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時と罪  作者: 紬木 雪
1/1

時と罪

主人公

長男

紬木つむぎ 優真ゆうま19歳  8月16日生

両親の代わりに兄弟の事は自分が何とかしなければいけないと考えてる

妹弟のことはしっかり分かっているつもりだが・・・

周りの事を第一に考え、自分の事を後回しにする性格

父親が元格闘家だったため体は人より鍛えている


Part優真


優真(これは近いうちに起こりうる物語である、とある心理学者と政府が手を組んで発明し、国法とまでなった時間に対する価値観である・・・

心理学者の考えは、一日24時間「8万6400秒」ある、それは意識せずとも毎日貰えて毎日使っている・・・これがお金ならどう使うか?と・・・

例えば毎朝8万6400円手に入り使っても使わなくても夜にはなくなる、翌朝また貰える

それなら毎日貰える8万6400円を無駄にはしないだろう、でも時間の使い方は・・・

いっそ時間=お金だったらという結末となり・・・

その考えを政府が形にしたのが、俺のおでこの中にあるチップとそれを管理する端末だ、おでこのチップは脳と政府のサーバーと接続されてて、毎日24時間という命の時間でありこの世界のお金を配布しTe・・)


蓮兎「おにいちゃん!」

 机に肘をつき考え事をしてた俺の耳に響く

優真「どうした?」毎日のことだけど聞いてみる

蓮兎「いっぷんちょうだい」

 三男の蓮兎だ、また無駄使いしたんだろう

優真「また無駄使いしたのか、未成年は毎日お小遣い貰えるだろ、それは無くならないんだから無駄にするなと言ったろ」少しため息混じりで答える

蓮兎「だって、ほしいものあったんだもん・・いっぷんないとしんじゃう」端末を見せる

優真(そう・・一日24時間以上持っていないと死んでしまう、配布のタイミングは24時「0時」である今は9時ピッタリ、蓮兎の残り時間は2時間59分このままだと配布のタイミングまで持たない、そu・・)

