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前奏
「ヨンダルが来るまでに、出来る事やっとくか」
「おー。手伝うぞ」
「ってか、ケルヴィンの仕事だけどな。この店を中心として、1km球形に千里眼を展開。外側に防音膜。内に向かって防御壁張ってくれ」
「ダルファ、私は何を?」
「アンタが無策なハズ無いだろ。思う様に頼む」
マスターが何も考えて無いワケが無い。俺より余程勝率の上がるプランがあるだろう。
「マスターSSランクの依頼って何?」
『ヨンダル』
俺とマスターの声が重なる。
「……双璧の」
「俺との仕事で悪いな」
双璧の掃除屋というのは俺の通り名で、悪名だ。この名を聞いて依頼を受ける人間は、まず居ない。