……!」
ヴィー「一斉にバラバラに散るのは……?!」
グローリア「誰か一人が犠牲になれっていうの……?!」
テオ「ね、ねえ待ってよ!!」
ペイパー「テオ、落ち着いて!」
グローリア「うるさいわね! また話してみたいとか言うんじゃないわよ?! あのドロドロにお話し合いなんて通用しないんだから!!」
テオ「皆にはあの子がドロドロに見えるの……?」
グローリア「は……?」
ペイパー「ああくそ……!」
アル「……テオドール、それはどういう意味だい?」
ヴィー「お前には"アレ"がどう見えてるんだ……?」
テオ「え……?」
コレ「なるほど……これは厄介だ」
テオ「どうしてグローリアたちはこのフードの子をコレクターっていうの?」
※グローリア、アル、ヴィーが静かになる
テオ「え……? な、なに……皆どうし……」
アル「そうか……なるほど、ようやく分かったよ」
ヴィー「コレクターの姿は見る人によって変化するっていうのはそういうことだったんだな」
アル「こればっかりは僕にもわからなかったよ。わかるはずがなかったんだ」
テオ「な、何言って……」
グローリア「テオドール」
テオ「グローリア……?」
グローリア「テオドール……あなた、"アレ"がドロドロじゃないようにみえるのね? フードの子……人形なのかしら……」
テオ「み、皆は……違うの……?」
グローリア「ええ……、ドロドロぐちゃぐちゃ……私たちを追ってくる忌々しい"収集家"……。でも、あなたにとっては"適正者"だったわけね」
テオ「適正者……? うわあッ!!!」※ペイパーにグローリアから引き剥がされる
ペイパー「テオ!!! グローリアたちから離れて!!! コレクターを連れてここから逃げるんだ!! できるだけ遠くまで……!!!」
テオ「まままってよペイパー、何を言ってるの?! グローリアたちから逃げる?! どういう」
ペイパー「テオ!!!」
テオ「(ハッとする)……ッ!」
ペイパー「テオ……お願いだ。僕は、君をなんとしてでも助けたい……!! 頼むよ……!」
テオ「ペイパー……?」
コレ「今はアレの言うことを聞け、テオドール」
テオ「 (意を決して走り出す)……ッ!!」
アル「グローリア!」
ヴィー「あいつらが逃げるぞ!!!」
グローリア「待ちなさ……」
ペイパー「行かせない」
グローリア「……よくも邪魔をしてくれたわね……何度も……何度も何度も……この、みすぼらしい紙頭が……!」
ペイパー「悪いけど、それは僕には効かないんだ(最後ににっこりと笑う)」
テオ「(何回か走っている息遣い)ハッ……ハッ……ハッ!」
コレ「そこだ、そこにいけ」
テオ「(物陰に隠れて息を整える)……はぁ……ッ……はぁ……ッ……」
コレ「テオド(ール)」
テオ「しぃっ! ……今は静かにしてて」
※歩く音
アル「こっちの方角だと思ったんだがね」
グローリア「あのテオがヒトガタを連れてそんなに遠くまで行けるとは思えないわ」
テオ「(独り言)もう追いついてきてる……!」
アル「ヴィー、嗅覚を使ってみよう」
ヴィー「わかった」
テオ「(独り言)だめだ、バレ……ッ!」
コレ「しっ! ……今は静かにしてて」 ※コレクターがテオを抱きしめて覆う
ヴィー「いや、この辺りからは匂いを感じられない。もう少し奥まで逃げたのかもしれないな」
アル「そうかい、じゃあ今度はあっちのほうを探してみようか」
グローリア「そうね、どこまで逃げようと、すぐに見つけ出してやるわよ」
※歩く音
テオ「(止めていた息を吐き出す)ふぅッ、はぁ……ッ……はぁ……ッ……行った、かな……。……僕の真似したでしょ」
コレ「なんのことだか」
テオ「さっき、僕を抱きしめて覆いかぶさってくれたのは……」
コレ「僕は匂いがないから」
テオ「……助けてくれてありがとう。……でも、グローリアたちがここまできたってことは……ペイパーは……」
コレ「アレは大丈夫だ」
テオ「そうだよね、きっと、きっと大丈夫……ペイパーだもん……。それで……君が、コレクターなの? 適正者ってグローリアたちは言ってた……それってどういう意味?」
コレ「質問が多いな」
テオ「あっ、ごめん……。……アルにも言われたっけ……。皆どうして……」
コレ「テオドール、まずは思い出せ」