蓮兎「にいちゃん!ぼくのきゅうかくぞうか(嗅覚増加)データ※①よりにちゃんのほうがぼーとしてむだにしてる!」むくれた顔で言う

優真「1分だけだからな」

 優真は端末で蓮兎に1分送る、来年小学生とは思えないぐらい計算能力と時間感覚があると、ふっと笑みを浮かべる

優真「明日からはないからな!おやすみ!」

 自分の部屋に走っていく蓮兎に言う

蓮兎「あしたも、もらうもんねー べー!」

 相変わらず生意気だ

鈴音「お兄ちゃん、甘やかしすぎだよ」

 優しい声で言う

優真「兄ちゃんが頑張れるうちは時間に困らないようしたいんだ、鈴音は欲しいものないのか?」

鈴音「凛華のオムツとミルクかな?ミルクは無くなってきたし、なかなかトイレトレーニングが上手くいかなくてオムツも少ないの・・・」

 凛華を寝かしつけながら静かに言う

優真「分かったよ、明日買ってくるね」

 鈴音はしっかりしていて助かる、同じようにしっかりしてるのが・・・

将矢「兄ちゃん6分余ったから使って」

将矢だ、毎日お小遣いを使わず俺にくれる

優真「いいのか?将矢のお小遣いだろ」

将矢「使わなかったから・・・生活費に使って」

 将矢はあまり話そうとしないが、皆のためを思っているのはわかる

優真「いつもありがとう、将矢も欲しい物あったら言うんだよ」

将矢「うん大丈夫今は無い、おやすみなさい」

優真「明日も学校だし寝るか、おやすみ」

 凛華を起こさないようにそっと立ち上がり部屋に戻る

 布団に入った優真は端末を開き残り時間を見て安心した顔になる

優真「これだけあれば来年幼稚園に入る凛華、小学生の蓮兎、中学生の将矢、高校生の鈴音の当面は大丈夫だ」

 端末を閉じて眠りにつく


※①嗅覚を一時的に高めるプログラム


長女

紬木つむぎ 鈴音すずね15歳  6月27日生

優真お兄ちゃんに心配させないよう頑張りすぎる性格

まったりした性格にも見えるが、しっかりした性格

自分のことを後回しにするお優真兄ちゃんの事が心配で仕方ない


翌朝


優真「おはよう鈴音、将矢・・・あれ蓮兎は?」いつもはしゃいでご飯を食べる蓮兎の姿がないのに気がつく

鈴音「蓮兎は熱が出て寝てるんだ・・・」

 申し訳なさそうに言う

優真「なら病院代を渡しとかなきゃね」

 端末を操作し2時間※①送信する

優真「病院の帰りにあまりで何か買って、いつも学校あるのに家の事してもらってるし」

 更に申し訳なさそうな顔になる鈴音

優真「他に何かあったのか?」

涼音「あの・・・」

 大体検討はつくが、それはさせたくないから先に切り出す

優真「学校は諦めなくていい、またポンコツベビーシッタープログラム※②が壊れて、これ以上時間を使いたくないからだろ?」

 ため息混じりに優しく言う

鈴音「ごめん・・・」

優真「謝る必要ないよ、誰でも風邪はひく それと、午後からは俺が蓮兎と凛華を見るから、鈴音は学校に行ってな」

鈴音「ありがとう」

 少し笑顔になった

優真「あ、将矢は途中で帰らなくても大丈夫だから楽しんでこいよ」

将矢「うん・・」

 なぜ早退しようとしたのが分かったのか不思議そうな目で見る

優真「将矢の事だから蓮兎と凛華の様子を見に帰ってくると思ってな」

凛華「いーい、ねーねおはよぉ」

 眠そうな顔でやってくる

凛華「れんにーには?」

優真「れんにーにはお風邪ひいてねんねしてるんだよ」

 頭を撫でながら言う

凛華「もう!あかちゃんじゃない」

 手を弾き不貞腐れる

鈴音「お姉ちゃんだもんねー、お姉ちゃんだからちゃんとご飯食べよっか」

 優しく誘導する

凛華「またバナナ?ホットケーキたべたい!」

優真「凛華!今日は優にーにの給料日です!」

 むくれながらもバナナを頬張る凛華に笑顔で話を切り出す

凛華「きゅうりょうび?」

優真「うん!時間が貰える日だよ!ショートケーキ買って来るぞー!」自慢げに言う

鈴音「いいのそんなに?時間大丈夫なの?」かなり心配そうに見つめる

優真「大丈夫、ボーナスも出るから!」にこやかに言う

 やれやれとした表情で「なら大丈夫ね」と鈴音が呟く

将矢「行ってきます・・」凛華「いってらったい」バナナを頬張りつつ言う

涼音「いってらしゃい、お兄ちゃんも時間じゃないの?」

優真「あ!時間だ!行ってきます!」


※①2時間は7200円

※②フォログラムによる未就学児の世話をするもの


次男

紬木つむぎ 将矢しょうや12歳 7月15日生

口数は少ない方だが、優真お兄ちゃんのように自分のことは自分で解決して、妹弟の事を見たいと思い日々努力を惜しまない性格


学校


学科長「え!中退する?!なんで急に!」急なことでかなり驚く

優真「妹弟の事と仕事のこととかで学校どころではなくなったので・・・」

学科長「紬木の成績なら少しぐらい休んでも大丈夫だぞ?」心配そうに言う

優真「いつまで休むか分からないので、それと今の仕事の時間を伸ばして貰えそうなので」 少し清々する顔で言う

学科長「そうか・・・噂のせいではないんだな?」

 真面目な顔で優真を見つめる

優真「違います、仕事が楽しくなったのが一番ですかね」笑ってみせる

学科長「分かった手続きしておく、今日はどうするんだ?」

優真「弟が風邪なのと、ベビーシッタープログラムが壊れたのもあるので帰ります」

学科長「そうか、気をつけて帰るんだぞ それと、噂は無視しろよ」

優真「はい、気にしてません」嘘がバレないよう笑顔で言う

優真「失礼しました」ゆっくり扉を閉める


優真(あ・・イヤホンを家に忘れた・・最後の最後に嫌な声聞かなきゃならないのか・・・)

生徒たち「紬木の両親は犯罪者で政府に捕まってるらしいぜ」「処刑されたって聞いたけど」「あいつ中退するってよ」「退学じゃねーの?犯罪者の子供だし」「弟が風邪らしいぜ」「犯罪者の子供は病気になりやすいってな」

優真(噂だけを信じて真相も知らずベラベラと・・腹が立つ)生徒たちを睨みつける

真也「なんだよ!犯罪者の子供風情が!」

 思わず真也に近寄ろうとする優真だが、ぴぴぴぴぴぴ!急に生徒全員の端末が鳴り出しすぐにやめる

真也「なんでこの動画が・・・」焦り出す

生徒たち「うわー真也って小さい子が好きだったんだ」

真也「違う!この子は迷子で!」強い口調で叫ぶ

日暮「紬木、今のうちに学校から抜け出すぞ」周りにバレないよう呼ぶ

優真「日暮さん不法侵入ですよ」歩きながら言う

日暮「助けたんだからお礼くらい言ってもいいと思うけどな」自慢げに言う

優真「不法侵入とハッキングをした同僚にですか?会社ではしないでくださいね」

 少し笑みを浮かべながら言う

日暮「相変わらず冷たいな」

優真「日暮さんが暖かすぎるからちょうどいいでしょ?」心から笑ってみせる

優真「でも、さっきは助かりました。ありがとうがいます」丁寧にお礼を言う

日暮「助かったのはあの生徒だろうけど・・優真に殴られたら歯が折れるだけじゃ済まないからな」

優真「俺はボクサーですか?まあ、歯は折れますけど!」大きな声で言う

日暮「そんな大きな声で言うとはね」

優真「もう学校から遠いので」

日暮「そうゆうもんかね?・・・それより今日と明日仕事休むんだろ」

優真「日暮さんに隠し事はできませんね」少し微笑む

優真「明日は出ます、土曜なのと工場長と話をしたい事があるので」

日暮「分かった、伝えとく!また明日な!」

優真「お願いします」安心して家に向かう

優真(ミルクとオムツ忘れないよう買いに行かなきゃ・・・)

将矢「お兄ちゃん」囁く声で呼ぶ


三男

紬木つむぎ 蓮兎れんと5才 5月14日生

優真お兄ちゃんに甘えてばっかりだけど、優真お兄ちゃんの役に立ちたい気持ちの空回り

将矢お兄ちゃんとは話をしなくても分かり合えることがあり、特に優真お兄ちゃんが大好きで独り占めしたい


優真「将矢!もしかして・・」

 学校で同じ目にあったんじゃないかと心配する

将矢「風邪になって休む人が多くて休みになっただけ、お兄ちゃんなんかあったの?」

優真「学校で根も葉もないこと言われてな、翔也も同じように言われたのかと・・・」

将矢「いや、何も言われてないよ?なにか言われたの?」

 いつもはあまり話そうとしない将矢だが、優真の顔色が悪いことに気が付き真剣に聞く

優真「将矢は覚えてるか知らないが、両親は事故にあって死んだんだ・・・遺体は政府が引き取ったから、仏壇すら無いんだよ・・・」

 悲しそうな目をする

将矢「それで、なんて言われたの?」

 少し怒りが混じった声で言う

優真「はぁ・・両親は犯罪者で政府に捕まってるんだとさ!」怒り気味で言う

将矢「兄ちゃん!兄ちゃんは、全て見てきたんだよね!全く事情知らない人に言われたからって動揺する必要ないよ!」

 怒りと悲しみで、震えながら声を荒げた

優真「そうだよな、この目で見たんだ・・誰がなんと言おうと関係ないよな」

 笑ってみせる

将矢「うん!」笑顔になった優真を見て安心したのか「先に帰って、姉ちゃんのお手伝いしとくね!」嬉しそうに小走りで帰る

優真(ボーナスも入ってる、約束したから買い物してて帰るか・・・)

 端末を確認して薬局に向かう

(冷却ジェルシートは残りは、あったかな・・・買っておこう、ミルクはフォローアップミルクだったな・・・オムツはトレーニングパンツと・・おしりふきも買わないと・・・凛華達にショートケーキ・・蓮兎にはゼリーかな・・あ!ホットケーキミックスが安い!3分だ!※①あとでかい・・・1キロ・・約20枚くらいか・・買おう・・全部で1時間と9分※②ぐらいか・・・鈴音に叱られそうだな・・)



