斃瀞讒譌 ヘイトロザンカ
この物語は全てフィクションです。
一章 碑裏埋 ヒウリマイ
「ここのカフェ雰囲気いいね」
「分かる。私もここのサンドウィッチ好きかも」
「SNSに上げるね」
「私のサンドウィッチも入れてよ」
「いいよ」
「オッケー撮れた」
「何で投稿する?」
「やっぱclickでしょ。人気だし」
「だよねー」
「ん?何この投稿」
「え?どれどれ」
「アカウント crisis707だって」
「作成の時に提案される名前にあったわ、それ」
「何この文字列」
「アカウント:crisis707 二時間前
1.碑裏埋 ヒウリマイ2026 5.8
2. 戩㐂塔靝 センカトウテン2026 5.11
3. 斃瀞讒譌 ヘイトロザンカ2026 5.14
▲▲警察へ」
「なんだこれ?よく分かんないや」
「暗号とかじゃない。警察へって書いてあるし」
「脅迫ってこと?怖」
「まあ一旦投稿しようよ。私達には関係ないし」
2026 5.6 18:01
「おい本岡、この投稿見たか?」
「ちょっと岩倉先輩、仕事中にclickですか?」
「いや違うこれを見ろ」そして岩倉はスマホの画面を見せつける。
すると本岡の目が大きく開いた。
「なんですかこれ?」
「恐らく何かの予告だ。この日付に何かがある」
「そんな、ただのネットの悪戯に決まってますよ」
「あと二日。何かがあった瞬間、残り二つもとんでもないことになると思っておけ」
「は、はい」
「じゃあな。また情報は随時伝える」
岩倉は自分の机に戻りその投稿を見つめる。
「明らかに1番目だけ漢字が簡単すぎる。これは警察への挑戦状か?」
岩倉は頭を掻いた。
他の漢字は見慣れないような漢字が多いのに対して、1番目は碑、裏、埋、と全て常用且つ簡単な字である。
clickは今1番流行しているSNSで、アンチコメント等が自動消去されるシステムが幸せになれる、と話題を呼んでいるのだ。
すると誰かから肩を叩かれた。
「先輩もその投稿知ってるんですか?」
後輩の舞原だった。僕は舞原に厳しい態度を取ってしまい、嫌われていたが、こうやって話してくれると先輩ということを改めて実感した。
「ああ、舞原は何かこれを見て分かったか?」
「いや、別に分かったわけではないです。でも嫌な予感はします」
「そうか。俺もそんな予感はするが」
「もう20:00を回りますし、帰りましょう」
「じゃあお疲れ様」
岩倉はカバンを持って家へと帰った。
しかし、頭の中では様々な漢字が浮かんでいる。これが無駄な事だとしても、このような立場である以上、考えるのが止まらなかった。
決して何か解らなくても。
2026 5.7 7:29
電車の止まる音が耳に入ってくる。
岩倉はその音を気にしていないように立ち尽くしていた。
岩倉の頭には、明日起きる何かが気になって堪らなかったのだ。
電車に乗り込み、満員電車の中でぎゅうぎゅう詰めにされたって岩倉の頭には同じことだけが浮かんでいた。
ふと外の景色を覗くと、神社であろう建物の近くに石の記念碑があった。
記念"碑"。もしかして、碑裏埋とは、碑の裏に埋められたものを指しているのではないか?
