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まおう!!  作者: 犬犬
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こんばんは!魔王です。


僕は今、なんと!なんと!!人間達の街にいます。


もお〜、右見ても人間、左見ても人間、上見ても下見ても一面人間だらけなんだよ。


凄いでしょ!凄いでしょ!!


おぉ〜!!って、ビックリしてアワアワしちゃたよ。


あのね、僕のこんな状態を人間達の言葉で・・・えっと、何だったかな?


つい最近教わったんだけど・・・・・・あっ!!


“おのぼりさん”って言うらしいよ。


何んで“お登りさん”なのかな?


僕、何処にも登って無いのにね。


変なの。


んでね、その“おのぼりさん”って僕だけじゃないんだよ。


一緒に馬車に乗ってた人達だって、人の多さに真っ青になってたんだ。


特に猫科獣人の女の子がスッゴイ緊張してた。


ガタガタブルブルしてたから、一族のお兄さんを真似て頭をポフポフして

“大丈夫だよ。”

って言ってあげたんだ。


そしたらね、すんごい勢いで手を払われて

“触んな!!バカ!!”

だって。


怒られちゃった…。


僕、落ち着かせてあげようとしただけだったのに…。


魔王(僕)がしても効果無いのかな?


やっぱりお兄さんじゃないとダメなんだね。


なら悪いことしちゃったな。


ちゃんと“ゴメンナサイ”しなくちゃ…。


って彼女の顔を覗き込んだらね、真っ青だった顔が真っ赤になってたんだ。


赤くなり過ぎてる気がするけど、さっきよりは顔色が良くなってるし、体の振るえも治まったみたい。


はぁ〜良かった〜……。


青い顔してたのは緊張で血の流れを止めちゃてたからなんだね。


それにしても、僕とお兄さんとではポフポフの効果が違うって覚えとかなくちゃ!!


僕のポフポフ効果は、血の流れを良くすること。


うん。


ちゃんと覚えたぞ!!


そんな事してたらね、僕のすぐ前の人が台に登っていったんだ。


って事は、もうすぐ僕の番になるんだよ。


お仕事するなんて初めてだからワクワクしちゃう!!


どうやってお仕事決めるのかって言うとね、とっても簡単なんだよ。


僕は台の上に乗って立っていれば良いんだって!


ね!簡単でしょ。


奴隷商人のおじさんが教えてくれたんだ。


んでね、台の下に一杯いる人達が、その人にどんなお仕事が合うのか見極めるんだって!


スゴーイ!?


僕、魔王だけど大丈夫かな?


普通に働かせてもらえるのか、ちょっと不安。


だって人はね、魔王を恐がる生き物なんだって。


昔、カイゼがそう言ってたんだ。


でも、本当はちょっと違ったみたいだよ。


皆が皆、魔王(僕)を恐がるわけじゃないって分かったんだ。


さっきね、馬車で一緒だった皆に“僕は魔王だよ”って告白したんだ。


けど皆、平気みたいだよ。


“はいはい、可愛い魔王様だね。”とか、


“分かったよ、うんうん立派な魔王様だな。”って言ってくれたんだ。


すっごいドキドキしてて口から心臓(核)が飛び出すかと思った。


うん。


良かった、思いきって言ってみて!


だって仲良くしたい人達に隠し事なんかしたくないもんね!


あっ!!


黒い帽子の太ったおじさんが前の人の手を引いてる!


そっか、前の人はお仕事が決まったみたいだ。


どんなお仕事なのかな?


何か俯いたままだったけどあんまり良くないお仕事に当たちゃった?


でも、その人に合った物を見極めるって言ってたし、お仕事してみれば大丈夫だったりするんだよね?


がんばれ!!


僕も頑張るぞ!!


何するのか分かんないし、ちょっと不安だけどさ!!


ん?あれ?


奴隷商人のおじさん、もしかして呼んでる?


ニコニコ笑顔でオイデオイデしてる。


うん。僕の番だね。


大丈夫、わかってるよ。


待っててね。


僕、いそぐから!


走って行くからね!!










僕ね、忘れてたの・・・・・・・・・・・・・・・・ガチッ!バキッ!・・・ズル!!・・・“へっ!?ぐえっ!!!!!”・・・ドン!ガラガシャン!!・・・・・キュッ。


足枷の事!!


奴隷商人のおじさんが受け止めてくれたんだ。


だから僕、転んでクルクルゴロゴロ転がってドゴン!!ってぶつかっても全然痛く無かったよ。


アリガトウってお礼言おうとしたら、おじさん、僕のお尻の下でクタァ〜ってしてたんだ。


急に寝ちゃたから、僕、ビックリ!?した。


おじさん疲れてたのかな?










はぁ?


寝てるんじゃ無いの?


気絶!?


大した衝撃じゃなかったのに!!


だって、台が粉々になる程度だったんだよ!?


その程度で何で気絶しちゃうの!?


ええぇぇーーΣ( ̄□ ̄)!











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