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第一話 プロローグ

「みなさんにはデスゲームをしてもらいます! ハハッ!」


 鼻のかかった笑い声が、体育館に響く。

 舞台上のネズミのキャラクターが、楽しそうにあたりを見渡した。


「デスゲームと言っても、負けたら死ぬわけじゃないから安心してね! このゲームは勝った人だけが死ぬんだ! 面白いよね!」


 ネズミが反応を待つように、耳に手を当てる。

 だが体育館にいる百人は、だれも反応しなかった。だれも反応できなかった。立ち尽くしたまま、そのネズミを見ていることしかできなかった。


「ハハッ! 反応うすいなあ! ぼくがせっかくみんなにチャンスを与えてるのに、もっと盛り上がってよ~」


 ネズミは口角を上げたまま、落胆するようにうなだれた。


「じゃあもういい。簡潔に話すよ」


 声のトーンが、一つ下がる。


「君たちは自殺に失敗した。君たちには死ぬ気が、あるいは知識が足りなかった。中途半端に身体と脳が傷つけられて、現実の君たちは仮死状態にある。意識を失ったまま、生でも死でもない、宙ぶらりんな場所にいる」


 ネズミが顔を上げる。

 口角は上がったまま、真っ黒な目だけが、百人の自殺未遂者を見下ろしていた。


「だからぼくが助けにきたんだ。本当に死にたいなら、このゲームに勝て」


 もし負けたら、とネズミは笑う。


「ハハッ! そのときはまた現実で生きてね。君たちが拒絶した地獄の世界で」


 死ねなかったのか。

 どこかからそんな声があがった。

 集められた百人は、呆然とネズミを見ていた。

 高校生である雨宮奏太雨宮奏多(あまみやかなた)も、その一人だった。彼は唇をかみ、拳を強く握った。


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