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The next dream  作者: 夢見月
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エピローグ

前回より少し間があきましたが、エピローグですのでそんなに文章量は多くありません。

なんだか、最近文章が固くなりがちです……。

説明臭くなってしまうのですよね。ゆるふわ日常系を書くには向いていないようです……。

うーん、今度地の文もですます調で書いてみようかな?

 日常という言葉には人によって様々な解釈があるのだと思う。

 みなそれぞれの日常の中で生きているのだろうが、僕のここ数日は日常とはすこし離れていた。

 だが、そんな非日常も終わりを迎え、今日も再び学校へ行く。


***


 いつも通り教室へ行き、いつも通り授業を受け、いつも通り放課後になり、いつも通り図書室へ…………。

「夢見月さん!」

 入れなかった。

 図書室の扉に手をかけた時、呼ばれ慣れない名で背後から呼ばれた。

 僕のその名を知っている人はほとんどおらず、ましてや「夢見月」の顔を知っている人は一人もいないはずだ。

 人違いだと思いたいが、そんな名前の人がいるとは聞いたことが無い。

 周囲の注目を集めてしまっているので、とりあえず自分の名を呼んだその女の子を手招きし、図書室へ入る。

 放課後になってすぐなので、まだ図書室には生徒の姿は無かったが、一応入口からは見えない奥の本棚の裏まで行く。

「えーと、どちら様?」

 制服のリボンの色から二年生であることは分かるが、僕には仲の良い下級生、ましてや異性の友達に心当たりは無い。

「私です!」

 うーん、いまいち要領を得ない会話になっている。

「名前は?」

「あ、そういえば自己紹介してなかったですね。私、田代たしろ あい といいます」

「…………ごめん、全く記憶にない」

「え~……昨日まで一緒にいたじゃないですかっ!」

 一緒にいた、と言われても。そもそも、女の子を自分の部屋に招いたことは今までに一度も無いはずだ。

 昨日はずっと部屋から出ずに、謎猫さんと一緒にいたのだから、目の前の女の子と会うことは不可能…………。

 いや、まてよ。黒髪ストレートで肩に掛からない程度のミディアムヘアーには見覚えがある。

「もしかして……謎猫さん?」

「はい♪」

「いや、普通分からないですよこれは……」

「私はすぐに分かりましたよ?」

「謎猫さんは僕のそのままの姿を見ていますけど、僕はその姿の謎猫さんとは初対面なんですから……」

 なんでも、金曜日に僕が着ていた制服から同じ高校だと分かり、朝から僕のことを探していたらしい。

「それにしても謎猫さん、同じ高校だったんですね」

「あの~、学校でペンネームを呼ばれるとなんだか恥ずかしいですね……」

「さっき廊下で大声で人のペンネーム叫んだのは誰でしたっけ?」

「にゃぅぅ……ごめんなさい。あ、あとっ! 夢見月さんの方が先輩なので敬語じゃなくて良いのですよ? あ、また言っちゃった……。お名前なんと言うのですか?」

「僕の名前は……月次つきなみといいます。話し方は……なおらないですね。癖みたいなものなので気にしないでください」

「月次……先輩?」

「田代さん……」

 うーん、どっちもしっくりこない。

 謎猫さんもなにか微妙な表情をしている。

「じゃぁ……藍ちゃん?」

「なんだか、むずがゆいです……。夢見、えっと、月次さん、の下のお名前はなんと言うのでしょう?」

「…………秘密です」

「秘密ですか?」

「いや、まぁ……いいんですけど…………」

「けど?」

「よく、女の子に間違われるのであえて名乗ることはないです」

 もうじき卒業を迎えるこの季節、スーツの案内等が届くのだが、僕に届くのはレディーススーツの案内がほとんどで、今朝は振袖の無料着つけのチケットまで入っていた。

「まぁ、無理にとは言いませんけど……呼び方どうしましょう?」

「うーん、やっぱり謎猫さんは謎猫さんですね」

「やっぱりそうなりますよね~。あ、そういえば!」

「なんですか?」

「ずっと言いたかったことがあるんです♪」

 いつもメッセージのやりとりはしているが、こうして対面して言われると少し緊張する。

「えっと、いつも私の作品を読んでくださってありがとうございます♪」

「こちらこそですよ。それに、私が謎猫さんの、藍さんの作品を読むのは、単に好きなだけです」

「はにゃっ!? ふ、ふにゃぁ……」

「どうしたんですか?」

「さ、さらっと告白されたのですけどっ!?」

「いや、そういう意味じゃ…………」

「にゃぅぅ……じゃぁ、私のこと嫌いですか?」

 上目づかいで言ってくる。でも絶対分かって言ってる。

「意地悪なこと言う猫さんにはお仕置きです」

 脳天にチョップをしてみる。

「はうっ! い、痛いです……身長止まったらどうしてくれるんですかっ!」

「手乗りサイズ?」

「あんなに小さくないです!」

「そういえばネコ耳と尻尾が見えませんけど……」

「話しをそらさないでください!」

「あ、そうだ。帰りにカラオケ行きませんか?」

「無視ですかっ!?」

「嫌なら別にいいんですけど」

「い、行きますけどっ!」

 謎猫さんの背中に、バタバタと大きく左右に動く尻尾が見えた気がした。

「それじゃ、行きましょうか」

「にゃわわ……待ってくださいよ~」




 僕の日常を構成する要素が新しくひとつ増えた。

 残り少ない高校生活は楽しくなりそうだ。




 日常に現れた非日常は、いつしか日常へと変わり、その日常は消え、再び非日常へと舞い戻る。

 そして、人は新たな一歩を踏み出す。







以下、おまけです!


その一!

本作を書くに当たり、謎猫さんとのやりとりや作品の中から集めた謎猫語録です。これを用いることでなんとか謎猫さんらしくなればいいな~と思い、作成しました。

『謎猫語録』

・にゃはは~♪

・ふにゅ~ん

・にゃへへっ

・はにゃ!?

・ふにゃぁ~

・にゃぅぅ

・ふにゃぅ~

・はうっ

・にゃへっ

・ふにゅん♪

・ふにぇ?

・うにゅん♪

・にゃわっ!

・にゃわわ……


その二!

今回は細かめに設定を作ったので、作中では「淡い水色」「桜色」と表現した服のカラーコードを公開します。

カーディガン「#d6ffff」

リボンとスカート「#ffe5ff」

気になる人は検索してみてください。




実在するけど会ったことが無いひとをモデルにするのは難しかったです…………。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!


誤字脱字等ありましたらその都度修正しますので、知らせてもらえると幸いです。

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