近くにある記念碑と言えば
明ヶ岳震災追悼記念碑
だ。明ヶ岳震災が発生した三ヶ月後にできた。そこの裏に埋まっているとしたら、向かわずにはいられない。岩倉は職業病のようにこの怪文に取り憑かれていた。
普段通りの電車の乗り換えはせず、記念碑のある方へと歩き出した。
記念碑のある公園のに着いた。周りに人は居なく、安心して調査ができる。
震災で亡くなった方が刻まれた記念碑の裏には、不自然に芝が無くなった茶色の土があった。手で軽く土を掘り下げると、何か硬いものに手が当たった。岩倉は見つかった、と思い、掘る手を加速させた。ガラスの箱のようなものの角が見えてくる。そしてこの箱の全貌が見えると岩倉は驚いて目を丸くした。
透明な箱の中には、
「爆弾解除」
と書かれた赤く丸いボタンがあったのだ。
岩倉は透明な箱を開けて、そのボタンを持つ。
まだ何か罠があると思ったからだ。
立ち上がると土を足で元あった場所へ戻す。岩倉は切符をポケットから取り出して駅のホームへと向かった。
はあの箱について考えてみる。
あれが本当に爆弾解除のボタンだとしたら、明日爆発していたのかも知れない。つまり残り二つも爆弾解除のボタンの位置を示している可能性が高い。岩倉は唾を呑んだ。
しかし、そこで疑問ができる。戩㐂塔靝や斃瀞讒譌は、場所を表しているとは思えない。況してやこんな字なんて見た事ない、なんてものだってある。
また、こんな簡単なヒントを出すなら、単純にテロを起こすわけでも無さそうだ。犯人には何か、別の目的があるのかも知れない。電車が止まると、岩倉は早歩きで仕事場へ向かった。
自動ドアを通ると、そこには本岡が立っていた。
「何遅刻してるんですか?」
「いや、本岡これを見てくれ」
そしてカバンからボタンの入った箱を見せる。本岡は驚いた表情をした。
「え?もしかしてこれって」
「ああ。昨日の怪文のやつらしい」
「へ?」
「いや、だからこれが昨日の怪文の表した場所にあって」
「そうなんですか?舞原さんが言ってた市役所の捜査一課体験企画の小道具じゃなくて。
──え?ということはあの怪文って爆弾の位置を表しているってことですか」
「そのことだと思っていたんだがな。まあ、恐らくそうだ。この投稿者は私達に勝負を仕掛けている。」
「連絡とかしないんですか?」
「あまり接触しては危ない可能性がある。まあ実を言うと投稿者と話そうと思ったんだが、アンチコメントの制限範囲を厳しくして擬似的にコメントをオフにしている」
「自由すぎると不自由になるってのはこういうことですか」
「そうだな。ところでこれ、押していいと思うか」
「でも信じるしかないですよ。やってみましょう」
「よし、行くぞ」
箱を開けてボタンを人差し指で押し込む。
するとカチッと音がした。
その時、自分のスマホから振動が伝わってきた。メッセージは、
「アカウント:crisis707 一分前
5.7 9:14 第一爆弾解除成功」
まさにclickからの通知だった。
岩倉は情報を見逃さないためにcrisis707をフォローしておいたのだ。
「これはつまり成功?やはり解除ボタンだったんですね」
「ああ。罠もある気配はない、本当に頭脳戦を仕掛けてきているのか?」
「気になりますね」
すると舞原が後ろから声をかけてきた。
「本岡さん、市役所の企画資料さっさと作って下さいよ」
本岡は面倒そうに返事をして、机に向かった。岩倉も机の上に箱を置くと、資料作成に取り掛かった。しかし間も無く携帯から通知が来た。
「アカウント:crisis707 一分前
警察さん解除成功おめでとう
次のヒント 数」
岩倉は違和感を覚えた。
ヒントを与えすぎているようにも感じるのだ。ここまでヒントを出したりしているのなら、犯人の目的は頭脳戦というより、さらなる事件のための実力把握の意味があるのではないか?そこまで考えるが、深読みなのかと思い再び仕事についた。
二章 戩㐂塔靝 センキトウテン
2026 5.9 11:45
「先輩、戩㐂塔靝について分かったかも知れません」
そう舞原が話しかけてきた。
「昼休憩の間に考えていたのか」
「はい。よく聞いて下さいね」
するとメモを取り出してきた。そこには戩㐂塔靝と書かれていた。
「数に関係あるんですよね?
