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僕はユル〜ンユルンに緩みまくってる最中なんだ。
可能な限りユルユルな顔に成ってるんだろうな〜って自分でも思うくらいなんだよ。
本当、僕の体なのにね。
全く思うように成らないんだから困っちゃうよ。
グフフッ…。
ほら、まただ。
あぁ〜顔が!!
顔がニヤケちゃう。
やっぱり、僕は理性よりも本能が強いみたい。
だって、嬉しくて嬉しくてしかたないんだもん!!
目の前の彫像型装置(あの仔)に今から触れるんだよ!!
あの一本角の生えたカエル顔のウサギっぽい姿。
くぅ〜っ!?
罪深いほど可愛いぃ〜!!
可愛いぃ〜!!!!!
ぐぐぐぅー!って気持ちが急上昇!!した僕。
気持ちが溢れちゃって、無意識で足をジタジタ!と動かしてたんだ。
ちょっと椅子がギシギシガタガタしてるけど、そんな事、気にしない!
って言うか、気付いていませんでした!
本当に嬉しいとジッとしてられないんだ!!
ギシギシ。
まだ?
ガタガタ。
もう良い?
ギシギシギシギシ。
もうちょっと?
ガタガタガタガタ。
そろそろ良い?
ギシギシガタガタギシギシガタガタギシギシガタガタギシギシガタガタ……。
まだ?まだ?まだ?
早く!早く!早く!
はぁーやぁーくぅー!!
“うるさい!!!”
“バシバシバシ!!”
怒鳴り声と一緒に、伝家の宝刀の強打を貰いました。
はい。
気持ちいい位の見事なクリティカルヒット!
効果は派手な音と演出の共演で精神疲労をお見舞いするんだとか…。
つまり破裂音…すっんごい大音響…の後、叩かれた物体…僕…がカァァー!!っと眩い7色の光に輝くっていうアリガタイ“悪目立ち”状態。
それが今の僕…。
“お前は〜!!ギシギシガタガタうるさい!!人の迷惑もちゃんと考えんか!!”
第六感を刺激する美女からのお説教に、つい脊髄反射で即謝罪しちゃいました。
はい!ごめんなさい!!
でもでも…、僕が発てた音より《ハリセン》の音の方が広範囲で迷惑を掛けてると思うんだけどなぁ。
“また五月蝿くしたら、今度は殴るから!覚悟しなさい。”
って!いやいや……もう殴ってるよね。
もしかして、さっきのアノ《ハリセン》は無かった事にされた…?
あんなに見事なクリティカルヒットだったのに!?
あー……、もう僕を見てないや。
すっかり無かった事にされたんだね。
・・・・・?
も・もしかして、僕の事まで無かった事にしてる?
ハッハッハー!!
いやぁ、まさかねぇー…。
いくらなんでも、そんな事ないでしょ!!
ナイナイ!!
待って!!
えっ…何で?
何で皆、僕から目を逸らすの!?
どおーして!?
まさか、視界に入れないように頑張ってた僕への仕返し!?
ぼっちなんて嫌だぁー!!
あっ!!
そう言えば……僕、
《ハリセン》効果で今、眩しい人状態だったんだっけ…。
ハッハッハッハッ・・・
ハァーー。
コレ、いつ切れるんだろう?
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もぉ、30分くらいは経ったけど…まだビカビカに光ってるんだ…。
そのうえ光量が全く衰えてないんだけど!!
本当に何時になったら効果が切れるの!?
・・・はい?
そ、そのシタリ顔は何でしょう…いや、聞かない方が良い気がするから、もう聞くのヤメルね。
“クリティカルヒット特典”
はぁ、僕の意志は完全スルーなんだ…。
“光量&輝き時間、通常ヒット時の3倍だ。”
ちなみに、通常ヒット時の輝き時間は?
“約30分程だな。”
・・・そっかぁ、後1時間の我慢なんだね・・・ってもぉ無理だ!!
僕、光ってるだけだけど、ム〜リィ〜!
こんなクリティカルヒット特典なんて、要らない!!
お願い誰か解除してぇーー!!