※①3分は180円

※②1時間9分は4140円


次女

紬木つむぎ 凛華りんか2才 4月9日生

お転婆でおしゃまな性格

優真お兄ちゃんに赤ちゃん扱いされるのが嫌いだけど、優真お兄ちゃんは大好き

将矢お兄ちゃんと遊ぶのも大好き、特に膝の上


帰宅


優真「ただいま」

鈴音「お兄ちゃん来て!」怒ったような顔で手を引っ張る

鈴音「見て!」テレビに指を差す

ニュースキャスター「・・・大学の男子生徒が女児誘拐未遂容疑で起訴されたと関係者からの情報があり・・」

凛華「ゆうにーにのがっこうー」

将矢「・・・。」静かにテレビを消す将矢

鈴音「将矢が急に帰ってきて、お兄ちゃんが・・・」

 焦って言葉が詰まる

優真「鈴音ちょっとまって」

 険しい表情で鈴音と将矢を見る

将矢「りんちゃん、にーにのお部屋で遊ぼうか」

 気を使ってくれる

凛華「うん!ぶろっくであそぶー」小走りで部屋に向かう

買い物袋を置き優真は将矢を見て軽くうなずくと将矢もうなずき返す


優真「将矢はなんで帰ったか言ってたか?」話を切り出す

鈴音「私とお兄ちゃんの手伝いをしたくて帰ろうとしたら休んだ子が多くてって」

 焦りながら説明する

優真「将矢は他になにか言ってたか?」

 色々頭に浮かべながら聞く

鈴音「特に何も行ってなかったけど、表情がいつもと違ったのと・・ニュースでお兄ちゃんの大学が出たから心配で・・・」

 少し落ち着いてくる鈴音

 優真は大学を中退したことや学校であったことを話してからニュースのことを聞く

鈴音「お兄ちゃんの学校で女児誘拐未遂の逮捕者が出たって言ってた」

優真「あの動画の事か・・・」顔をしかめる

鈴音「知ってるの!?」驚いた顔で聞く

優真「見てはないんだけど・・同時に生徒全員へメッセージが来て、仲継真也が子供に話しかける動画が入ってたのは知ってる」

 日暮がメッセージを送信したことは伏せて説明する

鈴音「お兄ちゃんに何かあったのかと思って心配したよ・・」少しホッとする

鈴音「でも、話しかけてただけでしょ?」

優真「完全に見たわけでは無いから分からないけど、多分違う方面で起訴されたんだと」

 日暮がハッキングをしたせいなのか考える

鈴音「違う方面って?」

 何か分かっているような優真に問うと

優真「もしかしたら・・・政府が絡んでたり・・・」

 政府という名前が出て二人とも黙ってしまってると

凛華「ゆうにーにー、けーきはー?」

 急に思い出して急いでやってくる

優真「そうだった、ケーキ買ってきましたー」

 満面の笑みで袋から取り出し凛華に見せる

凛華「・・・」悩ましい顔でケーキを見る

優真「気に入らなかったのかな?」

凛華「よっちゅしかない・・」悲しげにつぶやく

優真「大丈夫、優にーにのが無いだけだから」

凛華「だめ!みんなたべゆの!」

将矢「一つを将にーにと食べようか」」怒った凛華に呟く

凛華「うん!いっしょにたべゆ!ゆうにーには、れんにーにとたべゆの!」

鈴音「凛ちゃんは優しいねー」にこやかな顔でいう

凛華「りんちゃんは、おねーたんだもん!」

 腰に手を当て誇らしげに言う

優真「蓮兎の様子見てくるよ」

 ゼリーを持って蓮兎の部屋に行く


優真「蓮兎起きてるかな?」ゆっくり扉を開け話しかける

蓮兎「おきてるよ・・」寝ぼけた顔でいう

優真「お熱は下がったかな?」

 体温計で熱を測ると37.7℃だった

蓮兎「おねつある?」心配そうに聞く

優真「少しだけあるねでも、かなり下がってるね 蓮兎がちゃんと寝てたから下がったんだよ」にこやかな顔で悲しげな蓮兎を抱きしめる

蓮兎「おにいちゃんごめんなさい・・」

 半べそをかきながら優真に力いっぱい抱きよる

優真「なんで謝るの?」背中をさすりながら言う

蓮兎「ぼくがむだづいする、わるいこだから・・だから・・いつもおねつが・・」

 今にも大泣きしそうな蓮兎

優真「違うよ、蓮兎がお兄ちゃんでいい子だからお熱が出たんだよ」

 病院からもらった薬と薬の説明書を見ながら言う

蓮兎「なんでわかるの?」

 優真と同じ向きになり薬の説明書を見ながら考える、季節の変わり目には体調を崩すのでいつもどうり説明する

優真「この解熱剤はお熱を下げるお薬だから、たくさんお絵描きしたからお熱出たんだよ」

 他にある薬は隠して説明する

蓮兎「いいこだから おねつなの?」

 不思議そうに聞く

優真「うん、そうだよ」

 心配しなくて大丈夫という顔で言う

優真「ゼリー食べれるかな?」

 話を切り替えるのと、食欲があるか確かめるため聞く

蓮兎「すこしおなかすいたー」笑顔になる

優真「桃のゼリーです!」

蓮兎「ももー!たべるー!」

 満面の笑みで食べようとしてる時に鈴音が入ってくる

鈴音「ゼリー食べれるようになったんだね、お熱下がったかな?」

蓮兎「おねつ すこしだけになったー」

 ゼリーが美味しいのと優真を独り占め出来てるのが嬉しくて満面の笑みで答える

鈴音「お兄ちゃん、蓮くん学校行ってくるね」

優真「行ってらっしゃい、気をつけてね」

蓮兎「いってらっしゃい!」

 鈴音は少し羨ましそうな顔で扉を閉める


木本きのもと 珠美たまみ14歳 12月12日生

「タマ」や「タマちゃん」と呼ばれる、猫みたいで少し嫌がる

低身長なとこが嫌いだが、それでも仲良くしてくれる同級生が好き

いつかは、鈴音みたいなお姉さんになりたいと思っている


Part鈴音


鈴音「邪魔しちゃったかな?」

 くすっと笑いながらリビングに行く

凛華「れんにーに、おねちゅあるの?」

 将矢に甘えながらいう

鈴音「蓮にーにのお熱は下がって、少し元気になってるよ」

 優しい口調で言う 将矢が安心した顔になったのを見て続けて言う

鈴音「凛ちゃん、将にーにとお留守番しててね」

凛華「うん!いってらったい!」


通学路


珠美「鈴ちゃんおはよー!」

