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上級お仕置き精霊で勘弁してもらった魔王です。
それはもぉ、酷いめに遭いました…。
グスグス・・・。
もう身も心もボロボロだよ。
何があったかって?
今は其を口にする勇気は無いです。
お、恐ろしい・・・!
僕の心の平穏の為に聞かないで下さい。
秘密です。
トップシークレットです!!
あ…、でも一言だけ。
今の僕は健康的な色白から不健康な色黒になってしまいました。
この黒はピリピリヒリヒリするんです。
シクシクシクシク……。
いつまで続くんだろう、コレ。
さて“プチっ!”と言うか“ブツッ!!”と言うか、とにかく軽快かつ豪快に理性を叩き切った女王様。
そんな彼女の背後に僕が見たものは。
“咲き誇る麗しの薔薇の花”では無く“ガチガチ歯を鳴らす魔界の人食い花”の姿!でした。
迫力が凄かったよ!
こ、怖かったよぉ〜。
そんな女王様から受け続けたお仕置き・・・約3時間。
やっと、今、解放されました。
そんでもって、意外と忍耐力が高かった自分に本気でビックリ!!
なんやかんやで、耐えきっちゃったよ、僕!?
なんかさ、凄いよね!!
偉いよね!!
皆、誉めて!誉めて!!
え?其よりも続き?
・・・。
まぁ、いいや。
で、お仕置き空間から現実空間に帰って来た訳なんだけど…何か、ギルド内が寂しいんだよね。
なになに?どうしちゃったの?って感じ。
状況としては、とにかく、薄暗い。
煌々と点いていたマジックライトが、光量を減らしてポツ…ポツ…の一部点灯に成ってる。
それに加えて、人が少ない。
そんな場所の更に一段と薄暗い資料棚で、セッセとお仕事に励んでいる職員のオジサンが一人。
白シャツがボヤァ〜って目についたら、もぉ、オバケにしか見えませんでした・・・。
僕が悲鳴をあげたのは、言うまでも無いお約束です。
はい、オジサンごめんなさい。
でも、そんな勘違いしちゃうくらいの状況なんだよ。
で、そんなギルド職員さん達なんだけど、減ってるんだよね。
初めに見た時の4分の1位になってるかな?
そんだけしかいない。
訪れる冒険者や依頼人も疎らにいるだけになってるし。
だから、場は物静かな雰囲気が漂っている。
でも無音な訳じゃ無いよ。
実際は、適度なザワメキもあるんだ。
んで、それが快適な子守唄になっちゃって。
気持ちの良い眠りに導かれる素敵空間が出来上がってるんです。
僕にとって、この空間はひっじょーにマズイんだよな〜。
心身に溜まったお仕置き疲れのせいで、ばっちり睡魔の罠に片足突っ込んでる状態が今の僕。
寝たら駄目だ!!
寝たら僕は終わりだ!!
あぁ〜、睡魔が怖い。
んー?別に寝ちゃってもいいんじゃないかって?
それ、無茶ぶり…。
無理無理、そんな事出来ない。
だって、正面に女王様がいるんだもん。
ほら、お仕置きされそうでとぉ〜っても怖いでしょう。
あれ?
そう感じてるのって・・・僕だけ?
本当に!?