戩は滅ぼすという意味があるので、ほ"ろ"ぼすの六、
㐂は喜びの異体字なのでまたまたよ"ろ"こびの六、
塔は塔そのままなのでトウ、つまり十、
靝は天の異体字なのでten、つまり十を意味するんですよね」
「それが?」
「ちゃんと聞いて下さい6、6、10、10ですよ?
1966年10月10日に建てられた建物といえば?」
「そんなの知らないな」
「まあ仕事のパソコンで調べたんですけね。
建てられた年月が分からなくても聞いた事はあると思います。
4355個の鶴が飾られた『億遠の時計台』ですよ。日本の総人口が一億人を超えた記念の時計台です」
「ああ。あれか。でも『ろ』で六は強引じゃないか?」
「でも都合良すぎじゃないですか」
「それはそうだな。しかし、資料作成もあるから行くなら一人で行ってくれるか」
「勿論、逆に好都合です」
「は?」
「いや、だって沢山捜索できますし」
「まあいい。だが、時計台の中の鶴や構造は破壊するなよ。下手したら退職処分なども有り得る」
「百も承知です。いってきますね」
岩倉は溜め息を吐いた。
資料の整理を終えて、立ちあがろうとすると、通知音がした。スマホを見ると舞原から
「ボタンは無さそうです。」
とメッセージが来ていた。
岩倉はやはり偶然だったのか、と思った。正直、このような推理に期待してしまったので残念な気持ちもあった。
岩倉は舞原が置いていったメモを見つめる。数がヒントであるといっていたが、戩㐂塔靝を見ると真っ先に七がう三つくっついた漢字について考える。しかし七だけなら、これまでの傾向とは違いヒントが少なすぎる。自分が考える立場となった時、舞原の思考と行動力は特殊であると理解した。
そしてしばらく考えたのちに、岩倉は一つの考えを思いついた。
漢字に含まれている漢数字が関係しているのではないか、と。
例えば、戩だったら漢数字の一がある。
その説が正しければ、
戩が一、
㐂が七、
塔が合の一、
靝も气の一で
1711となる。
そこで岩倉はパソコンで1711という数字について調べてみる。
西暦1711年の建物など近傍には無い。況してや1711に関係するようなものは調べた限り何も出てこなかった。溜め息を吐いてふと時計を見ると定時を過ぎていた。岩倉は諦めてパソコンをパタリと閉じた。
2026 5.10 9:36
「アカウント:crisis707 九時間前
残り1日。さっさと発見してくれた方がいいんですが」
──────────
「岩倉先輩、こんな投稿出てますよ?怪文のことでしょうけど」
本岡はその文が写る画面を見せてくる。
岩倉はその文を凝視する。
「これ、おかしくないですか?見つけてくれた方がいいだなんて」
本岡は岩倉の言いたい事を代弁するように話した。
「もしかしたら、犯人はこれとは別に真の目的があるのかもな」
岩倉は冗談混じりで言った。
戩㐂塔靝。そこで岩倉は、一つだけ案を思いついた。
数字は㐂から漢字そのものに含まれていると考えていたが、もしかすれば別の所にあるのではないか?
そう考えて岩倉はまず、画数に注目した。
戩が14画、㐂は6画、塔は12画、靝は18画。
1461218となるが、検討がつかない。1461218で検索してみても何も無い。146年12月18日で検索しても当然何も無かった。
1461218とだけ書かれたメモを残して、岩倉は席をはずした。
コーヒーを淹れてから、席に戻るとそのメモは無くなっていた。周りで誰かメモを持っている人がいないか見渡すものの、全員机に座っていてメモを持っている人はいない。舞原なんか電話対応をしているくらいだ。
時刻を確認すると11:00を過ぎていた。岩倉は早めの昼休憩を取ろうと近くのコンビニに寄ることにした。
おにぎりを手に取りレジに並ぶ。
すると舞原から連絡が来た。
「さっき電話を掛けたんですが、急に
『あとちょっとだ』
と来て電話が切れました」
と。もしかして、と思い岩倉は急いで会計を終わらせた。
そして連絡する。
「もしかして電話番号は1461218か?」
するとすぐ返信が来た。
「そうですよ。もしかしてあのメモ先輩のですか?」
岩倉は電話を繋げたのに違和感を感じると同時に、あとちょっとだ、という言葉に引っ掛かった。
もしかすると、今回の爆弾解除には電話を掛ければいいのではないか?
