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“はぉっ!!うぉぉ。。”
何か言いたかったんだけど・・・言葉が出てこかったかったんだ。
そんな事もあるんだなぁ〜なんて後で思ったよ。
けどね、その時は、それどころじゃ無くてさ、ちょうど思考が一時停止しちゃってたみたい。
だから僕、お魚みたいにね、お口パクパクさせてたみたいなんだよ。
僕をそんな状態にするなんて、ある意味最強だと思わない?
だって僕、魔王だし。
まぁ、いっか。
とにかく、それの第一印象は、“凄い”だと思う。
あくまでも僕基準で!だけど。
皆からしたら
何??何事???
って感じだよね。
きっと。
あのね、それが何かっていうと、今、僕の目の前にノビィーンっと聳え立ってる建物の事なんだよ。
勿論、僕の魔王城(お家)だって負けてないよ。
ニョコニョコ生えて来たんです!!みたいな感じの塔が幾つかあって、全体的にノビィーンってなった威圧感抜群の歴史ある建物が僕のお家なんだ。
ただ、お家は滅茶苦茶古いよ。
たしか、築城(建って)から5000年近く経ってるらしい。
とにかく本当に古いから、管理が大変なんだって。
“あっちを治せば、こっちが壊れる!
それを治せば、また他が壊れる・・・。”
って、呟きながら何か重そうな溜め息つきつつ修理してる魔族(人)がいたんだ。
その呟きを耳にしながら、心の中で
“お仕事増やしてごめんなさい!”
って、よく謝ってたんだ。
あの頃は、日に何回もカイゼの部屋や僕の自室を駄目にしてたからね。
うん。
懐かしき良き思い出だよ。
だから、大きなお家や威圧感のあるお家には免疫があるんだけど、何て言うか…これは…ちょっと、ねぇ…。
一言で言えば、
“派手”って感じ?
それも、悪趣味な方向で!
だってさ〜、
下から順番に“黒”“赤”“青”“緑”“黄”“白”こんなふうに塗り分けられた六階建の建物なんだよ!
しかも淡い色なら、マダ、そう、マダ幾分かマシかもしれないのに、使われてる色はバリバリの原色!!
で、これが、
“冒険者ギルド”っていう組合(?)の建物なんだって!!
公共性のある建物が何でコンナなんだ!?
さっきまで居た警ら隊の詰所と比べたら、趣が真逆だよ!!
これ見てさぁ、両極端にも程がある!って思うのは僕だけなのかな?
さっきからガツンとした立派な体格の人達や、見るからに怪しげなキラキラドピンクマントを羽織った人とか、何人も何人も出入りしているんだけど、皆、何とも感じてないみたいなんだ。
人間の美的感覚って・・・魔王(僕)にはワカンナイよ。
はぁ〜。。。
そんで何で僕が、そんな凄い建物の前にいるのかって言うと…。
僕も思わず“どうして?”とか“何故に!?”って自問したくなっちゃうけど、ちゃんと理由は有るんだよな。
無かったら直ぐに回れ右して、この場を離れてる!!
ちょっとした理由で、ちょっと不便になる位なら、多分回れ右したと思う。
はぁ〜…。
そう、僕達はこれからこの建物に足を踏み入れないといけないんだ。
モグリの奴隷商人に捕まっていた僕達には、自分を証明する身分証が無い。
身分証が無いから、誰も雇ってくれないんだ。
手持ちの何かを売ってお金を作る方法もアウト。
誰も相手にしてくれないからね。
それに、宿をとる事も、部屋を借りる事も、買い物さえ出来ないんだよ。
何故なのかって言うと、人間界では、何をするのにも身分証が必要だから!
そんな訳で、ワザワザ其々の国で共通化した身分証を発行してるんだって。
よくヤルよなぁ〜。
やる事、細かくてウンザリしそうだよ・・・。
本当に面倒臭い事考えるのが好きだよね、人間ってさ!!
で、その身分証にはね、今までの全てが記録されているんだ。
名前・年齢・種族・犯罪歴の4項目は基本なんだって。
だから、身分証を提示したら、この5項目は誰でも見れるようになってるらしいよ。
他の項目は、常にシークレット状態になってて、本人の意志で、開示か秘匿かの選択が出来るんだって言ってた。
シークレット項目としては、専攻・経歴・状態・収得・財貨などがあたるらしい。
詳しい項目内容は、熊さんが簡単に説明してくれたんだけど・・・僕、覚えられなかったから説明は省くね!
とにかく、僕達にとって一番の問題は身分証の財貨の部分だったんだ。
今の人間界はね、硬貨っていうか、お金自体を持ち歩かないんだよ。
身分証にデーター化させてあるんだって!!
だから支払いはデーター精算するって言ってた。
っていうか、目の前で熊さんがしてた。
身分証を提示して、ピピピって何か操作してたよ。
だからね、さっきも言ったけど、人間界では身分証が無いと生きていけないんだ。
それが、この建物の前に僕がいる理由。
つまりね、冒険者ギルドに登録すると、ギルドの加入証が貰えるんだ。
この加入証が、実績と信頼を積み上げて本物が発行されるまでの“仮の身分証”になるんだって!
って事で、今から冒険者ギルドに突入です!!
って、やっぱり恥ずかしすぎるよぉぉぉー!
僕、ダメだ…この外観って、ナシだと思う。
ナシナシ!!
もぉ、僕、意気地無しでいいよ。
だから、お願い!
誰か、人間(彼等)の美的感覚をどうにかして!!