 後ろから元気よく走ってくる

鈴音「タマちゃんおはよ?」

 不思議そうな顔で見る

珠美「金曜日ー♪遅刻なしー♪」

 嬉しそうに歌いながら歩く

鈴音「タマちゃん?遅刻だよ?」

珠美「鈴ちゃんが居るのに!?」

 かなり驚き慌てる

珠美「鈴ちゃん何かあったの?迷った?」

 不思議そうな顔でとう

鈴音「今日は蓮くんお熱出て、病院に行ってたからこの時間になったんだ」

珠美「あー今週は遅刻なしだったのにー」

 残念そうに肩を落とす

鈴音「タマちゃんいつも早起き頑張ってるもんね」

 頭を撫でながら言う

先生「紬木!弟くんはもう大丈夫なのか?」

 正門で立っている先生が鈴音を見て言う

鈴音「こんにちは熱は下がりました、あとお兄ちゃんが見てくれてるので大丈夫です」

 笑顔で挨拶をする

先生「木本はまた道に迷ったのか?」

 クスッと笑いながら冗談を言う

珠美「迷ってません!寝坊です!」むくれた顔で言う

先生「寝坊かー、2ヶ月ぶりにしたんじゃないのか?」

 少し悩みながら珠美に言う

珠美「それを言わないでー」

 耳を軽く塞ぎながら言う

先生「次の授業始まるから早くいきな」にこやかに言う

珠美「はーい」笑顔で教室に向かう

 鈴音は軽く会釈をし珠美の後を追う


穂香 優希 (ほのか ゆうき)14歳 10月20日生

元気いっぱいな、ボーイッシュで運動と肉が大好きな女の子

珠美と仲がよく「タマ」と呼ぶ

よくボケる


教室

優希「よう、タマ!また迷子か?犬のおまわりさんに連れてきてもらったか?」

 笑いながら頭を撫で冗談を言う

珠美「猫じゃないし!迷子にならないし!」

 手を振りほどきながら言う

先生「はーい!席につけー!」

 扉を開けながら言い、教卓につく

生徒「起立!礼!着席!」

 丁寧に挨拶する生徒たち

先生「テスト返すぞー」

 一人ずつ名前を呼び渡していく

珠美「心ちゃん(ここちゃん)は何点だった?」

心美「じゃん!」

 ふふふと不敵な笑みをしながら見せる

国語87点 数学85点 英語86点 社会85点 理科99点

珠美「すごい!流石心ちゃん!」

心美「タマはどうだった?」

珠美「へへへ」そっとテストを見せる

心美「え・・・同じ点・・・」ポカンとした顔で言う

珠美「どうだー!珠美でもやるときゃやれるのだー!」

 満面の笑みで腰に手を当て言う

優希「え・・タマが80点台超え・・」

 いつもは点数で張り合ってたのに今回はかなり差があって驚いた顔で珠美を見つめる

鈴音「皆元気だね」まったりした声でいう

優希「お母さーん!」抱きしめながら言う

心美「おい!同級生だぞ!」引き剥がしながら言う

優希「鈴ちゃんはお母さんみたいだから」満面の笑みで言う

鈴音「はいはいよしよし」頭を撫でながら言う

珠美「私もー!」抱きしめに行く

鈴音「タマちゃんも、いいこいいこ」頭を撫でる

先生「採点間違いがあったら言いに来いよー」

 みんな席に座りテストを見る

優希「採点間違いがない・・・」肩を落とす

珠美「お昼まだかなー♪」笑顔で歌う

鈴音「今日のお弁当はなーに?」優しい顔で聞く

珠美「今日は!ハンバーグです!」元気よく言う

優希「今日もハンバーグか!元気だな!私は唐揚げオンリー弁当だ!」

珠美「唐揚げオンリー・・すごい・・」羨ましい顔で言う

心美「ただの作りすぎだろ」ため息を付きながらいう

先生「もうお昼の話かーあと30分まてー」

 生徒の笑い声が聞こえる


先生「もう良いかー」チャイムの音がなる

生徒「起立!礼!着席!」

珠美「ご飯だー!」おなかを鳴らしながらカバンを漁りだす

心美「元気だなー」お弁当を出し開いて見せる

優希「野菜ばっかり・・大丈夫なのか?・・」唐揚げオンリー弁当を取り出す

心美「唐揚げオンリーよりはマシだよ!?それに野菜以外もあるし!」


結月ゆづき 心美ここみ15歳 7月17日生

中学からは大人しくなりたかったが、いつも珠美、優希が同じクラスなので

ツッコミをしてしまい、大人しいキャラにはなれなかった


鈴音「タマちゃんお弁当忘れた?」

 カバンをひっくり返して探す珠美に言う

珠美「あ!作ってないや!」

鈴音「分けてあげたいけど、食べてきたからお弁当無いんだ」

 残念そうな顔で言う

優希「でも、美味しそうな匂いがするぞ?」

 鈴音のカバンを開く

心美「お弁当があるね」

 不思議そうに鈴音のお弁当を取り出す

優希「お腹空いてお昼2回食べるのかー?」笑いながら言う

心美「優希じゃあるまいし」ため息をつく

珠美「カードがあるよ」

 お弁当の上にあるカードを開く鈴音

「お姉ちゃんへ

あまりお昼ごはん食べてないみたいだからお弁当入れておきます

                          将矢」

鈴音「将くんが作ってくれてる」

 ほんわかした笑みを浮かべる

珠美「・・・」

 キラキラした瞳でなにか訴えかけるようにお弁当と鈴音を見つめる

鈴音「みんなで食べようか」優しくみんなに言う

珠美「食べるー!」すかさずお弁当箱を開ける

優希・珠美・心美「おー!豪華!」

 色鮮やかなお弁当を見て同時に声が出る

優希「・・・」

 そっとお弁当を隠そうとする

鈴音「優ちゃんの唐揚げも美味しそうだったね」

 隠そうとしたのがわかってすかさずいう

心美「そうだな、濃くもなく薄くもない丁度いい味つけの香りだったな」

 心美もすかさず反応する

珠美「優ちゃんの唐揚げ美味しくて大好きです!」

 お腹すいたから早く食べたい一身で言う

優希「そうかな、へへ」照れながら机に戻す

珠美「早く食べましょう!」

 お腹を鳴らしながら言う

鈴音「食べようか、いただきます」

 手を合わせて言う

珠美・優希・心美「いただきます」


珠美「唐揚げおいしー!」

優希「心美の筑前煮も美味しいぞ」

