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スタミナ無限の異世界転移  作者: がくえんせー
2/2

スタミナ論者、幸先が悪い

続きました。更新ペースは未定です。

……。

サーッ、と草木の揺れる音がする。

目を開けてみると、俺は仰向けになっていて、雲一つない空が俺の目を待っていたかのように澄んでいた。

体を起こし、あたりを見回してみる。どうやらここは草原のようだ。それに少し見ただけでもかなり広いとわかる。

「……マジで来ちゃったのか」

どうやら本当に異世界転移してしまったらしい。


とちょっとした困惑の中、俺は目にしてしまった。

「あれは…なんだ…?」

四足歩行の動物だろうか、2、3頭こっちに向かってきている。

鋭い爪、赤い目をし、毛並みが黒くかなり大きい。狼よりも大きいくらいだ。

「もしかして…狙われちゃってる感じっすか?」

冷や汗をかいてる。やばい!絶対捕食対象じゃないか!!

「ひぃ!!」

情けない声を出して走って逃げた。

俺は特別、足がはやいというわけではない。だから追いつかれるのはわかってるんだけど!わかってるんだけど!異世界転移早々にお陀仏になるなんてまっぴらごめんだ!!

動物の鳴き声がかなり近くなっていることに気づいた。2匹のうち1匹がジャンプして噛みついてきた。

運良く攻撃をかわし逃げる。

でももう無理みたいだ。もう少しで確実に殺されるところまで追いつかれる!

「だ、誰か助けてくれー!」

思いっきり叫ぶ。四足歩行の動物は「ばぅ!」と鳴き声を上げ襲い掛かってきた。


……。ラノベとかゲームの主人公だったら主人公補正があったのにな……。


四足歩行の動物に噛みつかれ痛みのあまり倒れてしまった。

「あああああああああ!!!!」

激痛が走り、悲鳴を上げる。四足歩行の動物は俺がもう動けないことを確信したのか、大きな雄叫びを上げた。その雄叫びが届いたのか、続々と同じ種が集まってくる。

「……ッ!」

噛みつかれた腹がすごく痛む。擦り傷とか日常生活でケガするレベルではなく、肉が思いっきりみえており、血が止まらない。

「畜生!」と声を上げ、立ち上がり逃げようとするが、それを止めようとするため二匹の四足歩行の動物たちは俺の左足、右足を強く噛んだ。

「うわああああああああ!!」

あまりの痛さにまた倒れた。噛まれた部分は皮がはぎとられ、もう少し抉ったら骨が見えるとこまで抉られ血が流れ出る。


……死ぬんですねわかります。死ぬ運命だったんですね。

俺はこのあとこいつらに捕食されて腹の中……。

短い人生だった……。


痛みを我慢し死のうと目を閉じ、死を待った。

待った……。

待っているのに何故何もしてこない……。


かれこれ1分くらい放置されている。腹と両足がすごく痛い。なんだこいつらは?捕まえた獲物に祈りを捧げる修正を持つ動物か?そう思っていると明らかにこの種の動物の足音ではない足音がした。

これは…人の…?


