地獄の学校説 第八国の呪術 第二巻
地獄の学校説 第八国の呪術
第六話:精神と崩壊
暗い部屋に二人の男女がいた、そして二人は一人の非魔法者を冷たい眼差しで見て
非魔法者は涙を長しながら
「王様の為なら命を捧げてもいいです!!」
狂っているとしか思えない、すると男は
「本当にいい…」 「炎燃?何をためらっているの?」
男が非魔法者に言葉をかけようとした時、女は止めた
「許花… 俺が連れて来いと言っておいてすまないな」 「いいわよ別に」
炎燃は呪文を唱え始め、それと同時に許花も目を瞑り祈り始める
「全知全能の神よ 我は誓いにより 一人の力無き者の命と引き換えに…」
炎燃が呪文を唱えていると非魔法者が苦しみ出す
苦しみに耐え切れず嘔吐もしたが非魔法者は笑っている
「お…王のためっ…に!すべ…てを命…をささげ…」
非魔法者の背中から翼が現れ 瞳が消える
非魔法者の足元には 魔法陣が作られ 非魔法者は悲鳴とともに体がはじける
-------元世界サイド-----
「グッ…!?」 銀次は苦しみだすがそれも一瞬。
痛みが引き 前を見るが晴海がいない
「何なんだ?あの女、心の世界とか意味わからねぇ」
その頃晴海は
「ちょっちょっとアンタ!何寝てんのよ!」
まさか心の世界を操作されてる!?
「どうしよう、もう魔力がない」
そう。私はまだまだ仮魔法使い 元々魔法を使うには 魔力が必要である
「しかも、この時間じゃ」
魔法を使うには、位置や精神状態によって 魔法の効力が違うのである
現在晴海がいるのは、見渡す限りの森 そして目の前にはトンネルがあり
まるでそこは、恐怖電脳の様な場所だ。
そして同時刻__ 銀次は
銀次は泣いていた、目の前には大量の死体、そして左手にはナイフを持っている銀次
「一体なんで」
そう疑問を持つのは仕方がない
気がついたらこうなっていたのである、言葉通り
そして銀次は 人を殺した記憶がある、そう何人も
銀時が笑いながら人を殺す記憶を
何度も何度も人を殺す、無感情のままに 何も思わず
ただ殺し続ける しかし銀次はその記憶しかない
実際に銀時はそれをしたのかも分からない
「たすけてくれよ」
銀時は泣き崩れ、枯れた声で言う
誰にも声は届かない、果てしなくつづく闇
そして銀次を中心に 丸い円の様に明るい
「俺は人を殺した、犯罪者だ!クズだ!」
銀時の精神はまだ高校生
人を一人殺しただけで精神が狂ってしまうほどに脆い
それが、何人、何十人、何百人の人間を殺していった。
第七話:魔力と制限
「銀次!銀次!」 何度も呼びかけるが、銀時は反応しない
酷くうなされており、体中から汗が出ていた
「どうしよう」 周りは見渡す限りの森
移動するにも、ここが何処かもわからない
そもそも晴海は 魔移動空速移動を使い ここに来た
もう一度魔移動空速移動するにも 魔力がない
それでも晴海は銀次の手を引っ張り 場所を移動しようとする
「早く私の家に」
晴海は息を切らしながら言う、晴海の家には魔術回復 魔力を回復する事ができる薬がある
「こんな事なら持って来れば良かった、ウチって馬鹿ね」
晴美は森を抜けようと歩いているが
銀次をかついでるせいで、体力はあっと言う間に尽き
「あぁ~~~もうむりぃ~~~」
「そうか、もう無理なのか。」
晴海の後ろから声が聞こえる
「だれっ!?」
慌てて後ろを見ると
ソコには 黄色髪のオールバックで黒いコートを着ている
「炎燃!?」
「僕の名前を覚えていてくれるなんて、光栄です。 女王様」
どうしよう、もう魔力が残ってない、このまま戦っても負ける…