 もぐもぐしながら言う

心美「弟くんが作ったお弁当はどこから食べたら良いかわからない・・・」

鈴華「心ちゃんはアスパラガスかな?」

 心美の口に持っていく

珠美「私もー!」大きな口を開けながら言う

鈴音「タマちゃんはミートボールね」

 珠美の口に入れる

優希「私には?」羨ましそうな顔で見る

鈴音「優ちゃんには、卵焼きかな」

 優希の口に入れる

優希「美味いー」笑顔で食べる

鈴音「よかった」

みんなが美味しそうに食べてるのを見て笑顔になる鈴音

優希「鈴ちゃんはなんで遅刻したんだ?」

 急に思い出したように聞く

鈴音「蓮くんが風邪ひちゃって病院に行ってたんだ、今はお兄ちゃんと将くんが居るから安心だよ」優しい笑みで言う

心美「病院代結構掛かるよね?」心配そうに鈴音を見る

鈴音「病院代はお兄ちゃんが出してくれたから・・・」

 なにか思い出した顔をする鈴音

珠美「鈴ちゃんどうしたの?」不思議そうに聞く

鈴音「お釣りの時間渡すの忘れてた・・・」

ピピピ!鈴音の端末がなる

メッセージ「残りの時間はお友達と帰りになにか買って食べたりしなよ」

鈴音「お兄ちゃんからだ」端末を見ながら言う

珠美「何って来たの?」

珠美「お兄ちゃんが病院代のお釣りは、友達となにか買うのに使ってって」

心美「ドーナツ・・・」お見舞は何がいいか考えながら言う

優希「ドーナツか!いいな!」食べたそうな口調で言う

心美「ちがう!私らが食べるんじゃない!」

 少し笑いながら言う

珠美「ドーナツ・・・」悔しそうに言う

心美「将矢くんが作ってくれたお弁当みんなで食べたから、お礼にだよ」

珠美「心ちゃんありがとう」優しい笑みで言う

優希「でも、お支払いは鈴ちゃんと・・・」含み笑顔で言う

心美「私が払うよ!?」

 仕返しされたのにびっくりしながら言う

鈴音「私が払うよ、この時間使わず返したらふてくされそうだし」

 お兄ちゃんのふてくされた顔を想像してクスッと笑う

優希「蓮兎くんだっけ?が熱出したみたいだから、消化に良い物だったら食べられるんじゃないのか?」優しく心美のフォローをする

心美「たしかにな・・・」悩む二人

鈴音「蓮くんは、もうお熱下がったみたいだから、ドーナツで大丈夫よ」

珠美「ドーナツー」大喜びする

心美「だから!弟くんにだよ!」少し呆れ気味で言う

鈴音「将くんはみんなで食べたがるから、皆の分も買おうね」

 優しく珠美にいう

珠美「やったー」


放課後


珠美「ドーナツドーナツ♪」

 嬉しそうにスキップしながら帰り道を歩く

心美「お礼と、お見舞いがメインなんだからな」

 ほほえみながら珠美に言う

優希「ドーナツに合うドリンクは何だろうか?」

珠美「いちごミルクー!」元気よく言う

鈴音「いちごミルクはみんな好きだし特に、将くんは大好物だよ」

 優しい笑顔で言う

心美「大好物ならお礼にいいね」

 他になにか無いか考えながら歩く

珠美「ドーナツ屋さんみっけ!」

 キラキラした目で店内を覗く

心美「子供じゃないんだからやめな」

 いつもの事だとため息混じりに言う

鈴音「入ろうか」優しく皆を誘う

優希「いい香りー!何にしようかなー」

 小走りでドーナツのもとにに向かう

珠美「イ!チ!ゴ!・・チョ!コ!」

 色んな味のドーナツに目移りしながら吟味する

優希「あんドーナツもいいな」

 キラキラした目で言う

心美「鈴ちゃんと私は保護者かな?」

 ほほえみながら言う

鈴音「なら心ちゃんがお母さんだね」

 冗談交じりに言う

心美「鈴ちゃんの方がお母さんのように周りを考えて、気遣ってるよ」

 真面目な顔で優しく言う

鈴音「そうかな?ありがとう心ちゃん」

 かなり嬉しそうな顔でお礼を言う

珠美・優希「鈴ちゃんと心ちゃんは何にするのー」

 珠美と優希が、沢山ドーナツを載せたトレーを持ちながら言う

心美「おごりだからってあんなに沢山・・・」

 呆れ顔で鈴音の顔を見る

鈴音「お土産で持って帰って皆で食べてもらえそうだから大丈夫だよ」

 皆が嬉しそうなのがとても嬉しい鈴音

鈴音「心ちゃんも選びに行こうか」

 心美の手を引いて珠美と優希のもとに行く


心美「ドーナツだけで一時間※①だったぞ・・・」

 驚きを隠せない顔で言う

鈴音「買いすぎちゃったね」苦笑いをしながら言う

珠美「大富豪・・・」

優希「確かに、毎日のお小遣い※②の3倍だからな・・・」

 ここぞとばかりに苦手な算数を得意げに言って見せる

心美「君たちがたくさん買ったからだろ」

 申し訳無さそうに鈴音を見る

鈴音「人数が多いと仕方ないよ」

心美「まあ、確かにそうだけど」

 ため息をつく

優希「ため息つくとドーナツ美味しくなくなるぞー」

 恐る恐る冗談を言う

心美「たしかに・・・あ! 鈴ちゃん!飲み物は奢らせて!」

優希「私も払うよ」

珠美「タマもー」

鈴音「みんなありがとう、お願いするね」

 いつも元気で優しい皆を見て嬉しく少し涙目になる

珠美「鈴ちゃんの兄弟達には飲み物何が良いかな?」

 スキップしながら考える

心美「凛華ちゃんって飲めないものある?」

鈴音「炭酸飲料やカフェインの入ってるもの以外なら大丈夫だよ」

優希「なら、りんごジュースだな!」

 これだと言わんばかりの顔で言う

鈴音「そうだね・・・りんごジュースと、いちごミルクをお願いしていい?」

 手を合わせて笑顔で聞く

珠美「任せなさい!」

 胸を張り、胸に拳を当て言う

優希「買ってくるから鈴ちゃんは待っててね」

 手を振りながら走っていく


 



※①1時間は3600円

※②高校生まで政府からお小遣いをもらえる

3才〜小学生未満=2分(120円)

小学一年〜三年生=4分(240円)

四年〜六年生=6分(360円)

中学生=10分(600円) 

高校生=20分(1200円)

