嫌いじゃないよ。だから…*/
彼=僕
彼女=君
「いらっしゃいませー。」
コンビニ店員の声は彼女にかけられた。
その同じ時、彼はお目当てのアイスを購入するため、レジに並ぼうとしている所だった。
「あ…、」
「え…、」
2人の声が重なる。
彼女は彼を見るとわざわざ、遠回りしてお弁当を買いに向かった。
だが、残念な事に彼が並んでいるレジはお弁当コーナー沿いだった。
彼女は少し迷ったが、自分の食欲に勝てず、彼の側においてあるお弁当を
手に取った。
「……久しぶり。」
レジに並んでいる彼が彼女に声をかけた。
彼女はピクリ、と反応したが、そのまま、無視して自分もレジに並んだ。
「……もう彼氏とか出来たか。」
彼の寂しそうな言葉に彼女が俯いていた顔を少しあげて、言った。
でも、やっぱり、2人とも目はあわせない。
「…久しぶり、って言っても二日ぶりなだけだし、まだ、彼氏とか作る気になってないから。」
彼女の言葉にホッと彼が少し息をついた。
「そっか……じゃあな、頑張れよ。」
彼は少し微笑むとビニールに入れられたアイス片手にコンビニから出て行った。
彼女はお弁当を店員の前において、小銭を手渡しながらも彼の寂しそうな
表情がやっぱり、忘れられなかった。
彼もまた、彼女のチラリ、と見る可愛らしい仕草が忘れられなかった。
2人はコンビニから出て、顔をあわせて言った。
「「別に嫌いじゃないんだ。だから、少し今度、食事でもしようか。」」
今まで、有難うございました。
初めての投稿でしたが、無事、完結でき、良かったです。
とても、良い経験になりました。
また、どこかでお会いしましょう。
Reimei