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ぼくとダメ姉とたまに◯◯な人たち

冬季五輪はクズ姉を更にクズにする(その2)

作者: うさぎもち

姉の一番好きなスケート選手がオリンピックで金メダルをとった。

嬉しさのあまり涙を浮かべる姉の姿に、これでやっとクズ生活強化キャンペーンが終了するのかと一安心した。



今回も前日と同様のスタンスでフィギュア観戦を満喫している姉をぼくは朝から放置しておいた。昨日のやり取りで無駄に疲れたのだ。

心の平穏を選び静観を決めこむまでは良かった。姉の朝と昼の食事がカップ麺とスナック菓子という暴挙を許す結果に繋がらなければ、ぼくの神経は昨日よりも削られなかっただろう。

アホな姉は食事が用意されてなければ、3食がプリンでも幸せを感じる奴だ。以前、喧嘩してぼくが家事を放棄したときも、ストックしておいた缶詰めとカップ麺を嬉しそうに消費していた。

手作り料理よりもレトルトやジャンクフードが好きな姉には飯抜きはご褒美なのだ。その事実を思い出し、姉を自由にさせた自分を責めた。




「これで姉さんのオリンピック日和も終了だな」

たった2日だったけど、これ以上クズ度の増した姉と過ごさなくてもいいと思うと、心の底から普段のダメ姉が愛しく感じる。

これで日常が戻ってくる。ほっとしたのは束の間だった。

「敬介は馬鹿なの? 今日終了したのは男子のシングルよ。私、女子のシングルも観るからね」

「冗談だろ!? 」

姉の爆弾発言により、ぼくの心の安らぎは一瞬にして消え去った。

「敬介は学校に行ったり、出かけていたから知らないみたいだけど、団体戦もリアタイで観てたからね」

「ずっと? 」

「当然よ。メダル獲得なるならない関係なしにフィギュアスケートは全部観るわよ」

「どんだけだよ‼ 」

姉さんはしらっと言ってるけど、ぼくの目が行き届かないところで、このぐ~たら生活を過ごしていたと聞き、頭が痛くなった。

更にこのパワーアップしたクズが 、あと2回は確実に家のなかに存在すると想像しただけで嫌気がさしてくる。

誰か本気でこのアホ姉を雪のなかに投げ飛ばしてくれないかな。

四年に一度の祭典を今日ほど疎ましく思ったことはない。

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