帰宅


鈴音「ただいま」

 いつもどうりに優しく言う

珠美・優希「ただいまー!」

 鈴音につられて言ってしまう二人

心美「お邪魔しますだろ・・・」

 呆れた顔で言う

珠美「つられちゃった」

 照れ笑いしながら言う

鈴音「お家のようにくつろいでね」

 にこやかな顔で言う

凛華「たまたん(タマちゃん)たちだー」

 リビングから走ってくる

優真「いらっしゃい上がって」

 蓮兎を抱っこしたまま来る

優真「飲み物何にする?」

 聞きながらリビングの冷蔵庫にへ行こうとする

珠美「買ってきましたー!」

 ジュースの袋を掲げながら誇らしげになる

蓮兎「ジュース・・・」

 目をこすりながら言う

心美「蓮くんお熱下がったかな?」

 蓮兎のおでこを触る

蓮兎「さがったよー」

 満面の笑みになる

珠美「ジュースはいちごにする?りんごにする?」

 ニコニコしながら聞く

蓮兎「りんごー!!」

 両手を上げバンザイして喜ぶ

凛華「たまたんこっち」

 珠美の手をひっぱりリビングに行く

珠美「みんなも行こー」

 いつものようにリビングに行く

蓮兎「これたまちゃん、これここちゃん、これゆうちゃん…」

 ケーキを並べながら名前を呼ぶ

優希「ケーキ食べていいの?」

 ニコニコしながら聞く

蓮兎「うん!たべて!」

 笑顔で返す

凛華「れんにーにがたべるのは?」

 少し悲しそうに聞く

優希「ドーナツがあります!」

 ドーナツを掲げながら言う

優真「凛ちゃんよかったね」

 蓮兎を椅子に座らせながら、凛華の頭を撫でる

凛華「ゆうにーにのもある?」

 期待満々で優希の目を見つめる


仲継なかつぎ 真也しんや18歳 10月21日生

優真と仲良くなりたいが、上手く行かなくて嘘の噂を広げてしまい逆に嫌われてしまう

本心は誰にでも優しい素敵な青年


優希「皆の分あるよ」

 優しい声で答える


 電話がなり優真が出る

優真「ちょっと出かける」

 真剣な目で鈴音を見る

鈴音「うん、だったらドーナツ持っていって」

 どこに行くか分かってドーナツをもたせる


 チャイムを鳴らすとゆっくりドアが開く

仲継真也「紬木…笑いに来たのか?…」

 精神的に疲れたのか目が虚ろになってる

優真「ちがうよ不起訴になって帰ってきたって聞いて、少しでも元気だしてほしいから来たんだよ」

 道中に買ったコーヒーを顔に突きつける

真也「ありがとう…あがりなよ」

 涙目で招く

優真「そうさせてもらうよ、お邪魔します」

 真也が少し元気出したのを見て笑顔になる


 リビングに付き優真が心配そうに切り出す

優真「仲継はご飯食べたのか?」

真也「帰ってきてからは何も・・・」

 少し悲しそうな表情で答える

優真「食材借りるぞ」

 体調の優れない顔をしてる優真を見るのが辛く、玉子がゆを作ることにした

優真「玉子がゆなら食べられそうか?」

真也「うん、それなら食べられそう」

優真「真也はたまごすきだからね」

 ニヤニヤと笑みを浮かべながら言う

真也「え?なんでわかるんだ?」

 いつも優真を虐めていたのになぜ好みを知ってるのか、そこまで優しくするのか不思議そうな顔をする

優真「サンドイッチはいつも玉子だったからね、あと・・・目が何となく凛華に似てるから優しくしたくなるんだよ」

真也「凛華ちゃんは2才だろ!俺は赤ちゃんか!」

 ふたりとも大きな声で笑いながら冗談を言い合いふざけ合う

ピピピピ!と優真の端末が鳴る

優真「お!噂をすれば」

 優真は真也に聞こえるようスピーカーにして電話に出る

凛華「ゆうにーに!なかなおりちた!?」

 大きな声で聴く凛華と、声に驚く真也

優真、真也「仲直りしたよ」

 同時に言ったのに少し驚いてふたりとも笑みを浮かべる

凛華「きょうはカレーだよー!」

珠美「だよー」

 ガヤガヤしてる中で珠美が心美に今日はもう帰ることを言われ帰っていく音がする

優真「今日は食べにおいでよ」

凛華「おいでよーー!」

真也「うん、食べに行くよ」

 照れながら言う

 電話を切りおかゆを出しながら話を切り出す

優真「捕まったのはあの動画が原因ではないんだろ?」

真也「ああ、あの動画を撒き散らしたソフトが反政府軍が使ってるのと同じので 俺が反政府軍との繋がりがあるのかとか、本当は撒いたのが俺だとかずっと聞かれた…」

 優真は日暮さんの事を思い出したがその事は言わず、真也が悪くないことに安心した顔になる

真也「あのさ…意地悪しててこんな事言うの変だと思うけど、だいぶ前に優真の姉弟へプレゼントを用意してたんだよ…」

 嫌味を言われると思い顔をしかめる

優真「おー、ありがとう!」

 にこやかな笑顔で話を続ける

優真「意地悪してたことはもうおしまい!今日から友達だからな!あと、学校を中退したのは仕事の時間増やしたいからだから気にしないでよ」

 涙目になった真也を見て一緒に涙目になる

優真「それじゃ、カレー食べに行きますか」

真也「ああ、お邪魔するよ」

 笑顔でお椀のおかゆを食べながる

帰宅


優真「ただいま」

真也「お邪魔します」

 帰った瞬間走ってくる音がする

凛華「なかなおりのあくす(握手)ちたー!?」

優真「握手はしてないな」

真也「だな」真也は手を優真に差し出しながら言う

優真「これで仲良しだね」

 真也の手を取り少し強めに握りしめる

凛華「なかよちー!」

 大喜びの凛華と笑顔になる優真と真也

鈴音「おかえりー!ちょっと手伝ってくれるかな!?」

 リビングから声が聞こえる

凛華、優真、真也「はーい!」

 真也も一緒に手伝いに行く

鈴音「ご飯配ってねー」

 優しくお願いをする

皆「はーい」


 配り終わり皆椅子に座る

真也「今更ですが皆さん、今回のことや・・・」

 優真を虐めてきたことを話そうとすると

優真「もう言わなくていいんだよ、仲直りしたしもう友達だからね」

凛華「なかよちー」蓮兎「なかよしー」

優真「真也、プレゼントがあるって言ってなかたっけ?」

真也「そうだった、はい」

 真也は端末を操作して、優真の妹弟にプログラムを送る

