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Game65 再起
9月になる頃には秀太の怪我も回復し、2年生は3年生に進級した。今年もクリストファー・ボストン校には推薦組と一般組合わせて沢山のプレーヤーがバスケットボール部の門を叩いた。そうした新戦力が加わって来たものの、主力メンバーはほぼ変わらなかった。このチームになってからまだタイトルを一つも取っていない。それが逆に再起へのモチベーションとなり、良い心理状態を作り出していたのであった。全米中を遠征もせず、近場のハイスクールとも練習試合を重ねる事もしなかった。クリストファー・ボストン校は、Gameよりも、完成度の高い組織を目指して毎日練習に明け暮れていた。それは相手になるチームが全米広しと言えども、そんなに無い事も意味していた。秀太がいれば優勝出来たのにとタラレバ定食を食っている間は勝利もヴィクトリーの栄冠を授かる事は無いだろう。




