11.55話
カズキのマップに写った点はなんと緑だった。
青魔族が光る場合
青い星の点が、
赤魔族の場合は
赤い星の点で、そのモンスターが、光る場所が2個以上の場合、マップ上の点に数字が付く!
だから、オレの場合マップ上に赤い星の点が写り3の文字が表示される
『緑ってなんだか知ってるやついる?』
オレの問いかけにみんなが答えないって事はみんな知らないって事のようだ。
『赤と、同じで、緑のモンスターもいたりして。』
…その可能性もあるな!
マップの方向は、魔族村とアキねぇの池のちょうど真ん中あたりに近かった。
『とりあえず村の方に向かうしかない!点も同じ方向だし、ただみんな、なんだかわからないから、用心だけはしといてくれ。』
マップに、光が写ったのが今だが、
マップの点の位置が端っこにある事から考えると、うちらが歩いてきて、緑のテリトリー500m以内に入ったと考えるのが妥当だろう。
という事はうちらが来る前から、この緑の星6は表示されていた事になる!
…なんだ。星4のオレの時は光ったら、すぐプレイヤーが駆けつけて、殺られてばっかりいたのに。こいつは、光っぱなしで、誰にも殺されないのか?
…それほど強いって事か?
色々考えながら走っていると、横にマイが、並んで来た。
『そーいえば、ジュン君!わからない事で私も今思い出した事があるんだけど。』
『どーした?』
『私がこの異世界に来て、すぐ、なんだかわからない本を拾った事があるの。多分スキルか、魔法かわからないけど。』
『マイそれを覚えたりしなかったのか?』
『それが、不思議な本で表面に数字が書かれてて、なぜか本が開かないの。ジュン君!アキねぇと出会った池から村じゃなくて、左の森にかなり行った方にもう一つ池あるの知ってる?』
…どこだ?そんなのあったか?
と考えていたらピンと閃く!
『あー!わかる!そこオレが初日転生して来た時にあった池だ多分!自分の顔見て驚いたとこ。』
『フフフ。そうなんだ。そこにやたら大きい木があったのわかる?』
『あーわかるわかる!そこに頭ぶつけて、何時間か気絶してた。』
『アハハハ全く何してるのジュン君!あっ!まぁいいや、聞いて、そこの木の麓にその本埋めたから。なにの本かわからないけど、もし良かったら、使って。確か表紙に40だったか、50だったか忘れたけど数字書いてあるやつがそうだから。』
『わかった。時間があったら、取りに行ってみる。』
『なんかの役に立てればいいな。』
先頭で走っていたシン達が止まった。
「ジュン!ちょっといいかな。」
『どうした、シン!』
「これ見て!」
見せられたマップには、緑点が左に移動して行っている。
みんなが円状に集まり急遽作戦会議だ。
「どうする?左に曲がり、全員で緑の星6を追うかい?」
『どうするか?時間も少ない!このまままだ魔族村まで15分はかかる。ここから、左にそれて、緑の星6を追ったら、、スケジュール的に今日色々魔族村でやる事がカツカツになる気がしないか?だがしかし何が星6なのか、知っておきたい気もしなくはない!
みんなどうする?』
そんな時だった!
『じゃあ、オレとマイミで、追うわ!マイミ!このくらいの距離なら、マイミの聴覚で、追えるか?』
『ちょっと待って、』
マイミが耳を立てている。
『大丈夫!そんな遠くないと思う。』
『って事だリーダー!うちらは万が一死んでも明日には蘇る!プレイヤーは死んだら終わりなんだろ?じゃあ、うちらが行くしかないよな。』
『大丈夫か?キッド、マイ!』
『大丈夫だ!戦いを挑む訳じゃ無い!ちょっと緑のやつの正体みたら、引き帰すから、魔族村で待ってて、くれ。』
『わかった。くれぐれも無理すんなよ。』
カズキが、キッドに近づく!
「キッドおまえ死ぬんじゃねーぞ!」
『わかってらい!このスカし野郎!』
「誰が、スカし野郎だ、おまえの方だろ?体全部骨のスカスカ野郎!」
『帰って来たらぶっとばしてやるからな。』
「じゃあちゃんと、生きてぶっとばしに来いよ!」
『あたりきよ。』
キッドとカズキが笑いながらガッチリ手を組んだ。
『じゃあそろそろ行かないと、緑がどんどん離れて行っちゃうから、みんなまた後でな。マイミ、誘導頼む。』
『じゃあみんなまた後でね。』
そう言うとマイとキッドが緑を追いに向かった。
『日が傾いて来た!うちらも、急ごう』
そう言うと、魔族村の方へ向かい残ったメンバーで走り出した。
そんな中、走りながら、アキねぇが寄って来た。
「ジュン君!マイちゃん行かせて大丈夫だったの?」
『なんで?』
「確かに、モンスターは殺されても、また次の日異世界に来れるけど、マイちゃんって今日で最後の日じゃない?もし、殺されちゃったら、私達と一緒で今日で終わりなんじゃないかな?」
『そうだ!』
オレは大事な事を忘れていた
「どうしたー?いきなり止まって。」
先頭を走る強者の盾役3人も、後方のオレの声に気付き止まり振り返る。
緑の点が出てから何が起こるかわからないから、という事で、弱いうちらのパーティを真ん中に挟み、前方を、シン、カズキ、ミッキー、
後方にリンが護衛する形をとっていた。
『アキねぇ。もう行っちゃったもんはしょうがない!戦いに行った訳じゃ無いし、とりあえず無事に帰って来る事を祈ってうちらは前に進もう。』
「わかった。」
『なんでもない!進もう!』
「そうか?じゃ行くぜ!」
『アキねぇ。案内役のうちらが遅れたらみんなが迷っちまうし、守って貰う為に先頭行ってくれてるみんなの意味がなくなる。』
「私が止まった訳じゃないわよ。」
『ははは。ごめん!その通りだ。急ごう。』
オレらは走れるだけの力で魔族村に急いだ。
…ヤバイ日がだいぶ沈みかけてる。早くしないと!




