Game63 ニールセンの乱
序盤は完全にクリストファー・ボストン校のペースだった。その立役者となったのがニールセンであった。前半だけで26得点14リバウンドと大暴れし、カリフォルニア州立ロサンゼルスハイスクール攻撃陣を好きな様にさせなかった。結局前半46-29と17点リードで終える。が、しかしニールセンの乱は前半だけであった。後半カリフォルニア州立ロサンゼルスハイスクールは、ゾーンプレスを用いて個の力を組織で守った。ニールセンは何も出来ず、クリストファー・ボストン校はパスを外角で回すだけで手一杯だった。こう言う悪い流れを断ち切るのがエースたる秀太の役割なのだが、今日に限っては、その手は使えない。前半の得点差はみるみるうちに縮まっていき、第3クォーター終盤に遂に試合をひっくり返されてしまう。第3クォーターを終えて60-68カリフォルニア州立ロサンゼルスハイスクール8点のリードであった。泣いても笑っても次の第4クォーターがラストである。ラッセンは選手を信じ特別な事は言わなかった。たとえそれで敗れたとしても、何か得るものがきっとあるだろう。それが名将ステファン・ラッセンの長年の勘であった。




