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プロローグ『アルバラの御伽噺』
プロローグ『アルバラの御伽噺』
物語の始まりは、はるか昔。
ある女神が空の楽園から遥か地上へと落ちて来ました。
その頃のアルバラは
作物が育たない不毛の土地で
人々は貧しく暮らす場所でした。
しかし地上の人々は心優しく女神を助け
人々の優しさに、感謝した女神は
その報いとして
彼らに豊穣の土地と恵みの水を与えました。
そしていく年が経ち
女神と人間の間に娘が生まれた時には
女神は楽園への帰り道を見失い
人間になっていました。
女神が寿命を迎え、このアルバラの地からいなくなっても
女神の血を引く娘たちが
アルバラを守護する象徴となりました。
幾百年過ぎたある時。
女子しか産まれない、女神の一族の掟を破るように
男子が生まれます。
彼は、歴代の巫女に勝る魔法の才を有していました。
なのに…
彼は魔法を悪事へと使ってしまいます。
彼の手によって
人間も
エルフも
巨人も
獣人も
ドワーフも
鬼も
たくさんの命が亡くなりました。
そして彼はこう呼ばれるようになりました。
「災厄の魔道士」と。
そしてその時の巫女は、封印の魔法で災厄の魔道士を封印しました。
自らの命と引き換えに。