テオ「また、君の空洞を覗いたらいいの……?」
コレ「そう……早く」
テオ「……ッ(意を決したように)わかった……!」
※記憶
ルシアン「手紙をくれたのは君かな? よく私のラボのことを調べたね……。え? ほらだって、私の研究はあまりにも現実味がないと言われて話を聞いてもらえない事が多いからね、はは」
ルシアン「君の要望はわかった。だが……私はそれに答えてやれない。悪いが帰ってくれないか」
ルシアン「また君か……、何度来ても返事は同じだ。……そうだな、確かに私のこの装置を使えば君の探したいものは見つかるかもしれない。でもあまりにも危険だ! 私はこれ以上……失いたくない……」
ルシアン「……わかった、わかったよ……。君の気持ちはよくわかった。ああ、わかっていたとも、最初からね……。(ため息)私が力になろう。だが、忘れてはならないよ……君の」
テオ「ハッ……!! ああ……ッ……うう……!」※涙を流しながら苦しむ
コレ「テオドール……! グローリアめ、テオに何か細工したな……」
テオ「……き、君……なんだか……」※苦しみながら
コレ「うん、コレクターは適正者でもあるけど、収集家でもあるから。テオにとっては、味方の、ね」
テオ「み……かた……」※苦しみながら
コレ「それより危ないところだったね。僕があのタイミングで見つけてなきゃもう少しで取り返しのつかないことになってた」
テオ「……はぁ……はぁ……どういうこと……? どうしてグローリアたちはあんな人が変わったみたいに……」
コレ「変わったんじゃない。元があれなんだ」
テオ「……え……?」
コレ「騙されやすい性格なんだね。見ていてヒヤヒヤしたよ。もっとも、あの紙頭は気付いてたみたいだけど」
テオ「そうだペイパー……! 助けにいかないと……!」
コレ「全く、人の心配より自分の心配をしなよ。ま、どっちにしろアイツに会いに行かなきゃいけない、か……。僕を通じて君自身が思い出せたのはここまでだね……。君から記憶を共有してもらったから、捜し物は見つかるよ。これでテオドール・アンドレドはアウトサイドに戻れる」
テオ「君は……何者なの?」
コレ「僕はコレクター。アウトサイドとインサイドの秩序を守る門番だよ」
テオ「ペイパー……!」
ペイパー「あ……テオ……はは、よかった……逃げ切れたんだね……」
コレ「これはひどくやられたね……身体がボロボロだ。僕が修復できるところまではやってあげよう」
ペイパー「ああ、君はテオを守ってくれると思ったよ。僕にはドロドロにしか見えないけど……」
コレ「インサイドの住人にはそう見えるようにしているんだ。怖くて禁忌なんて犯せないだろう?」
ペイパー「心配しなくても僕はそんなことしないよ」
テオ「ペイパー……ごめんね、僕がちゃんと約束を守れなかったから……」
ペイパー「いいんだ、僕が君を守りたかっただけだよ」
テオ「ペイパーはグローリアたちのこと、知ってたの……? グローリアたちが……その、」
ペイパー「なんとなくだよ。奇跡なんてそう起きないし、ちゃんと顔がついてるのは僕達とは違う証拠だから疑ってたんだ」
テオ「もしかして……僕のことも疑ってた……?」
ペイパー「ふふ、最初はね。でもすぐにテオだけは違うって分かったよ。表情が豊かすぎる」
テオ「コレクター、皆を止めるにはどうしたらいいの?」
コレ「止める? なにを?」
テオ「どうして君を狙ってるのかわからないけど、きっと皆は、ただアウトサイドに帰りたいだけで……」
コレ「テオドールはまだそんなことを言ってるのか。グローリアたちが狙ったのは僕だけじゃない。君もだよ?」
テオ「僕を……? 今まで一緒にいた仲間なのに?」
グローリア「仲間だなんて思ったことは一度もないわ」
テオ「……グローリア……」
グローリア「みつけたわよ……テオドール……」
ペイパー「もう戻ってきたのか……思っていたよりも早かったな……」
ヴィー「いやあまさかほんとにここにいるとはな、流石アルだぜ」
アル「押して駄目ならなんとやら、というやつだよ。たまには後ろも振り返らなくてはね」
テオ「アルヴァ……ヴィルアム……どうして? どうしてなの……?」
グローリア「うるさいわね……どうしてもよ。どうしてもアウトサイドに帰りたいの」
