カルネと雪だるま
ある寒い夜、外では雪が降っていました。
それはだんだん積もって、辺り一面雪景色に。
次の日の朝、とある家から小さな女の子が出てきました。
女の子の名前は、カルネ。
「わぁっ、お庭が全部雪でいっぱいだ!」
カルネは、初めて見る雪に大喜び。
そして、雪を丸めて、雪だるまを作り始めました。
しばらくして、雪だるまが完成します。
「よしっ、うまくできた!」
「ちょっとーっ、朝ごはんできたから、早く入ってきなさい」
「はーい!」
母親に呼ばれて、カルネは家の中に入っていきました。
その日の夜、雪だるまのところに、妖精が現れました。
「あら、かわいい雪だるま。そうだ、動くようにしてここの人たちを驚かせちゃえ!」
いたずら好きな妖精は、雪だるまに魔法をかけました。
すると、雪だるまに手足が生え、庭を駆けまわります。
「ふふっ、どんな顔をするか、楽しみだ!」
そう言うと、妖精は消えていきました。
残された雪だるまは、家に近づきます。
そして、カルネのいる部屋の窓をノックしました。
「うーん……こんな時間に誰?」
寝ぼけたカルネは、窓の外にいる雪だるまに驚きます。
「えっ、雪だるまが手を振ってる?!」
窓を開けると、雪だるまが跳んでおどっていました。
「すごい、夢みたい!」
そしてカルネは、そっとくつを持ってきて、外に出ました。
庭では、カルネが作った雪だるまが手を振っています。
「わぁーいっ、なにして遊ぼうか」
すると、雪だるまは走りだしました。
「わかった、かけっこね!」
そして、二人は追いかけっこをしました。
長い時間遊んでいたので、カルネは疲れてしまいました。
「はぁー、疲れた。そうだ、中に入って休もうよ」
そう言うと、カルネは雪だるまの手を引いていきます。
家の中に入ると、ストーブをつけてあたたまろうとします。
しかし、それがいけませんでした。
部屋の中があたたまると同時に、雪だるまはみるみるとけていきます。
「えっ、どうしちゃったの?!」
わけがわからないカルネは、慌てて駆け寄ります。
しかし、雪だるまはだんだんとけていきます。
「やだっ、とけちゃいやだよ!」
泣くカルネの頭を、雪だるまは優しく撫でます。
そして、優しく微笑むと、消えてしまいました。
「うぅっ……うわぁーんっ!」
カルネの泣き声に、両親が起きてきました。
家の外では、妖精がこっそり覗いていました。
「なんだか、悪いことしちゃったなぁ……」
反省した妖精は、静かに姿を消しました。
泣き疲れたカルネは、夢をみました。
それは、雪だるまと楽しく追いかけっこをしている夢でした。
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