親の名前を検索
「なあ、なあ。おい」
「……え? ぼく?」
「そうだよ。お前、親の名前、検索した? どうだった?」
「え、いやぁ……」
「なんだよ、まだなのかよ。ほら、してみろよ」
「ええぇ……いいよ、ぼくは別に……」
「いいからさぁ、ほらほら、はやくはやく! 時間なくなっちゃうぞぉ。ほら、はい、はい、はい、はい!」
「わ、わかったよ……」
「お、出たな。ふーん、ほー」
「見ないでよ……。えっと、あ、よしよし。犯罪歴はないみたいだ」
「ふーん、父親が医者かぁ、結構稼いでいるみたいだなぁ」
「だから見ないでってば」
「二番目の親は?」
「んーっとね、うわ、ダメだ」
「そいつら、ヤバいな。夫婦で子供を殺してんじゃん」
「保険金狙いみたいだね」
「そのうち捕まるだろ。三番目の家は?」
「三番目はね……うわ、こっちも犯罪者だ。しかも、うわぁ……」
「ははははは! お前、引き悪っ! はははは!」
「うるさいなぁ。そっちはどうなんだよ」
「あん? こっちは全部犯罪者だよ」
「やばっ!」
「まー、しょうがねえや。諦めて、三つの中からまだマシな家を選ぶしかないな。あーあ」
「候補が三つもない人もいるみたいだし、選べるだけいいじゃない」
「前世で何かやらかしたってやつだろ? 知らねーけどさ」
「ぼくら、その辺の記憶ないもんね」
「おれもきっと何かやらかしたんだろうなぁ。はぁーあ、そっちはいいよなぁ。医者。最初の候補者にするんだろ?」
「うーん……」
「え、悩む必要ある?」
「うん、最初のところは夫婦ともに高齢で、ちょっと頭にアレがあって生まれるみたいだから三番目にする」
「ええっ? いや、だからってそこを選ぶのはヤバいだろ……。二番目よりもひどいぞ。最短コースだろ。最悪の場合、便器の中でおぎゃあだよ」
「ふふふっ、それが狙いなんだよ」
「は? 殺されることが?」
「そう、リセットするんだ」
「あー、なるほどなぁ。考えたなぁ」
「ふふふ、サクッと殺されてくるよ」
こうして、魂たちは天界から下界に降り、自分たちが母に選んだ女の腹の中に宿る。
嗚呼、現世に生まれし子すべてに幸あれ……




