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チーバノ大学入学式

本日、チーバノ大学では今年度の入学式が執り行われています。


まずは、チーバノ大学の学長の挨拶からはじまりました。


「ここはチーバノ大学です。


チーバノ大学は国立二期校、いわゆる、駅弁大学。


生協で地産地消の駅弁を売ってますから、新入生の皆さん、どうぞお昼に召し上がってみてください」


新入生達から拍手がわき起こり、みんなが駅弁を買いに生協へ行こうと思いました。


お腹もすいて、早く、入学式が終わらないかなと、そんな雰囲気も漂いはじめています。


次は、新入生代表の挨拶です。


新入生代表挨拶とは、その年の入学試験で優秀な成績をおさめた学生に託される栄誉ある事柄です。


「新入生代表、挨拶!」


進行役の事務員が大きな声でそう告げると、「はいっ!」と元気な返答があり、身長 2メートル超のロン毛の巨大な猫が椅子から立ち上がりました。


二足歩行で壇上に上り、堂々と自分で考えチーバノ大学の事務局からお墨付きをもらった挨拶文をハキハキと読み上げたのです。


最後に「新入生代表、大宇宙一の王家一族直系ターマ第一王子!」と、のたまいました。


その時、入学式の行われている大講堂では、ザワザワとどよめきが起こったのです。


なぜかと言うと、新入生代表の素性について、みんな何を言っているのか分からなかったから。


NASAから購入した、数億にものぼる宇宙人の公用語を日本語に翻訳する翻訳機を使うと、どうしても何を言いたいのかが分からなくなってしまう。


新入生代表がターマ王子と言う名前で、自分は大宇宙一の王家一族の出身で、それも直系の王位継承権がある、そう言いたいのでしょう。


しかし、そんな上から目線の新入生代表挨拶は許されるものなのでしょうか?


この広大な宇宙空間には、確かにまだ身分社会が存在していますが、それらを克服しみんなが平民の惑星や銀河団も存在しているのも事実ではあるのです。


しかし、ザワつきはすぐにおさまりました。


ちょうど、お昼の12時を告げるサイレンが鳴り響き、ここで新入生代表の挨拶にイチャモンをつけるより、早く入学式を終わらせて生協に駅弁を買いに行きたいと、一同が考えたからです。


チーバノ大学のあるチーバノ県は、農業が盛んで、大昔にニッポン国政府がとった米の減反政策を完全に無視して米を作り続け、米の生産量がポッカイ道の次に多くなりました。


いろいろ、あるよね。


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