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Game11 本場のレベル
練習試合の相手はボストンの格下の学校ばかりが、相手だった。これは毎年の伝統で、州大会を見据えた上での事であった。いくら名門クリストファー・ボストン校と言えども、州大会で負ければ、全米高校選手権には出られない。その為に万全を期す為のスカウティングも兼ねていた。選手のコンディションや、練習試合の結果など、ラッセンにとってはどうでも良い事であった。州大会本番で勝てれば良いのであるから。
そうは言ってもクリストファー・ボストン校は全勝であった。秀太もAチーム入りし、背番号15であった。他に1年でベンチ入りしたのはニールセンだけであった。アメリカの高校のロスターはNBAに合わせ12人なのである。つまり、Aチームに入っても、必ずしもベンチ入り出来るとは限らない本当に厳しい世界であった。
秀太は自分のチームより弱いとは言え、本場のレベルは日本とは比較にならないほど、個々のレベルは高かった。それでもいつも練習していた先輩やBチームに比べると大した事は無かった。秀太はまだ、本当の本場のレベルを知らなかった。