終章
今、私はたった一人で‟其れ"の創り出した世界に居る。
身体は最も充実していた頃のまま、病もない。
寂しくはあっても安らかな日々。
私には子供が二人いた。
男の子と女の子の双子だ。
子供たちの行く末を見届けることは叶わなかったけれど、あの人はきっと二人を幸せに育てるだろう。
二人に子供が出来れば、きっとその子供たちも十分すぎる程愛してくれるだろう。
あの人に任せておけば何も心配はいらない。
生きていた時も、死んでからも、変わらずそう思える。
本当に私は幸せだ。
私たちを引き合わせてくれた霊感持ちの友人も、あの人と子供たちを支えてくれているはずだ。
ただ、いまだ世間一般に眉唾的見られ方をしているので、その辺子供たちに変な影響を与えないでくれる事を切に願う。
私は自分がほどなくこの世界に来ることを知っていたけれど、あの人は知らなかった。
知らないならそれでいいと、私も特に言いはしなかった。
わざわざ伝えても苦しめるだけだと思っていたし。
あの友人も、始めはずっと言わないつもりだったらしい。
私にもそのつもりだと言っていた。
だけどそれに耐えられなかったのか、死の数日前になって、とうとうあの人に言ってしまった。
その時は怒りと悲しみとやり切れなさと無力感と、様々な感情が自身の中を暴れ回ってどうしようもなかったと、死の間際疲れ果てた顔のあの人にそう言われた。
その時は少しだけ申し訳ない気持ちになったけれど、早く伝えたからと言って何か変わるわけではないし、これで善かったと私は思っている。
これからずっと、私は此処で生きてゆく。
それは永遠とも思える永い時間。
それでもきっといつかは終わる。
この世界が終る、その時に。
エピローグ
昔見た夢のその意味を 今の私ははっきりと理解できる
あの子との出会い その後の人生と此処での暮らし
いま 私の魂は この世界の全てと繫がっている
愛しいこの世界が どうか永く 穏やかに続きますように




