10.3話
『げんぞーです。オレと同様谷口先輩の舎弟でした。』
『じゃあジュン君!今までの私の質問を踏まえてもう1度聞こうか?ジュン君!君はなんで、ここに呼ばれたと思う?』
…もう、言い訳しても意味がない。
…はっきり自分から言おう。
『木曜日、シンを殴ったからでしょうか?』
『ほうほう。何か言いたい事があるなら続けて。』
『オレは、あんな谷口先輩の下につきたくなかったんですが、ちょっとした事で絡まれて、シンとタイマンの喧嘩する事になりました。それで、オレが勝って、シンは負けて、オレは舎弟に、やつはいじめられる方になりました。でも!やりたくてやってた事などありません。木曜日殴ったのも、シンのいじめられる姿が昔の自分を見てる様でイライラしたってのもありますが、オレが1撃で失神させとけば、今日はもうこれ以上谷口先輩にやられないと思ったのもホントです。
嘘だと思うなら、それでも構いません。これだけです。』
中年刑事が、何か考えている。
『おーい佐伯君!ちょっと入って来てくれー。』
若い刑事らしき人が入ってきた。
『佐伯君、君はどう思う。』
『黒に近いグレーだと思います。』
『珍しいな、意見が割れたね。私は白に近いグレーだ。ほぼほぼ白よりだがね。』
『そうですか、安達警部、。まだ自分も未熟ですね。』
『いやいや、何も私があってると決まった訳じゃない、ただの勘だよ。』
そう言って、若い刑事は出て言った。
『ジュン君じゃあここから、本題に入ろうか。』
『はい、、。』
『シン君はもちろん知ってるね』
『シン君が今行方不明だ。君は知ってるね?』
『えっ?知りません。』
…行方不明。ばかな。
…シンがか?
『そして、今私達が追ってるのが、谷口と、げんぞーと呼ばれる2人だ。さて、ジュン君!君は金曜日何をしていたかな?』
…えっ?
…傷害事件じゃないのか?
…行方不明で疑われているのか?
…金曜日?
『家にいました。』
『夜中もかい?』
『はい!』
『それを証明できる人はいるかい?』
…マイとキッドの話してもなぁ、誰も信用しないだろうし、困った。
『いません。』
『わかった。今日はとりあえず帰っていいが、また多分寄らせてもらい事になるとおもうが、その時はまた頼むよ。』
『はいっ!』
『ちなみに、谷口とげんぞーは、土曜日に学校を、自主退学している。ジュン君は、この件には、無関係なのではないかと、私は推理しているが、もし、あの2人から、また、連絡が、あるような事があれば、すぐ私の所に電話しなさい。』
『はい、、。わかりました、。』
そう言うと、オレは取り調べ室を出て、警察署も出て、家に向かった。
…シン大丈夫かよ、、。
…おまえに、何かあったら、全部オレのせいじゃないか、、。
…今どこにいるんだ。
…金曜日?金曜日学校にはそういえば、誰もいなかったな。
…木曜日は体育館裏でシンが絡まれて見捨てて、オレだけ帰った日だな。
…って事は木曜日と、金曜日の学校が始まるまでに何かあったって事か?
…3人通学して来なかったってことは、この3人が絡んでいることだけは間違いないな。
オレは携帯のlineから、無料通話で、谷口先輩に電話をかけてみたが、予想通りでるはずもなかった。
…やっぱ学校辞めてるくらいだから、出るわけないか。
…ダメだ、何1つ手がかりがない
その時!閃いた!
…そういえば異世界にシンっていたよな!
…あいつ、異世界で初めて会った時からひょっとしてと思っていたけど、あいつがシンなんじゃないか??
…昨日異世界で発煙玉使って逃げたばかりで、会いにくいけど、確かめてみないと。
…あいつが異世界にいるって事は、人間界の自分も生きてるって事になるだろうし、なんか手がかりになるはず。
…違うかどうかわからないけど、できる事から少しずつ、やっていこう。
オレは本を買うのも忘れ、自分にこの先何が出来るか?どう進めばいいか?
じっくり考えながら、
家に帰り、そのまま、家でいい案はないか模索し続けた。
明日月曜日シンを救う予定でいたが、今日日曜日!事態が急展開の方へ動き出す。
今後異世界と人間界を巻き込みながら、ジュンのガムシャラ活動劇が始まるのだった。
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『安達警部!やつ帰してよかったんですか?』
『私は白に近いグレーと言ったんだ。白とは言ってない。佐伯君!君、私が金曜日のアリバイを、聞いた時の彼の不自然な感じに気が付いたかい?』
『なんとなく、ですが。』
『そうだ。それ以外は全部話したように見えたがまだ、彼はまだ私達に言えない何か隠してる事がある。佐伯君!彼の行動から監視を怠るな。』
『わかりました。警部。』
『さてさて、ジュン君、君は佐伯君が予想した黒か、私が予想した白か、今後の行動が、楽しみだね。ふっふっふっ。』
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