10.2話
10.2話
警察の人というか、もう見たまんまベテラン中年刑事だ。
ここじゃなんだから!という事を言われ、覆面パトカーに乗せられ、警察署に来た。
…なんだこれ?取り調べ室か?
…なんだ?オレなんかしたか?
無い脳をフル回転して出てくる事は、シンを殴った、傷害くらいしか出て来ない!
…そっか。被害届けを出して起訴されたのか、オレは。
…まあ今まで、散々やって来たから自業自得だな、、。
半分腹を決めていた。
さっきの刑事が1人で入って来た。
『普通ならもう1人入って、話した内容を記録するんだが、ちょっと2人だけで、話をしようか。』
『はい、、。』
気持ちが重い、、。
『さて、ジュン君でいんだっけ?ジュン君は今日はなんで、ここに呼ばれたと思う?』
『いや、、わかりません。』
『ジュン君わからないかぁ。なんか心あたりあるでしょう。』
…どうしたらいい?
…自分から、シンを殴った事を言った方がいいのか?
…いや、揺さぶりをかけているのか?
心臓が高鳴り、かなり、正常な判断が出来なくなる。
『いや、、わかりません。』
オレは、しらを切った。
しかし刑事がそんな事で、わかった!じゃあ帰っていいよなんて、いう訳が無い!
怒涛の追い詰め攻撃はここからだった。
『じゃあ、ジュン君、質問を変えようか?』
そう言うと1枚の写真を机に提示された。
『ジュン君!見覚えは?どうかな?』
シンの写真だ。
『あります。うちの同級生です。』
『そーかそーか。じゃあこの写真の人とジュン君の関係は何かな?』
…なんて答えたらいい。
『ただの同級生です。』
『ただの同級生ねぇ。じゃあまあ、そういう事にしようか。ジュン君まだあるからね。』
そう言うと、また写真が提示された。
…谷口先輩だ!
ここでもう、察した!殴った事が傷害事件になったんだと。
その瞬間。
学校は退学かとか、
親は怒るのかとか、
オレは将来就職出来るのかとか、
前科がつくのとか、
いろんな自分のわからない事が頭に渦を巻いてやってくる。
まともな理性でいる方が辛い。
『次この人は?』
『谷口先輩です。』
『おー!名前が出たね。じゃあ関係は?』
『、、、、、、、、。』
『ジュン君どうした?下向いて。』
『谷口先輩の舎弟でした、、、。』
『そうか、そうか、舎弟ね。じゃあ次、この人は?』
…げんぞーだ。
…もう間違いない!
…人生終わった、、。
…もっと早く、シンを助ける側に回っていたら、こんな事には、
…でもそれはオレのエゴだ。審判の時が来たんだ。もうしょうがない!受け入れるしかないな。
そう覚悟した。




