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⑲感覚と感情の波、言葉(音)の波、感覚の芽
人は何か刺激を受ける時、微量な感覚の波を受け取るわ。それは、いくらかは、身体の感覚として小さな心地よさや不快に留まるのかもしれない。たとえば、指先で物を持つとき、指で何かに触れる時、微量に感じる指先の感覚。
そこからずっと発展して、心を刺激されたとき、感情の波は、豊かにぶわっと波打つの。
……動物は、鳴き声(音程)で意思疎通をするけれど、人は(声)言葉(音)で、意志疎通をするわ。音が交わる時、感情が生まれる。動物や人は対面して音を交わして初めて、コミュニケーションをとっていた頃、音が交わる時でしか感情の波はあまり起こらなかったのではないかって、私は想像するの。
もしかしたら、言葉を人が発明するのは、音楽が生まれた時よりもずっとずっと後なのかもしれないけれど、……どちらにせよ、私は想像するの。人は動物であった時から、音を発することは感情の波をつくる大きな手段だった、って。