それをヒントで出すということは、犯人はやはり別の目的があるとしか思えなかった。
そして爆発まで残り時間は11時間。妙な緊張感に襲われながらも再び怪文を見つめた。
すると、岩倉は前の舞原の推理を思い出した。
確か、661010だった。
そこで電話番号661010と調べるが六桁など存在しなかった。ヒントは別の場所にあるのではないかと、clickを開いてcrisis707のアカウントの投稿を見ようとしてみる。
すると、
「crisis707の新規アカウントが作成されました。」
というメッセージが表示された。そこをタップしてみるとcrisis707のサブアカウントらしきものが出てきた。名前は
「1461218」
だった。その投稿には、
「▲▲警察署前」
と書き込まれていた。岩倉は、見つけたという達成感と同時に、自分の推測が当たっていた喜びで跳ね上がりそうになった。
そして警察署から出て、前にある建造物を見てみた。前にある建造物は防災倉庫だ。
防災倉庫の周りを観察すると、消化器の扉が不自然に少し空いていた。
開けてみると中にはヒウリマイとは違い小さなボタンがあった。押してみると
「ピコーン」
という通知音が鳴った。
相変わらずcrisis707の投稿だ。
投稿は
「第二爆弾解除おめでとう。」
次はヒントが無かった。
岩倉が警察署へ戻ろうとすると本岡がいた。
「岩倉先輩、解除出来たんですね!」
「本岡、どうしてここに?」
「丁度、昼休憩終わってコンビニから帰ってきたらいたんで」
「でも何故解除出来たことを知っているんだ?」
「え?舞原さんが言ってましたよ」
三章 斃瀞讒譌 ヘイトロザンカ
2026 5.12 10:13
「岩倉先輩、crisis707について何か分かったんですか?ずっとカチカチしてますけど」
「アカウントについては何となく把握したが、住所や本名の特定は出来ていない」
「もっと大きな捜査機関は動いてくれないんですか?」
「市役所の企画もあって、このような小さい規模からの話は無視だ。お遊びだと思ってるのか、本当に気づいていないのかは不明だが」
「そうなんですね、crisis707もそれを分かってるとか?爆弾が実際に仕掛けられているなら、普通は捜査機関が大きく動くはずなのに、こんなピンポイントだなんて......」
「そうだな。で、アカウントについての情報は、
2025 12.14 に作成されたアカウント
2026 5.6 15:59 に初投稿
フォロワー数 368人
フォロー中 0人
総click数 106万
総高評価数 23万」
「click数?なんですかそれ」
「何回閲覧されたかだ。まあアカウント作成時期以外は誰でも閲覧できる情報でしかないが」
「フォロワー数に比べて閲覧多すぎじゃないですか?」
「あの怪文の投稿が話題になっているから、閲覧数が多いのもそう不思議ではない」
「なるほど......え?」
「どうしたんだ本岡」
「いや、舞原と私ってほとんど同時期にこの職場に入ってきたじゃないですか?」
「そうだな」
「アカウント作成の日付、舞原さんが入ってきた時です」
「嘘だろ?偶然とかじゃないか」
「そうですよね。怖い怖い」
そして本岡はどこかへ歩いていった。
岩倉の心臓の鼓動が加速した。
「斃瀞讒譌」
もしかして、次のヒントというのは、この三文目のヒントでもあるのではないか?
次には三つ目も含まれるのではないか?
