5 夢について
皆さんには昔、叶えた夢があったでしょうか。僕には確かにありました。それはそれは壮大な夢でした。僕って医者になりたかったんですよね。でも残念ながらなれませんでした。なれるはずもありませんでした。やっぱり医学部受験ってのは、本当に大変なもんだなぁ。
人間の夢というものはいつしか朽ち果ててしまうものです。それでも、夢を叶えるためにがむしゃらになるという事はとても大事なことなのではないかと思っています。僕がまさに、昔そういう少年でした。やはり夢を叶えるという事は、本来ありえないはずのことを実現させるということなのです。それはそれは大変なことです。本来あるはずの金を作り上げようとする、いわば錬金術みたいなものではないでしょうか。
夢を追いかける事は誰もが望んでいることです。でもいつしかやがて、本当の現実を見ることによって、1人の社会人としてこの社会に出ていかなければならないのでしょう。社会に出るということ、それはすなわち、自分が昔を叶えようと思っていた夢をあきらめるということです。おとぎ話の世界は自分の空想の中に留めておくべきなのだという、そういう分別がつくということです。
しかしこれは決して悲観的な話では無いのです。自分の人生の中において何かしらの夢を見いだすことによって、ハッピ ホルモンが分泌されるのです。特にとてもすがすがしい空想をすることによってそれは分泌されて、やがては自分の中に蓄積されていくようです。そしてそれが、小説を書く原動力になっていくそうです。
何かを生み出すためには、自分自身が愉快な存在でなければならないと思っています。特に遊ぶと言うことに対しては、誰から見ても一人前でなければならないと思っています。作家という職業の人間は、遊びを極めた人間だと言われていますからね。作家になるということは、昔自分が実現させることができなかった夢を、小説の世界の中で実現させることができるということではないでしょうか。
あなたが書く人間であれば、あなたには無限の可能性があるのですよ。




