Game90 ファストブレイク
全米新人高校選手権決勝トーナメント1回戦の相手は、メーン州第一代表のレスティス高校であった。2メートルオーバーのビッグマン3枚を中心に、強力なインサイドアタックを使って戦うまさに、米国型バスケットの教科書の様なチームである。クリストファー・ボストン校は、高さで劣る為、持ち味のファストブレイクを出す為には、リバウンドを司るインサイドプレーヤーであるアリバーとニールセンの2枚看板の活躍が鍵であった。今年のクリストファー・ボストン校は決してサイズの小さいチームと言う訳では無かったが、レスティス高校の高さが高校生離れしていると言うだけの話だった。ただ、蓋を開けてみればクリストファー・ボストン校の堅守速攻が、面白いように決まり、レスティス高校のビッグマン3枚を走り合いで精一杯にしていた。前半からコツコツと点差を広げ、気が付けば125-68の大差で勝利を収めた。クリストファー・ボストン校の100点ゲームは、そのファストブレイクの質の高さを物語っており、ラッセンの目指してきた理想のスタイルである事に、間違いは無かった。決して大きくはないチームが勝つには、走り負けない事が肝心だ。こうして、クリストファー・ボストン校は決勝トーナメント1回戦を突破した。




