チーバノ大学日本語クラス3回目
日本語クラスも3回目をむかえました。
講師であるネズミ助手は、最小サイズで教室に入ってきたので、またしても誰にも気づいてもらえないでいました。
しかし、ネズミ助手にとっては、その方が良かったみたい…
気が小さいネズミ助手は、入室時に学生に挨拶されると緊張してしまうので。
でも、前回のことがあり、ネズミ助手が教壇の上に座っていることに皆んなが気づいてしまいました。
「先生!おはようございます」
シュウくんがネズミ助手の存在を確認し挨拶をしました。
それに続いて他の学生たちも挨拶をします。
ネズミ助手は嬉しかったらしく、ちょっとだけ大きくなりました。
どうやら、ネズミ助手の惑星の住人は、感情によって体のサイズが変わるようです。
「キミたちは、私の授業を受けたい?」
ネズミ助手がオズオズと問いかけると、みんなが「はい!」と元気よく返事をしました。
ネズミ助手が張り切って「よし!」というと、体のサイズがより大きくなります。
日本語クラス3回目にして、ようやく授業ができそうでしたが…
ターマくんの様子が変です。
ターマくんの目が大きくなりランランと輝いています。
それは獲物を見つけた猫にそっくりでした。
ネズミ助手がターマくんの異変に気付き、「ターマくん、どうしたの?」と心配気味に問いかけますが…
「先生、逃げてください!」
シュウくんがネズミ助手にそう言うと、ネズミ助手は状況がわかったようで恐ろしくなり、どんどん小さくなっていきました。
最小サイズを通り越して、極小サイズになり、米粒サイズで縮小がやっと停止。
「先生、お願いですから、大きくなってください!」
ネズミ助手は「オートマチックだから、自分ではコントロールできないんだよ〜」と焦っています。
姿の見えないネズミ助手を踏みつぶしてしまわないよう、みんなが動けません。
「ゾウのような猫にアリのようなネズミだな」
「ターマくんは絶対に動いちゃダメっ!」
「地球上でのネコとネズミの力関係は、普遍的な宇宙の真理なんだね」
様々なセリフが飛び交うなか、スターメシヤが提案しました。
「シュウくん、僕、生協で駅弁を買ってくる。ネズミ先生が、駅弁を見て大きくなるかもしれない」
「いいアイデアだね!売ってるといいけど」
「ダメだったら、その時に考えようよ」
テレポーテーションができるスターメシヤに一任され、幻の生協で売っている地産地消の駅弁を買いに行くことになりました。