凛華「おえかきのだー」

将矢「勉強プログラムとゲームだ」

凛華「私は、勉強とお化粧トレーニングだよ」

蓮兎「もじかくのと、まおうたおすのだ!」

優真「こんなにいいのか?」

真也「大丈夫だよ、プログラマーの両親が作ってくれたものだから」

優真「鈴音はいつも香水をつけておしゃれしてるからちょうどいいね」

鈴音「色々とありがとうございます」

優真「遊ぶ前にいただきますしようか」

皆「いただきます!」


凛華「にーにおなまえは?」

 唐揚げを頬張りつつ真也に聞く

真也「仲継なかつぎ 真也しんやだよ」

凛華「しんにーに!」

 ニコニコしながら呼ぶ

蓮兎「パパとママはどこにいるの?」

真也「海外でプログラムの仕事してるんだよ」

 にこやかな笑顔で答える

蓮兎「がいこくー」

凛華「しんにーにむりしないでね」

真也「うん!ありがとう」


食事後


真也「お腹いっぱいだ」

凛華「たくさんたべたねー」

真也「うん!とっても美味しかった、ありがとう」

優真「元気になってよかったよ」

凛華「食器洗うの手伝ってくれてありがとうございます」

 優しい声でお礼を言ってると

蓮兎「ゆうにーに…だっこ…」

優真「お眠かな?おいで」

 眠そうな声の蓮兎を抱っこして寝かしつける優真

真也「それじゃそろそろ帰るかえるね、お邪魔しました」

優真「今日もありがとな」

真也「こちらこそありがとう、お見送りは玄関までだけどごめんな」

真也「大丈夫だよ、ありがとう」

凛華「しんにーにまたきてね」

 眠そうな顔で真也の手を握りながら言う

真也「また来るね、おやすみ凛華ちゃん」

 かがんで凛華の頭を撫でる

真也「皆さんもおやすみなさい」

「あと、ドーナツは夜食に食べますね」

優真・鈴音・将矢「おやすみなさい」

将矢「いい人だったね」

 眠そうな凛華を抱っこしながら言う

優真「いつも意地悪してるようで、ずっと気にかけてくれてたからね」

 ぐずってる蓮兎をあやしながらリビングに戻る

鈴音「一番気にかけてたのはお兄ちゃんだと思うな」

 クスッ笑う

優真「蓮兎を寝かしつけてくるよ」

将矢「蓮兎が寝付いたら今日も、凛華を寝かしつけてくれる?」

 蓮兎がだっこしてもらってることが羨ましくて少しムッとする凛華を見ながらお願いする

優真「うん、わかったよ」

 そっと蓮兎の部屋に行く

鈴音「お兄ちゃんは人気者だね」

将矢「お兄ちゃんは優しいからね」

凛華「ゆうにーにやさしい・・・」

 眠そうな声で甘えるように言う

将矢「優にーにが来るまでお部屋で待ってようか」

凛華「うん・・・」

鈴音「凛ちゃんおやすみ」

 眠いけど優真が来るまで寝たくない表情の凛華に言う

凛華「鈴ねーねおやすみ…」




将矢「優にーにまだかな?」

凛華「まだかな…」

 眠そうに目をショボショボしながら待つとコンコンコンと優しいノックとともに優真が来る

優真「寝ちゃったかな?」

凛華「おきてる」

 眠そうに答える

将矢「あとはおねがい」

優真「うん、将矢ありがとね おやすみ」

将矢「優兄ちゃん、凛ちゃんおやすみ」

凛華「しょうにーにおやすみ」

 眠いのと甘えたいので優真に抱きつく凛華

優真「お眠になったね、絵本読もっか」

凛華「きょうは、おはなしがいい」

優真「おななしかー」

 優真はふと母親と父親のことを思い出し不意に話し始める

優真「むか~しむかし優しいお兄さんと、お姉さんと、可愛い弟、妹がいました」

凛華「おじいちゃんとおばあちゃんじゃないの?」

 困ったように頭をかしげる

優真「このお話はね・・・お兄ちゃんが作ったお話だよ」

 本当の事を言いかけて、嘘をいう優真

凛華「ゆうにーにがつくっかおはなしききたい」

優真「お兄さんと姉さんは家族皆で楽しく暮らしてましたが、事故で母さんとお父さんが事故で居なくなり・・・」

凛華「ゆうにーにかなしい?」

 泣きかけてる優真に問いかける

優真「大丈夫だよ、違うお話しいようか」

凛華「うん!」

優真「むかーしむかしーー」



鈴音「凛ちゃん寝たかな?」

 こっそり鈴音が様子を見に来る

優真「スヤスヤ寝てるよ」

 優しく答える

鈴音「優にーちゃんもちゃんと寝るんだよ」

優真「鈴音も寝るんだよ」

 二人共部屋を出て寝室に行く


 翌朝


優真「鈴音おはよう、寝れなかったのか?」

 凛華をあやしながら、少し寝ぼけ顔の鈴音に優しく言う

鈴音「少し思い出してね・・・」

優真「二年前の事だね」

鈴音「お兄ちゃんはどう思う?」

 かなりさみし気に問いかける、というより知ってる現実を否定したい思いが強い

優真「きっとどこかで生きているよ・・・いや、絶対に」

 希望ではなく、どこかしら根拠があるような優真

鈴音「絶対また会えるよね・・・」

優真「ああ・・・」

 ふと時計を見る鈴音

鈴音「お兄ちゃんもうすぐ仕事に行く時間だね」

優真「・・・・・・・」

鈴音「優兄ちゃん?」

 何か思い更けてる優真に問いかける

優真「鈴音達は何時間持てるんだっけ?」

 不意に不思議な質問をする

鈴音「24時間たす100時間と配布とお小遣いは別計算だから・・・私は最大124時間と20分だね?」

 なぜこの質問をしたのか疑問に思いながらも答える

優真「特に深い意味はないんだ ただ、聞いとかなければってなんとなく思ってね・・・遅刻したくないから行ってくるね」

鈴音「行ってらっしゃい」


日暮

紬木優真と同僚でいつも優真をからかいながらも、優真のためを思い行動する

その訳は、優真が小さい時に優真の両親から頼まれたからだ


職場


工場長「紬木君後で話があるから会議室に来てくれ」

優真「分かりました」

 いつもの何気ない顔で言われたので、何の話か見当もつかないと考えていると

日暮「工場長から直々にお話か、優真も昇格の時期か?」

 ふざけ半分で優真に言ってみるが

優真「何かまったく違う事な気がします」

 ふと端末を開き貯蓄時間を見る

優真(8000時間※①は超えている・・・不意に妹弟へ5分経つと100時間ずつ送られるようにする)

