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ゴブリン魂  作者: チャー丸
異世界7日目
97/534

13.2話(2/2挿し絵追加)



…この声はひょっとして、


振り返ると見た事ない女性が立っていた。

挿絵(By みてみん)

この人が誰だか、直感的に判断出来た。


『マイ!どうして、、。』


『青魔族を卒業する時に、何か1つお願い出来るって言ってたの覚えてる?私それで、まだ異世界に未練があって青魔族で、戻して欲しいって言ったの。

そしたら、青魔族は自殺者の集まりだから、無理だって言われ、もう1度自殺しようと、しても、青魔族にはならず地獄に行くと言われたの。

それで、赤魔族にしてくれるようにお願いしたの。

特例で了解して貰えた。

ただその代わり異世界が終わる条件をクリアしない限り辞める事は出来ないし、痛覚も通常に戻るって言われた。

でも普通に卒業するより、よかった。

だって青魔族って、卒業する時にいろんな願いを叶えてもらえるけど、異世界にいた記憶は消されちゃうの。

記憶だけ残してもらうお願いでもよかったんだけど、それじゃ悔いが残るし、このまま私だけ連絡取れないなんて、悲しいから

私にはみんなとのジュン君と異世界を捨てるなんて出来なかったよ、ジュン君。』


気がつくとマイを抱きしめていた。


『マイ会いたかった!』


『ジュン君!私も会いたかったよ』


『会いたかったけど、でもマイ、、。赤魔族なんて、、。』


『どんな、赤魔族になろうと、お金を貰おうと、あのみんなでの思い出が無くなるよりはいいよ。』


『マイ!オレはそんな、マイが大好きだ。』


言わずにはいられなかった。


愛おしくてしょうがなかった。


マイの取った行動の全てが、嬉し過ぎて、感極まり、押し殺した感情が、一気に告白という形で出て来た。


『ジュン君。嬉しい。嬉しいんだけど、言わなきゃならない事もあるの。』


マイが下を向きながら深呼吸をしていた。


『マイ?どうした?大丈夫か?』


『大丈夫、。』


マイは2〜3回深呼吸を繰り返し、口を開いた




『ジュン君、驚かないで聞いてね。

リアルの私は事故で右腕が動かないの。だから、、だから、、、嬉しいけど、、告白、、、なかった、、、ことに、、しても、、、いいよ。、』


『マイ、マイの自殺って、、。』


『私は、、、ずっと、、ピアノ、、習ってきたの、、、色々、、いい成績も、、、残したり、、したの、、ヒック、、、これからそれで、、、生活していく予定、だった、、、の。

それが、、、飲酒運転の、、、車に横断歩道上で轢かれたの、、、気がついたら、、、病院、、にいて、、、ヒック。』



『マイ!もういい。それ以上言わなくていい。』


『目が覚め、、たら、、もう、、右肩から先の感、、感覚が、、、、、、、無くて、、、、、、、私、、、私、、、、』


『もう、、いいって、マイ。』


『私には、、、ピアノ、、、しか、、、なかったから、、、、、右腕が、動かない、から、ヒック、、もうなにも無くなった、、ヒック、、そう生きてる、、、理由も、、ヒック、、、無いって思って、、、ヒック、、屋上まで、、歩いたの、、、。ヒック、、』


『マイ、、、。もう、、、わかったって、、。』


『いや、、聞いて、、ヒック、、、。私は、、1人で、、屋上の扉を、、、開けたの、、、、、、、、、、何も、、考えず、、一歩、、、ヒック、、ずつ前に、、ヒック、、、前の、、、策も、、ヒック、、、、左手で、、、、越えたの、、ヒック、、、、私弱いから、、、馬鹿だから、、ヒック、、これで、、、楽に、、、ヒック、、楽になれる、、、なれるって、、、、目を、、、目を閉じて、、、後は、、、、うわー。』


『マイーーーー。』


『だから、、、ヒック、、、。いいんだよ、、、。ジュン君、、、ヒック、、、。告白嬉し、、、かったけど、、、。なかった、、ヒック、、、なかったことに、、、ヒック、、して、ヒック、、、も。』



『それ、、でも、、大好きだ、、。ヒック』


『ヒック、、ジュン君、、、、。私は、、、右腕が、ヒック、、、動かない、、、、んだよ、、、リア、、ルだと、足手まといにしか、、、、、、、、ジュン君の、、ヒック、、迷惑、、にしかなら、、ないよ、、、、ヒック。』


『構わない、、。』


『私、、自殺、、しちゃう、、ような、、、弱い女なんだよ、、、、。』


『マイだけが、大好きだーー!

一生側にいる!一生オレがおまえを守る。異世界でも、人間界でも、、、、、ずっと側に、、側に、、側にいさせて、、、欲しい。』



『ジュン君ーーーーー。』


2人は強く抱き合った。


オレは左手だけで抱きしめられたが、それで、充分だった。


『神様、、、。私は、、ついこの前絶望しか、、見えず、、、自殺をしようと、、ヒック、、した、、人間です、、、、、、そんな私が、、ヒック、こんな、、ヒック、、こんな幸せな、、、気持ちに、、なって、、、ヒック、、いいんですか?』


マイが赤い月に問いかけていた。


…オレも言わなきゃならない。


『マイ、、、。実はオレもおまえに言わないといけ、、ない事が、、あるんだ、、、。』


オレも決意を決めて堅い口を開いた、、。

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