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20drink「酒気200」

 

「きば美っち!」


「うん! 死ん酔闘技『ば、ばかぁ! アンタなんか死んじゃえ!』」



 将来が心配なギャルるんの合図を受けて急いで客に近づき、死ん酔闘技をぶっかける。んで、すぐ逃げる。



「隙ありだ! とぅええぇい!!」



 客がこっちに顔を向け、俺を捕まえようとした所にハガネの右フック!

 あぶねー、あぶねー……。

 ハガネの攻撃がなかったら、完全に捕らえられてたわ。



「$#¥7:>€! €€€€……!!」



 ハガネの攻撃が効いたのか、たまらず叫ぶ。

 てか、俺の攻撃は無反応だったな……。

 やっぱ、レディースグラスに替えたから、威力が足りないんじゃないか?



「……ふん! ふん!」



 後方からヒョイッ、ヒョイッと氷を投げつけてるヒゲ子。

 俺もあの技覚えたかったわ〜。

 ちょー楽そう。


 ヒゲ子はこの、氷を投げて気ダメージを与えつつ客の気をそらす事以外にもうひとつ重要な役割がある。

 それは『客選び』だ。

 一見簡単そうに見えるので俺でも出来そうだが、これは『感』のするどいヒゲ子だからこその役割となっている。


 普通なら、見た目が同じに見える客を判別するだけでも困難だと思うのだが、彼女はその中から的確に弱い客を見つけてくるらしい。

 確かに、今俺たちが戦闘(セッキャク)している客も周りと比べると強そうには感じない。

 感じないハズなんだが……。


 開店(オープン)から、体感で1時間。

 うちのチームは、この状態でまだ客を1人も(カエラ)せていない。

 これは正直ヤバい。



 俺たちキャバ嬢には、ひとりひとりに『御相手数(ノルマ)』が設けられている。

 女格一位なら最低6人、二位なら最低3人の客を(カエ)さなきゃ行けない。

 一応、女格毎の力量に合わせて設定された数らしいがはっきり言って超ギリギリのラインだ。


 ようするに、俺たちがこのギリギリのラインを(カエ)せないとサボってると見なされるワケだ。あとは全体の安全の為って事らしい。


 フクロウさんの話しでは、来店日における異形之者(オキャクサマ)の総数は、恐ろしい事に250前後になると言う。

 対して俺たちは100人くらい。

 数だけみると凄く不利な感じがするが、時間帯で考えれば出来ないほどじゃない。

 先ず、開店(オープン)時に50人。

 そこから2時間毎に50人、100人、50人。

 こんな感じで来店して来るらしい。


 今いる客はまだ50人くらい。

 御相手数(ノルマ)さえ守っていれば、他のキャバ嬢が対処する必要がなくなるので、ギリギリ安全に戦闘(セッキャク)出来るというワケだ。



 んで、俺たち女格五位の御相手数(ノルマ)はというと、最低1.5人。

 つまり、4人チームで考えると6人になる。約1時間に1人倒(カエ)さないといけない計算だ。

 だが、今はまだ1人も倒してないし、倒れる様子もない。


 これは、明らかに俺のせい(・・・・)だな。

 俺が入る前のチームなら3人だから、合計平均4.5人倒せればよかったので今のペースでも大丈夫だが、俺が入った事で御相手数(ノルマ)が増えてしまったのだ。

 しかも、俺の闘技は威力が低い。

 ……ヤバい。

 このままだと、『罰ゲーム』確定だ。



『罰ゲーム』の内容は更衣室のお掃除。

 内容だけ聞くと罰ゲームなのかって感じだろう。だが、実際目にするとわかる。

 更衣室の奥には、アレ(・・)が潜んでいる。

 アレだよアレ。

 言わなくてもわかるだろ?

 口に出すのも恐ろしいが、あえて言うなら……そう。

『闇の使い魔』達だ。

 ぶっちゃけ異形之者(オキャクサマ)より怖い。

 普段着替える時なんかもう、ビクビクもんだ。

 俺の世界にいる時には、そんなに感じなかったが、この世界に来ると何故かすっごく嫌いになる。

 この身体のせいか?

 しかも、ここ2、30年は優秀で、罰ゲームを貰った者はいないらしい……。

 つか、今まで調理場で見かけなかったのが不思議なくらいだ。

 水回りの方が潜んで居そうな気がするんだが……たぶん、ヤツらも異形之者(オキャクサマ)にビビって、あそこに居続ける事は出来なかったんじゃないかと思う。

 まぁとにかく、更衣室のお掃除だけは阻止したい。



 こうなったら、保険も取っ払って今死ん酔闘技に加えてる酒気を20から100にしてみるか?

 総力202で、他のキャバ嬢たちの闘技に比べて4倍になる。

 その位の威力なら、1時間近く戦闘(セッキャク)しているこの客を一発で(カエ)せるかもしれない。


 ……やっぱりやめておこう。

 もし、次の営業日に酒気がスッカラカンじゃ話しにならない。


 ……いや、でも1回なら。

 試すのもあり……かな。

 使ったあとにすぐ更衣室の体重計で計れば限界値が分かるかも知れないし。


 ……よし! 決めたぞ!


「ギャルるん! 次に足止めしたら、私が攻撃した瞬間に客から距離をとってほしいの! ちょっと試したい事があるから!」


「きば美っちが? ……うん。任せろって感じじゃん!」


 次はハガネを見る。


「ハガネ! ハガネも私が攻撃した後は、すぐ追い打ちをかけないで様子を見てほしい!」


「わ、分かった! しかし何を……」


「ヒゲ子! ヒゲ子は遠いから大丈夫だと思うけど、一応警戒しておいて!」


「……うん」



 さて、どのくらいの酒気を使おうか。

 なるべく今日は500以内で済ませたい。

 さっきまでに死ん酔闘技を使った回数は12回。

 レディースグラスに替えて消費を抑えたから、120使ったって事だ。

 残りは380。

 だから残り5人倒す事を考えると、えーと、えーと……!



「きば美っちー!」


「あいよ!」


 あぁーー! もう!!

 めんどくせぇーーー!!!

 200だ!!


「死ん酔闘技! 『ば、ばかぁ! アンタなんか死んじゃえ!!』」

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