12.2話
【ピコン】
…ん?マイか?
登校中、携帯にはアキの表示のLINEの友達申請が来てた。
…アキねぇ。このLINEのトップ画がアキねぇなのか?
…やっぱシンもそうだったけど、プレイヤーに転生されたら、顔とか変わるんだな。
そこには、プレイヤーのアキねぇより、大分大人びた写真が貼られたアキねぇの写真が貼られていた。
29と言った言葉もこれで納得できる。
…随分と大人びた感じなんだな。
オレは申請を許可し、2人にグループラインの申請を出した。
こうやってリアルで繋がって見ると、
自殺しようとしてる人、トラウマで悩んで頭を抱えてる人、そんな人はいっぱいいるんだなと思い知らされる。
自分が悩んでいる時、
自分だけが、不幸なんじゃないか?
オレだけが毎日嫌な目にあっているんじゃないか?
そんな感覚に陥る事がよくあった。
それは、周りを見渡しても、街で、笑ってる人もたくさんいる。
幸せだらけな人もたくさんいる。
そんな街の中で下を向いて歩いているのはオレだけなんだな。
そう思ってた時が、よくあった。
でも異世界に行って知らない人やモンスターに出会い、顔もわからない相手と知り合い冒険してる間に、もしかしたら、大分救われていたのかもしれない。
だって今は、こんなに空が青い感じを見れる事が出来る。
青さを感じる余裕が出来たって事だから。
ホントに悩んだ時、
明日なんか来なければいいとよく思った。
下ばかりみて歩いていたから、地面が灰色なのがよくわかる。
捨ててあるゴミを見て、自分と同じだなオレも捨ててくれればいいのに、なんて事もよく思った。
楽しそうに笑ってる人を見て、
オレもああやって笑いたいと思った。
それが、そのうち上手く笑えない事に、苛立ち、嫉妬し、妬ましく思うようにしか見えなくなった時もあった。
それは1人で無理に笑おうと努力していただけだったのかもしれない。
異世界に行き、それは辛い事もたくさんある、
痛いくて、叫び、涙がでる事もある、
でも、辛いことばかりじゃない!
仲間といれば、リアルで顔もわからない相手でも、気持ちで繋がっていれば、
あんなに楽しいって気持ちになるし、
あんなに大笑い出来る。
そうなんだ。大笑いなんて、自分で努力してやる事じゃない!
勝手に楽しければ笑いたくなくても笑えるんだなと今の仲間に会えて思い知らされた。
そんな仲間だから、オレはあいつらを大事にしたい。
オレの為に命を投げ出すようなあいつらに何かしてあげたいといつも思うようになった。
そんな仲間だからこそ、いつか話さなきゃならない事もある!
オレがシンをいじめる側に回り、
あいつを不登校に追いやった事も色々他にもある、全て
言いたくないのは本音だ。
でもこんなオレにでもあいつら仲間は命を惜しまず体を張って守ってくれる!
そんなオレは昔こんな人間なんだと、
そんな価値の人間なんだと。
それでも友達でみんないてくれれば、嬉しいと思う限りだ。
もうオレは昔のオレじゃない!変わるんだ!
弱い者を陥れて、安堵するんじゃなく、弱い者を救い共感して行く人間に。
精神的にも!異世界でみんなを引っ張っていく人間に。
幸せに異世界を終わらせる為に。
1人ゴブリンで何もわからず、絶望の時に救われた、マイとキッドがやってきて、一緒に行ってくれると言ったあの希望の光の言葉。
どれだけ、救われた事か。
どれだけ嬉しかったか。
今は出来る事ならみんなの光になりたい。
自分で救える事があれば救いたい!
空が見る余裕がない人に手を繋ぎ一緒に空が青いと言うオレの感覚も、
今は辛いと思うそんな相手の辛い気持ちも一緒にシェアできたら、
どれだけ幸せなんだろうと思った。
そんな事をグルグル考えていたら、アッと言う間に、もう学校の校門をくぐっていた。