晴海は銀時の方を見る
「おきてっ」
「起きないよその子は、心の世界をイジって悪夢を見せている。」
「……。」
炎燃は指をパチンッと鳴らすと、足元に大きな魔法陣が現れ
魔法陣の周りに炎が現れた
「炎の神よ我はこの身の掟に従い 暗黒炎を召喚!!」
第八話:善と悪
炎燃が呪文を唱えた瞬間 黒い炎で出来た 龍が晴海に襲いかかる
「キャッ!?」
晴美はとっさに避けるが
「あ、しまったっ」
晴美は銀次を落としてしまったのである
炎燃はニヤッっと笑うと
「暗黒炎よ!そこに倒れている 寺田銀次を食い殺せっ!」
「やめてっ!」
晴海の声は銀時に届いた。
銀次はゆっくり目を開けると、ゆっくり体を起こすと
「存在破壊!」
銀次が何かを言うと、その瞬間 暗黒炎は消えてなくなった
「なにっ!?」
炎燃は焦せり 我を忘れていた
「貴様ッ!何をしたっ!」
炎燃は怒り狂い 銀次のもとへと近づいてゆくが
「場所初期化」
「はっ?」
なんと炎燃は先ほどの魔法陣の中に戻っているのである
「銀次!いきなりどうしたの!?」
晴美は銀時に驚いている、それも無理はない
先ほどまで心の世界をいとも簡単に操られるような
非魔法者だったのだ
確かに素質はあったが、こうも簡単に 魔法は使えるものではない
「ん?晴海か、フッ、簡単なことだよ」
銀次は心の世界をいじられ、悪夢を見ている間に
違う世界、つまり並行世界の銀次と出会い
魔法を教えてもらったのである
「まぁ、簡単に言えばこんな感じだ」
銀時は炎燃を指差し
「お前の負けだっ!」
と、言うと 炎燃は崩れるように倒れた
「僕の負けだよ、銀次… まさか僕がした、心の世界の操作が裏目に出るとはね…まぁ僕が弱かっただけの事さ」
「いやそれは違うな」
「!?…」
「お前が弱かったんじゃない、俺が強くなりすぎたんだ」
「まったく、さすが寺田銀次だ君には勝てないや」
と炎燃は言うと 炎燃は魔法陣の中に入っていき消える
第九話:覚醒と属性
晴美が銀次の元へと近づく、晴美は右手を銀時の頬に
パチンッ!!
「起きれるなら早く起きてよ!、怖かったじゃない!」
晴美は涙ぐみながら銀時に怒鳴りつける
「すまねぇ遅れちまったな、だからさ 泣くなよ?折角のかわいい顔が台無しだぞ?」
「なっ!__」
晴美は銀次が放った言葉に 戸惑いつつも 顔を赤らめながら
「バッカじゃないの!別に泣いてないし!アンタ馬鹿なんじゃないの!? もう~~!!」
「ははっ怒るなよ」
銀時は晴海の頭を撫でると、晴美は銀次の手をはらい
「馬鹿にするなぁ~!!」
「はははっついてこいよ~」
噴水がある公園で 晴海と銀時は カップルの様に、追いかけっこをしている。
「おっそいぞっ!」
-------並行サイド-----
「貴様は寺田銀次に敗北したのか?」
真っ黒なボディーに血のように赤い目を持つ 巨人のような大男、水で作られた輪っかの中に大きな魔法陣が展開されおり
そこに体だけが出ており、足は魔法陣の中にうもれている
「申し訳ご座ません王」
炎燃は王と呼ばれる存在の前で土下座をしながら謝罪をしていると
「負けたの? 炎燃」
「 許花か…」
「王、今回はこの様な結果になってしまったことを私からも謝罪させてください。」
王は目の光をぎらつかせながら
「いいだろう、だが次敗北した場合 貴様の存在自体を消す。」
王は話を続ける
「そして、 寺田銀次の突然の覚醒だが、分析結果 無制属性生存の可能性が出てきた
「なんですって!?」
許花は知っていた無制属性生存の事を
つづく