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0話

 このような無様な姿で

 お目にかかることになりまして申し訳ありません

 わたくしはご覧の通り

 壊れかけの自動人形でございます


 あなたのような真っ当な方の前に

 姿を晒すのはまこと恥ずかしい限りですが

 もう動くだけの燃料が残っていないのです

 お目汚しでしょうが

 ここは見なかったものとして

 どうぞお捨ておきください


 ――――ああ、そのような顔をなさる必要はございません


 わたくしがこうなりましたのは

 故あってのこと

 本懐を遂げ

 結果にも満足しております


 ただ残念なことに

 自らの始末をするだけの

 余力が残らなかっただけのこと


 ――――本当に、お優しい方だ


 もしあなた様が

 わたくしにほんのひとかけらの

 哀れみをくださるというならば

 どうか廃棄物処理場へと運んでほしいのです

 ちょうどそこを目指していたところでした


 わたくしのすべてを焼き尽くす炎に

 形など、残らぬように

 燃やしてもらえればと願っていました


 もうこの形はいらぬのです


 この声もいらぬのです


 わたくしもあの赤い火に溶け

 再び無垢なるものとなる

 そのような夢を

 見たいだけなのです

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