 考え込ませたと思い話を切り替える日暮

日暮「変装データ※②買ったんだよ、どうだ?欲しくないか?」

優真「いりません、どうせろくなことに使わないんでしょ?」

 くすっと笑いながら答えていると急に日暮が話を切り替える

日暮「本当に昇格とかの話じゃなさそうだな」

 工場内に入ってくる政府関係者を見て優真も頷く

優真「日暮さん今日は場所変えてください」

日暮「さん・・・ああ分かった、気をつけろよ」

 日暮が場所を変えて5分ぐらいで工場長が来た

工場長「紬木君来てくれ」優真は工場長に呼ばれ会議室に向かった


会議室

工場長「見てわかると思うが、政府直属の方だ」

政府関係者「紬木さんと二人で話をさせてくれませんか」

 強い口調で言われた工場長はすぐに会議室から出て行った

政府関係者「なぜ私が来たかお分かりですか?」

優真「いえ、分かりません」

 今にもお互いに殴り合いそうな口調で二人が話しているとドアの外で物音がした

政府関係者「誰か盗み聞きですかね・・・」

 扉を開けると掃除ロボットがうろうろしていた

政府関係者「またここも故障ですか・・・」扉を閉め話を続ける

政府関係者「紬木さん、貴方がこの端末製造工場に勤めてから何度も起きてることですよ」

紬木「何のことだかまったく見当もつきません」

 紬木は日暮が違法行動をとってることを思い出すが、全部守るためにしているので口には出さなかった

政府関係者「違法プログラムの中でも反政府軍と繋がりのあるものばかりでした・・・」

政府関係者「仲間または、犯人を言わないみたいですね、分かりました・・・・貴方を反逆罪として処分する方面で進めさせていただきます」

 紬木は黙ったまま端末を差し出す

政府関係者「物分かりは良いようですね」

 政府関係者は端末にプラグを差し込み操作してから返し説明を続けた

政府関係者「貴方の端末からアップデートプログラムと貯時間を没収させていただきましたあと、もう家に帰っても良いですよ まあもう来ることはありませんが」

 悪い予感が当たったと感じつつ、自分への怒りを抑えつつ帰宅した


※①8000時間は2880万

※②体の見た目を別物にするプログラム

帰宅道


優真(日暮さんって反乱軍と繋がりがあるのかな・・・)

 悩んでる所に真也がやってくる

真也「紬木昨日はありがとうな」

 悩んでる真也を見て更に話す

真也「何かあったのか?俺で良かったら話を聞かせてくれよ」

 優真は何があったか全て言った

真也「反政府軍が違法プログラムを作ってるのは聞いたことあるけど、実際に売るとなると直接会うか、一回使用して端末に害がないと証明されてからネットで中古販売になるな・・・」

 真也と優真は後者のネット販売で買った線で考える

優真「中古販売なら少なくとも名刺を同封しなきゃならなかったよね」

 蓮兎が買った時に名刺が入ってるのを思い出す

真也「反政府軍なら本当の住所書くかな・・・それに本当だったとして、そこに行くのはかなり危険かと」

 悩ましい顔でどうしたらいいか考える

優真「日暮さんと出会ったのは、今の仕事をする前でその時から中古プログラム買ってたし、反逆行為をするような人でもないし・・・」

真也「そうなると・・・その日暮さんは利用されてるのかもな」

 二人共悩み考えてると不意に真也が王冠型のバッジを差し出す

真也「紡木家分あるよ」

 優真が何なのか聞こうとすると

真也「おれがプログラムを作りたくないって両親に反発した時に、自作したやつだよまあ、気休めだけど持っててよ」

優真「ありがとう」

 優真はお礼を言いつつ端末ケースにバッジを取り付けていると日暮が来てることに気がつく

優真「日暮さん、日暮さんは大丈夫だったんですか?」

日暮「ああ、俺はなんともなかったんだが・・・その子は?」

 真也に目を向ける

真也「紡木の元同級生で仲継真也といいます」

 日暮は動画のことを思い出したが顔にも出さず続けて言う

日暮「状況はわかってるようだから君にも言っておこう」

 真剣な顔で話し始める「あの職場に紡木が来るだいぶ前・・・まだ、ご両親が元気な時に頼まれたんだよ、子どもたちを頼むって・・・」

「それでな、完全なホワイトな状態では守れないことはわかっていたから、グレーゾーンのプログラムを付かていて、値段と使用回数・・・まあこれは俺の時間事情だな、中古を買うことにしたんだ そしたら紡木があの職場にくる少し前から・・ある中古プログラム販売店に声をかけてもらった、それをしようしてたら・・・まあこのざまだ」

 申し訳無さで肩から崩れ落ちそうな日暮に優真が支えつつ質問する

優真「購入した時に名刺は入ってましたか?」

 道の端まで連れて行ってもらい座り込み、胸のポケットから名刺を出した

日暮「名刺はこの一枚だけだ、他は特殊な液がかけられてて箱からデータチップとを取り出す際に灰になったよ」

真也「これは燃えなかったんですか?」

 かなり不思議な顔で質問する

日暮「開封時にしっとり?ぬれてた感じだったから多分そのお陰で燃えなかったんだと」

優真「それ貰って良いですか?」

 日暮はそう来るだろうという顔をしつつ名刺を渡した

日暮「もう一つ渡すものがある」

 日暮はポケットからデータチップを取り出し優真に渡した

優真「これは?」

日暮「工場長と政府関係者の会話データだ、暗号化された会話だったから一部分しか分からないが見てくれ」

{これから・・・・・機密情報だ、われられが調べてる反政府軍に直接繋がる・・・無いか ら紡木とやらを利用し、反政府軍の持っている・・・・・・・・・・回収したい

 もし失敗しても・・・・・・抹消するのでご安心を}

真也・優真「回収・・・抹消・・・」

日暮「解読でいてないとこが多いが、反政府軍が持っているなにかを回収しなかったら・・・であってそうだな」

 三人とも少しの間沈黙する

優真「俺が接触できないかやってみます!真也、日暮さん手伝ってくれますか?」

日暮・真也「ああ任せてくれ」

 間髪入れずに二人共が言う

日暮「今日は家に帰ったほうが良さそうだな」

 周りを警戒する日暮

優真「なにか進展があったらお知らせします」

真也「俺も何か分かったら知らせるよ」



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