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4.夕食

 私は部屋用のドレスに着替えて、食堂に向かった。

 アンナが言うには、お父様もお母さまも何度か私の様子を見に来たらしいけれど、その時私は眠っていたそうだ。


「お父様とお母様か……どんな人だろう?」

 私は食堂のドアを開けた。奥にはいかつい顔の男性と、神経質そうな女性が座っている。きっと両親だろう。すこし怖い感じがする。

 その脇には私より少しだけ年上に見える青年がいる。多分兄だろう。


「リーズ、体調は良くなったか?」

「はい、お父様。だいぶ良くなりました」

「アンナから、落ち着くまで一人にしておいてほしいと聞いていたけれども、もう大丈夫なのね」

「はい、お母様」

 お母様は神経質そうに片眉をひきつらせ、私をじろりと見た。


「ご心配をおかけして申し訳ありませんでした」

 私が頭を下げると、お兄様が目を丸くした。

「リーズがあやまるなんて、やっぱり重症だな」

「言葉を慎みなさい、ビル」

 お父様がお兄様をたしなめる。


 食事が並べられ、お父様が食前の祈りをささげた。

「いただきます」

 私がそう言うと、両親とお兄様は驚いた顔で私を見つめる。

「リーズが食前の挨拶をしている!? やはり、病が重かったのか?」

 お父様がうなる様に言った。


「リーズ、無理をしないでね」

 お母様が心配そうな表情を浮かべている。

「ゆっくり食べろよ? まだ調子が戻っていないんじゃないか?」

 お兄様は疑わしいという様子で私を見ている。


「もう、皆ひどいわ。まるで私が礼儀知らずみたいな扱いをして」

 私が思わずつぶやくと、両親とお兄様は顔を見合わせた。

「まあ……食べよう」

 お父様は否定も肯定もせず、スープを口に運んだ。


「そういえば、ブレイク家の勉強会にリーズを誘っても良いかと、クライブに聞かれたぞ」

 お兄様は薄切り肉を食べながら、私に話しかけた。

「レミ様から招待状をいただいております」

 私が答えると、お兄様は微妙な表情で私を見つめて言った。

「まあ、あの……無理に参加しなくてもいいんじゃないか? まだ調子が良くないようだし?」


「大丈夫です。パール様もいらっしゃるようですし、私も参加します。良いでしょう? お父様、お母様?」

「お前が大丈夫だと言うなら、行ってもいい。ただし、具合が悪くなったらすぐに帰ってくるんだぞ?」

「心配し過ぎですわ、お父様」


 私は魚のパイを一口食べた。

「このパイ、とても美味しいですね」

「リーズが料理をほめるなんて……やっぱり、まだ寝ていたほうが良いんじゃないか?」


 お兄様から憎まれ口をたたかれ、私は苦笑した。


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