数。そう思い岩倉は画数を数えてみる。
18画、19画、24画、19画。
日時には出来なさそうだ。
18192419、電話番号や識別番号の可能性を考慮しても、爆弾の位置を示すヒントにはならなかった。
「何があるか......」
そのとき、瀞のさんずいが目に入った。そして岩倉は考えた。
「もしかして部首の名前に数が入っているのではないか?」
と。
斃は部首が死で四、
瀞は部首がさんずいで三、
讒は部首がごんべんで五、
譌は讒と同じく五。
4335。月日にはならなそうだった。
岩倉は結局違うのかと、もう一度文字を見つけ直そうとした時、あることを思い出した。
「舞原!」
「は、はい!どうしましたか?」
「億遠の時計台には何羽の鶴があった?」
「えっ.....と、4355羽くらいでしたよ」
「やっぱり!最後の爆弾解除ボタンは億遠の時計台だ!」
「え?急ですね......まあ頑張って下さい」
岩倉は車を使って時計台へ向かった。
2026 5.13 22:25
「着いたぞ......」
時計台前に車を止めて時計台に入った。
すると、中のあるハシゴの上にボタンらしきものがあった。
ガッツポーズしたい気持ちと共にボタンをジャンプで押し込んだ。
すると、自分のスマホから通知音がした。
しかし、ポケットに触れてもスマホは無かった。警察署に置いて行ってしまったのだ。
じゃあ誰の通知音なのかと振り向くと、舞原が立っていた。
「舞原、なんでここに?」
すると舞原は笑い出した。
「もしかして、お前が犯人なのか?」
「どうだと思います?」
「はぁ?舞原、お前の目的は何なんだ」
「まず僕が警察となった理由、分かってますか?」
「急に?まあ知らないな」
「ですよね、僕が警察となった理由は復讐です」
「復讐?」
舞原がニヤリと笑う。
「昔、警察に僕の母が誤認逮捕されたんです」
「何故?」
「母がスーパーでとある事件に居合わせて」
「とある事件とは?」
「バッグを置いていった人がいて、母がその危険物をその人が忘れていったのだと思ったらしく、それを持って届けようとしたんですが、一部始終見ていた人が母を共犯者だと勘違いしたんです」
「それで何故警察に入ったんだ」
「母は釈放された後、生きていては邪魔だと僕のためを思って自決したんです。しかも、その後の話で、警察は手柄の為に母の無実が証明できたはずの状況で証拠を隠蔽したんです」
「......」
「爆弾のせいで母は死んだ
警察の誤認逮捕のせいで母は死んだ
その復讐のために警察に入ったんです。でも、爆弾を置いた犯人なんて今更分かりません」
「ならどうするというんだ?警察になった意味が無いだろう」
「それなら、警察本人に警察署を爆破させればいいんだって」
「は?」
「だから、僕は直接手を下していないんです」
「いや、そこじゃなく──」
「だから、警察になって、危険物処理班の資料だとか、過去の大きな爆破事件とかを読み漁ったんです」
「分かったが、警察に爆破してもらうとは?」
「正確に言うと、もう爆破されてます」
「ん?」
「いや、先輩高いところにあったからボタンよく確認していないですよね?ボタンよく見て下さい」
「──爆弾起動?」
思考が一瞬止まった。
「最後になればきっとボタン自体は疑わないと思って、警察署に爆弾を置いて、その爆弾とボタンを連動させたんです」
「そんな、嘘だろ」
嗚咽を漏らすような声で岩倉は言う。
「戩㐂塔靝の時、僕が誤推理をしてこの億遠の時計台に来たのは、この起爆ボタンを設置するためで、わざと戩㐂塔靝から億遠の時計台が導けるようにしたんです」
「全てお前の計画通りだったのか?」
「そういうことになります」
「とんでもないやつだな」
「まあこれも警察が生まれ変われるチャンスと捉えればいいんじゃないですか」
すると、サイレンの音が近づいてきた。
夜の街灯の仄暗い光が緋く染まっていた。