テオ「そうだよ! 僕たちそのために一緒に探してたんじゃないか! 全員でインサイドに来たんだから、全員揃って帰るんじゃなかったの?!」
アル「残念だがそれは嘘だよ、テオドール」
テオ「嘘……?」
コレ「はぁ……いいかい? グローリアたちはアウトサイドの人間じゃない。インサイドの住人だ」
テオ「……え……?」
ヴィー「なんだ、もう言っちまうのか。つまんねえやつだな」
コレ「僕は回りくどいことは嫌いでね」
グローリア「同感ね。いいわ、教えてあげる。ここは人間の忘れた記憶が集まる空間なの。自分では忘れたと思っていても、記憶は脳にまだ残ってる」
ペイパー「インサイドの住人は……人の記憶ってことか……?」
アル「そう。彼らが消えたときは、アウトサイドにいる自分に記憶が戻ったときだね。インサイドの住人自身がアウトサイドにいけるわけじゃない。僕たちは僕たち自身でアウトサイドに行こうとしてるんだ」
テオ「グローリアも、アルも、ヴィーも誰かの記憶なの……?」
コレ「彼らは記憶じゃない、思念だ。たまにいるんだよ、自分はまだ存在していると勘違いしている思念がね」
グローリア「ひどい言い方をするのねコレクター。でもそのとおりよ。だから私たちはテオの記憶を抜き取ったの。あなたの記憶で自分を作ったのよ。例えば、名前や顔とかもね」
テオ「僕の記憶を……? 何のためにそんなこと……!」
グローリア「そこの消えぞこないが最初に言ってたじゃない。インサイドの住人がアウトサイドに行くためにはアウトサイドの住人と入れ替わる必要があるって」
ペイパー「それはコレクターがやってることだって僕たちは言い聞かされてきたけどね……」
コレ「絶対に犯してはならない禁忌だからね。見た目がおぞましい化け物と合わせてルールにしてしまったほうが僕もパトロールしやすかったってわけ」
テオ「じゃあ……僕と入れ替わってアウトサイドに行こうとしてたの?」
ヴィー「そういうこった。お前と、お前の"適正者"であるコレクターをあわせて吸収すれば、俺達は完全体になれる」
テオ「そんな……仲間だと……思ってたのに……どうして!」
グローリア「どうして? アウトサイドのあなたにわかるかしら? 自分か何者か、考えても考えてもわからない……他の住人みたいに、顔や姿があるわけでもない……ただ、”私”が宙に浮いてふらふらしているだけ。そんな虚しさは、……あなたなんかにはわからないわよ!!!」
ペイパー「記憶や思念はそのままであるべきだよ、こんなことはもう辞めるんだ!」
テオ「……アルも、ヴィーもそうなの……?」
アル「ああ、君から記憶を奪おうと提案したのは僕なんだ。もともとそういうことが好きだという気持ちはあったみたいでね。だから君の知り合いの博士……だろうか? 彼の記憶だけもらってしまったわけなんだが」
ヴィー「俺もヒトガタがよかったぜ……まあ、アルを乗せられる姿になれたのは好都合だったけどな。……お前が悪いんだぜ? テオドール。アウトサイド、しかもお前みたいな弱っちい人間が一人でフラフラしてるからだ」
グローリア「夜道に一人で出歩いてはいけませんってママに教えてもらわなかったの? テオドール」
ダニエラ「こーら、悪い人に連れて行かれたらどうするの?! ちゃんと前をみて歩きなさい、テオ!」
テオ「…………」
ペイパー「テオ、耳を貸さなくていい。それよりもあいつらに捕まったら、また記憶を抜かれるぞ。そうなったら禁忌を犯してしまうことにもなりかねない。今は逃げるんだ」
グローリア「ちょっと、なんとか言ったらどうなの? テオドール」
アル「そんなにいじめてはいけないよ、グローリア。テオはとても優しい子なんだ。まあ、後にその優しさも僕たちが吸収させてもらうんだけれどね」
ダニエラ「優しい子……あなたは本当に優しい子ねテオドール……誰に似たのかしら……」
テオ「…………」
ペイパー「テオ! どうしたんだ、しっかりしろ!」
ヴィー「おいおい、ビビってんのか? 顔をよおく見せてみろよテオドール!」
グローリア「やめてよ、ヴィルアム。こんな奴の顔なんて見たくもないわ。さっさと捕まえて」
ダニエラ「出ていって!!!! あなたの顔なんてもう二度と見たくもないわ!!!」
テオ「…………母さん?」