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くっくっくっ…ニヤリ。
ハーッハッハッハー!!
僕は、究明したのだよ!
ん?何をかって?
それはだね、勿論、冒険者ギルドの謎についてさ!
ふふん!!
?
あ、あれ?
何?この反応。
ぽや〜っとして、コテンって・・・、僕が思ってた反応と違う。
何かおかしいぞ?
え?聞きたい事がある?
良いよ、僕が答えてあげる。
‘謎なんかあった?’
・・・・・・。
忘れられてる。
完全に忘れ去られてる!!
そんな!!
僕、色々聞き込みしたのにー!
頑張ったのに!!
あんまりだ…。
これじゃあ、骨折り損のくたびれ儲けじゃないか!
う?トントンって叩かれたけど何?
今、項垂れ中なんだから放っといて欲しんだけど。
何ですか?
急にブンブン首を横に振っていらっしゃいますが…。
フムフム。
あ〜、所謂、ダメ出しってヤツなのね。
なるほど!!それはそういう意味なんだ。
うん、わかった。
・・・って、あれ?
何故にダメ出し!?
うんうん。
あのことわざは、ちゃんと頑張った人が言うべきだと。
…僕、頑張ったよ。
窓口で簡単に答えを貰った人は当てはまらない言葉なんだよって…。
何で分かった?
あぁ、そうだった。
僕、全部顔に書いてあるんだったけ。
嘘もつけないし、格好つけも出来ないんだね、僕。
全部ばれちゃうんだから。
はぁ、分かったよ、認めれば良いんだろ!認めれば!!
潔く認めるよ。
はい。
おっしゃる通りでございます。
僕は窓口で簡単に答えを貰いました。
これで良い?
でも、それが何だと言うのかな?
だって別にカマワナイでしょう!
誰かに迷惑かけた訳じゃないんだから。
問題無いじゃん。
うーうん?
行動の否定なんか始めからしてないよ。って?
あー・・・た、確かに。
さっさと冒険者ギルドの謎だか何だかを言ったらどうだ?
時間が勿体ないぞっと。
ハイ、ソーデスネ。
もぉいいよぉーだ。
ふーんだ、どうせ僕何てこの程度の扱いしかされないんだから。
さっさと話して引き込もってやる!
ギルドの謎って言う程じゃ無かったかも?だけどさ、薄暗くて寂しい雰囲気にドロン!!って変容した事が、なぁーんか気になっちゃた訳なんだよね。
で、気に成ったんなら聞くべし!って事で女王様じゃない受付嬢にお聞きしました。
勿論、女王様の目を盗んで!!
中々のスリルを味わいました。ふぅ〜。
緊張とスリルの代価に情報をゲット!
んで肝心の理由はと言うと、
ギルド内が暗〜い感じに成ってたのは、そういう時間帯だったからってのが理由らしい。
これだと何の事やら?だよね。
僕も聞いた時は何の事やらだったよ。
所謂、ギルドを訪れる人が一日の内で一番、極端に少なくなる時間帯なんだ。
このギルドだけじゃなくて全部、人間界の至る所にあるギルドで同じ現象が起こるんだって。
先に言って置くけど、こっちの謎については、僕、何も調べて無いから何故かなんて知らないからね。
だから聞かないでよ。
勿論、苦情も受け付けないからね。ニコ。
んで、世界的に同じ現象が起きるのなら、有効活用してしまおう。
っと成ったそうで、まず、昼と夜の人員交代、経費節約でマジックライト使用の制限、昼休憩の取れなかったギルド職員へのお助けタイムなど、緊急時になったら、この状態ってどうなんだろう?って、ちょっと疑問視しちゃいそうな現状になってる訳です。
はい。
そんなウスボンヤリな世界の片隅でウサエルとラブラブ空間(?)を造り上げているのが僕でございます。
えぇ、誰が何と言おうと、ラブラブ空間です。
禍々しい気が大いに振り撒かれていようとも、これはラブラブ空間です。
ウサエルの口許に、真っ白な未記入のギルドカードを寄せて、‘はい、あーん’ってやってるんだから、間違いなくラブラブ空間。
新婚さんのノリです。
でも、照れてるのかウサエル(奥さん)は口を開いてくれません。
どうしよう…もしかして、現状は痴話喧嘩に移行してしまったのか!?
対処方法が思いつきません。
助けを求めて、女王様(お姑さん)に目線ですがり付いたら、ポクン!!って殴られました。
‘誰がお姑だって!!’
女王様のお言葉です。
また顔に出たんだね。
僕って正直者…。
じゃあ、お姑さんが嫌なら小姑で。
ギラ!!って、女王様の目が光りました。
鋭いです。
ザックリ・グサグサ突き刺さる視線が痛い。
怪光線でも発しているんじゃない?ってな感じ。
とりあえず、姑・小姑問題は此処までって事で!
魔王は命が大事です。
とにもかくにも、困りました。
ウサエルが口を開いてくれません。
徹底して僕を無視してます。拒否されてます。
やっぱり痴話喧嘩だったみたいです。
開かない口は、まるで天の岩戸の様です。
ウサエル(岩戸)の前で、どんちゃん騒ぎすべきでしょうか?
真剣に悩んでます。
だって僕、舞えません…。
前にも言ったけどさ。
だから暴露済みなんだけどね。
それでも自分では言いたくなかった…。
けど、仕方ない。
つまり僕は立派な運動音痴?って言うか、リズム音痴なんです。
リズム感?
あはは!ナニソレ美味しいの?って位に壊滅的。
踊ってみたら、岩戸が一分の隙もなくピッタリ閉まりそうです。
僕が舞うのは止めといた方が良さそうだ。
女王様にお願いしてみようかな。
きっと綺麗な舞いが……!
ごめんなさい。
みなまで申しません。
その殺人光線並の眼差しで理解いたしました。
はい。
諦めます、天の岩戸作戦は。
では、僕はどうしたら良いのでしょうか!?
このままでは、ギルド登録が出来ないんですが!!
だって、ギルドカードに必要機能を付加するのは、ウサエルのお役目なんだ。
そのウサエルに拒否られちゃったら、当然ギルド登録なんて出来ないよね。
これからはドン底生活だ。
あ…女王様が歪んでる。
ぴき!
んじゃなくて、僕の目が涙でウルウルしてるんです。
原因は僕の目です。
決して女王様のヒキツッタ笑顔を見て思った訳では無いです。
はい…僕の目です。
あ、あれ?何でかな?
女王様がハンターに見える。
あぁ!!そっか、その強い目差しのせいだ。
動物が狩りの時に獲物に向ける目線にスッゴク似てる。
あんれぇ?
その視線の先ってば、僕なんだけど!?
獲物は、もしかして・・・ぼ、僕?
いや、気のせいだね。
気のせい。
気のせい…だよね?