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オタクは異世界を満喫中!  作者: モピモピン
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このオタク転生につき

ゆっくりとのんびりと更新していきたいと思います。

 ある日を境に水上海人の魂は地球から異世界へ旅立った。


 まずはその経緯から話そう。


 僕は普通に生活しているオタクの高校生だ。父の直久と母の道枝そして妹の結衣の4人家族だ。父は普通のサラリーマンとして働きながらプラモデルを趣味でよく作っている。母は専業主婦で綺麗好きだ。そして、今日は趣味の編み物に熱心だ。妹は、最近中学生になり友達とよく遊ぶようになった。何てない普通の家庭に自分の趣味を自由に謳歌する生活。

 今日は結衣が買い物をするらしく僕は体の良い荷物持ちだそうだ。


「お兄ちゃーん。これ、お願いね☆」

「はいはい…」


 家でストレッチをするのが習慣だから多少の筋肉はある。荷物運搬をしつつ腕の筋肉を鍛えるのは理にかなっているように見える。うん…これが快く引き受けた時の思いだ。


「妹よ。」

「何?どうかしたの?」

「兄は今機嫌が悪い。どうしてかわかるだろうか?」

「うーん…どうしてだろ?」


と言ってとぼけた顔をしながら頬に手を置く。


(どうしよう。今、この子を叩きたい。このとぼけた感じの顔に一回喝を入れたい。)


「兄の漫画を取り上げた挙句に開幕早々『おにーちゃーん!買い物いこ?』だよ?流石にゆったりとした時間を取られたからお兄ちゃんちょっとおこだよ?」


そして一度断った時にはのしかかりを喰らう始末。ちなみに選択肢はこんな感じ


『妹が買い物に行きたがっているようだ。どうする?

選択肢1 一緒について行く

選択肢2 ついて行かねばならない

選択肢3 一度断って攻撃された挙句について行く』


どのみち『行く』という選択肢しかなかったようだ。


「お兄ちゃん……それキモい…」

「泣くぞテメェ!」


(うん、正直に言うと自分でもキモいと思う。)


と少し涙をこぼしながら泣く演技をする。


「俺は泣く演技ならアカデミー賞級かもしれないわ」

「それはないよ」


と言いながら演技をやめて立ち直る。自画自賛もいいところだ。どちらかというと大根役者な方で、いつも木の役や岩の役といったセリフすら無い役をいつもやっている。


うん…実に悲しい( ; ; )。


なんでない普通の生活ですら楽しく思う俺は、この世界でありふれた『モブA』よりも価値の低い『モブM』辺りがお似合いなのだろう。


(モブMって…登場すら怪しい立ち位置じゃねえか!)


そんな日だった。


○●


 買い物という名前をした強制外出が終わり、家に帰ろうと駅へ向かった。


「おにぃちゃん!あれあれ!」

「むふふ…ど、どうしたのかな?」


 少し気持ち悪く言った。そうすると結衣は速攻で電話を取り画面をいじる。


「よし、今のキモいから録音する。もう一回言って?」

「おいおい!!マイシスター!?」

「はーい。もういっかいおねがーい♪」

「頼みます…勘弁して……あ、あそこのアイス奢るのでどうか!」


 流石の兄でもやばいと思ったのだろう。別の方に興味を寄せる。


「じゃぁ仕方ないね。買ってきて〜」

「ははぁ…すぐに買ってまいまする」


 そう言ってベンチに腰を掛けて荷物を見張っているように妹に頼む。


(おかしい…頼んだ荷物に俺のものが一切ねぇんだが?)


 全て妹の買ったもので10数kgしているものをベンチに置き、アイスクリームの店に向かう。少し人が混み始めたので急いで向かった。


その時だった。


 前からフードの被った人がこちらに近づく。ちょうど進路方向に居るが、急いでいるため体が当たらないように傾ける。


(あの人…こっちに近づいてないか?)


 正面を向いて歩いていない。まるで、俺自身に何かあるように近づく。どんどんその距離は縮まる。そして、至近距離に近づいたフードの人はこちらを見る。


(こと女の子……見ているだけ?)


 その瞬間に血相が赤くなり弱い声でこう言った。


「歩きノッポの芸術品 走るノッポの欠陥品 さぁさぁ止まれ!止まれ!止まれ!」


 一瞬自分が何を言われているのか、何をされているのかを理解できなかった。


 腹部に何かしらの痛みを感じる。女の子は手を何かを握りながら手を上げる。


 彼女が握りしめていたもの…それは、20センチの刃物だった。それは、先端から10センチまでが赤く染まっている。


 それを見た俺は何をされたか理解した。


(刺された!?この女の子に今!俺はナイフで刺された!?)


 理解した瞬間に腹部から激痛が走る。


「い"っ"て"ぇ"え"!!」


 その大声で周りは俺の腹部の傷に気付き、阿鼻叫喚する。


「おい!刺されてる!誰か救急車を!」

「今すぐあの女を押さえつけろ!」

「いやぁあああ!」


 俺は痛みに立っていられず、横になる。

 しかし、女はそれを観ながら喜び、嬉しそうに話す。


「綺麗な芸術を邪魔した結果よ!この瞬間!更なる美しさが引き立つわ!ギャハハハ!」


(何を言ってやがる…頭がいかれてんのか!?)


 彼女が手を広げてナイフを落とした時に、ガタイのいい男が彼女の腕を後ろに回して拘束した。


「何だコイツ!?いかれてんのか!?」


(うん、俺もおっちゃんと同じい……)


 少しずつ意識が遠のいていく。そして、俺の元に近づいた。その姿は涙に汚れて顔もぐちゃぐちゃになって今にも崩れそうだ。


「お兄ちゃん!死なないで!死なないでよ!!」


(にぃちゃんも死にたくないよ……)


「あ…あぁ……ゆ…い?」

「お、お兄ちゃん!?」


 俺の発言に慌てふためく。情緒が不安定であり、少し上擦った声になっている。


「なに!?わたしがどうかしたの!?」

「…み、ん…な?によろ……く……な…さ……の…いう……と……」

「みんなによろしくってどういうこと!?お兄ちゃん!!お兄ちゃん!!!」


 ここで命が燃え尽きた。腕すら上がらない。


(俺の人生も…もう終わったのか……)


 全てが暗くなっていき、眠たくなってしまった。


(せめて…みんなが俺のことを忘れてくれ…)


 俺に対して、悲しんでいる妹よりも、笑って生活して欲しい俺の我儘を…どうか叶えてくれ……

読んでいただきありがとうございました!

皆様が一度手に取って頂けるだけで執筆の励みになります!

1話1話頑張って書きます

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