27drink「辛勝」
おかげさまでPV5000突破いたしました!
ありがとうございます!m(_ _)m
よし。合流するまでは離さずに行こう!
そう思った時、遠くから声をかけられる。
「きば美ぃーーーー!!」
大声をあげながら走ってくるレオタード姿の女性、ハガネ。
後ろには息絶え絶えのヒゲ子もいる。
無事合流したようだ。
ちっ。俺は渋々ギャルるんとの手を離す。
「きば美! すまん! 我が先走り戦闘を仕掛けてしまったせいで、皆に迷惑をかけてしまったようだ!」
「あ、ううん。大丈夫だよ。みんな無事だったし」
「本当にすまん!」
「いや、だから良いって。ねぇみんな」
「そーそー。ちょっとヤバかったけど、誰も怪我してないみたいだし〜」
「……うん」
「そうか。恩にきる!」
「あ、ヒゲ子。さっきは、お酒もって来てくれてありがとね」
「私たち、……なかま」
「そっか。そうだね。仲間だもんね」
「そうそ。前にもダチだって言ったじゃん?」
「うむ。同士だな」
仲間か。素直に嬉しい。
キャバ嬢はあくまでキャバ嬢。
お金を払わないと会えないし、話す事も出来ない存在。他の人はどうだか知らないが俺はそうだった……。
だから異世界とはいえ、そんなキャバ嬢に仲間と認められるのがこんなに嬉しい事だなんて思ってもみなかったな。
「うん。みんな、ありが……」
バッシャーーーン!!
「#¥7:>€€#€€€€€……………!!!」
俺がみんなにお礼を言い終わる前に、客の怒声が鳴り響く。
見ると客は俺の死ん酔術で、今にも倒れそうなほどボロボロに溶け、床は黄金の液体で濡れている。
自分で言うのもなんだが、あの化け物じみた術からなんとか脱出する事が出来たみたいだ。
……予想はしてたけど、やっぱ強すぎだろ。これマジで今後狂暴化だけは避けた方が良いな。
だが、あの状態なら俺たちだけでもイケる!
「よし! もうひと息だ! みんな行こう!」
「承知した!」
「はぁーい」
「……(コク)」
俺たちは異形之者目指して走り出す! ……て、あれ?
「心酔闘技『もぉー、それは私じゃなくて氷を突っつく物でしょ? うふふ』!!」
「×°$#%×>==……!!」
マドラーによる凄まじい突撃ラッシュで目の前の客が一瞬で崩壊していく。
「「「「…………」」」」
目標を失った俺たちは、走りから歩きに変わりながらも惰性で倒れた客の側までたどり着く。
「あ、貴女!」
先ほど盾を作って守ってくれた先輩キャバ嬢が振り向く。
「今倒した異形之者を閉じ込めてたのって貴女がやったのよね?」
「あ、はい」
「やっぱり! ウワサには聞いていたけど、貴女……」
「はぁ、はぁ……ち、ちょっとアンタ!! 勝手にアタシの客、取ろうとしないでよね!!」
たった今、心酔闘技でとどめを刺した先輩キャバ嬢がこっちに向かってくる。
いやだって、先輩死にそうだったじゃん。
「ア、アタシたち女格二位『妖艶啻』の指名客はアンタたちなんかに、務まるワケないんだから! はぁ、はぁ……」
「はぁ、……すみません」
それに疲れてるんなら、無理に声をかけなくていいし。
まぁ死ななくて良かったね。
「あ、ごめんなさいね? この子、貴女の強さに嫉妬しちゃったみたいなの。でも助かったわ。ありがと」
「……ふん!」
「あ、いいえ。私も助けて頂いたので。ありがとうございます」
お礼を言って離れる俺たち。
ハガネはなんかブーブー言ってるが、勝手に乱入して狂暴化させたのは俺たちのせいだ。ここは退散した方が無難と言うものだろう。
それにしても、女格二位の指名客か。
俺たちが相手していた客とは別格の強さだったな。狂暴化させてしまったのもあるが、あのタフさは尋常じゃなかった。
これまでの相手なら俺の酒気200で一発だったのに、600使っても倒れないって……どんだけだよ!
これ、助っ人すんの無理な気がしてきたな。
けど、周りはまだ混乱が続いているし、他の先輩キャバ嬢たちも今まで見た事がないくらい苦戦している。
このままだと死者がでそうだから、やっぱり助けたい。
でも負担が……どうする?
「きば美っち」
俺の心配事が顔に出ていたのか、ギャルるんが話しかけてきてくれる。
「次からは、女格四位か三位の先輩から助っ人する事にしない? 二位とか一位はウチらじゃもう無理だし」
心配とかじゃなくて相談だった。
「そうだね。私もそう思う」
「むむ……。確かに今の我々では、悔しいが力不足だ」
「……(コクコク)」
「よし、じゃあヒゲ子。先輩キャバ嬢の女格なんて見た目じゃわからないから、弱そうな客を探してくれないかな?」
「……うん」
その後、俺たちは苦戦している女格下位の先輩キャバ嬢を中心に助っ人を行っていった。こっちから攻撃を仕掛けると狂暴化してしまうので、あくまでフォローのみ。それでも大分先輩たちの状況は改善し、次第に元の営業日と同じ状態へ戻っていった。
結局異変が起きたのはあの時の1回だけで、以降は普段どおりだったのだが、その1回でこんなにも混乱してしまうのは長年マニュアル通りに戦闘していたからなのかも知れない。
気がかりなのは、あの武器の出どころだ。
苦戦を強いられた先輩キャバ嬢たちに後で聞いてみた所、戦闘中に後ろから武器で痛めつけられてしまったのが今回の要因らしいのだが、そもそも異形之者は武器を持たないスタイルなので誰の仕業なのかもわからない。
今後もこんな展開が営業中に起こると思うと、不安でいっぱいになる。
でもまぁとにかく、今回の営業はかなり厳しい物となってしまったが、なんとか無事に閉店出来た事に賞賛を送ろう。




