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7.恋のキューピッド作戦

「ったく、クライブの奴! パールたんに想われるとか贅沢すぎるっつーの!」


 私は自分の部屋のベッドに腰かけて天井に向かってぼやいた。

 「あーあ」

そのままベッドに寝転がる。

 パールたんに「からかっている」と言われてしまったことを思い出し、盛大にため息をつく。


「ああ、もう。パールたんと仲良くなりたいだけなのに……」

 何かいい方法はないか、目を閉じて思いを巡らせる。

「どうすればパールたんに心を開いてもらえるのかしら」

 私は起き上がり、ベッドに腰かけなおした。


「パールたんはクライブが好きなのよね……。じゃあ、二人の仲を取り持てば、私のことを好きになってくれるかも?」

 パールたんは居るだけで尊いんだけれど、クライブのうすらボケはその魅力に気付いていないようだ。まったく、訳が分からない。


「どうすれば、クライブはパールたんを好きになるのかしら?」

 私はベッドから立ち上がり、部屋の中を歩きながら考えた。


「クライブは……確か料理上手な女性が好きで、好物はクランベリーパイだったっけ?」

 私はかすかに残るゲームの記憶をなんとかたどり、パールたんとクライブの仲が良くなりそうな作戦を考える。


「そうだ! パールたんと私でクランベリーパイを焼いて、クライブに食べさせよう! きっとクライブはパールたんの魅力に気付くはず!」


 思い立った私は、パールたんに手紙を書いた。


<突然のお手紙、ごめんなさい。パール様、よろしかったら今週末、我が家で一緒にクランベリーパイを作ってくださいませんか? クランベリーがたくさんあって困ってるんです。その後、お茶会をしたいと考えています。是非いらっしゃってください。リーズ>


 手紙を書き終え、封をすると私はベルを鳴らしてメイドを呼んだ。


「リーズ様、何かございましたか?」

 駆け付けたアンナに私は言った。


「この手紙をパール様に届けてください」

「分かりました」

 アンナが部屋を出て行くと、私はにんまりと頬を緩ませた。


「……パールたんと二人でお料理……ぐふふ」

 我ながら気持ち悪い笑い声を押さえながら、私はパールたんから良い返事がもらえることを祈った。


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