「うわあ……ちょーグロテスクなケガだねえ」

女の声。顔は見えない。風はいつの間にかさっきよりも弱くて、よく聞こえる。

その女はこっちに近づいてくる。それと同時に、四足歩行の動物たちは後退する。

その後退するときに俺を踏んでいくつか爪が刺さり更なる痛みが襲う。

「ッ!」

もう気絶しそうだった。出血も多く、出血多量で死ぬだろこれ。

「…ティ…キュ…」

女の声はもう聞こえず、俺は意識がなくなった。



……。

気が付くとまた真っ白な部屋にいた。

「……あれ。」

立ち上げってみる。負傷した場所が回復している。

「やっと起きた」

気が付くとメアが立っていた。

「ねえ、俺死んだの?」

「…いや生きてるよ。意識がないだけ」

「……」

死んでないならよかったんだが……

「異世界に送り込まれて早々に変な動物に肉抉られたんですけど……」

「変な動物…?グラスランドキラーのことかしら」

「それかどうかは知らんけど、どうしてくれるの?あんた人殺しだよ!何してくれるんだよ!」

「……」

「なんか言えよ!」

「……悪かったわね。急いでたから座標間違えてしまったわ。」

「お前誠意ないな、何様だよ!」

「この世界の神だけど?」

ふざけるな、と言いたかったが言えなかった。だって本当に神様の可能性があるし高いんだもん。異世界転移できるのって神様くらいだってラノベ展開ではよくあることだし……

「何かお詫びしたほうがよさそうね。何がいい?」

ここまで従容として会話してきたメアと理性を失い憤慨していた俺を比べてちょっと恥ずかしくなった。

「とりあえず頭冷やしたら?待っててあげるから。」

「……そうします」


数分沈黙のあと、だいぶ冷静になれた。

「落ち着いた?」

「はい。」

母性があるような優しい声に返事をし、改めて考えをまとめる。

「先ほどはすみません、誰にでも間違いはありますよね」

「いいよ。私だって悪いんだから。…でさ、お詫びなんだけど、何がいいかな。あともうちょっとしたらあなた死んでたわけだし…さ。どうする?私の体?」

今なんて言った。ほんとに神かこの人。平常心を保ちつつ…

「じゃあ、俺の質問にいくつか答えてもらえますか。」

「それだけでいいの…?」

欲求不満なのかちょっと不満そうな顔をした。そんな顔に俺の縦に首を振る。

「あなたはなぜ、俺を拉致して異世界転移させたんですか」

「えっと……それは言えないかな。神との間での極秘事項だから。本人にも教えちゃいけないの」

「そうですか……もしかして能力のこともですか?」

「そうね。」

「……」

わからないままか。後々わかればいいんだけど。

「この質問、お詫びに入れなくていいよ。だって答えられないし」

ちょっと笑った。その心嗤ってるね。

「じゃあ、私は何をすればいいんですか?」

「この世界で旅をしてくれればいいよ。でもあなたのいた世界よりも文明が劣ってる。それだけ留意してくれればいいかな」

「そうですか…」

ただ旅をしろ、と言われてもなあ。もっと魔王討伐とか文明開化とかやれ、って言われたほうがしっくり来てしまった。

「…そろそろ意識を戻さないとあなた死ぬね」

「マジですか」

えー。もしかしてここ生と死の境目だったりする?ちょっとやだー

「次は…実体で会いましょう」

その言葉を聞いた瞬間、強い光が放たれ、一瞬にして暗くなり、また意識は失われる。



…目を覚ますと見慣れない天井が俺の視界をお出迎え。ベットの近くにはランプが置いてあり、暗くも悪くない明るさだ。起きようとすると傷が痛む。

「イデェ!」

そういえば、なんかしらんけど包帯を巻かれている。

じゃあ誰かが助けてくれたんだな。マジで命の恩人っす。

さっきの声に反応したのか、誰かがこっちに来る音がする。

ドアを開けてきたのは、身長が150cm台の女の子、いわゆるロリっ娘。髪は黒くそれでいて長くも短くもない。そんな彼女が俺を見てちょっと驚いた

「ああ、目が覚めたんですね!」

「えと」

「でももう夜遅いのでもう一回寝たほうがいいですよ。それにその傷のこともありますし。」

「えっ」

えっ待って。普通ならこちらに来て自己紹介になるとかじゃないの?何だろうこのテンプレを裏切られた感じは

「それではおやすみなさー」

「待って!」

「んー何ですか、私だって眠いんです」

「君、名前は?」

「明日でいいですか?それでは」

ガチャン。


……


なんだあいつ…。寝よ…。

続け…!この先の展開を…考えろ…!

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