10.1話
日曜日 AM6:00
…帰ってきた。人間界に。
…アスピルの魔法思ったより全然辛くなかったな。
…失血死ってあんな感じなのか?
…孤独感と、喪失感が半端無いな。消えていく感じ!あれは普通なら精神的に結構来るな。
…でも、痛みには耐えられた。
…これなら、痛覚1/3のプレイヤーにかけても、大して痛くもないだろうし、罪悪感も大して無くいけるぞ。
オレは目を覚ますなり、異世界での自分達の進展状況が嬉しく、ギュッと拳を、握っていた。
今までに異世界にいき、1番清々しい朝を迎えてられた。
それも、これも、みんな
マイ、キッド、アキねぇ、がいてくれて、こんなオレについて来てくれて、協力してくれた。おかげだ。
ホントに感謝しかない。
人間界の学校に行かない日は嫌な事も、不安な事もなく、素晴らしい時間が、ゆっくりと流れる。
とはいえ、今日は日曜日、明日はシンを学校で救う月曜日!
それを考えると、上がりかけてた、気持ちが沈み込む。
しかし、自分で決めた事だ。
それが、覆ることは無い。
…もっと一撃で効率よく、相手を動けなくする方法とか無いかな?みぞおちとか、金的とか。
…そうだ!そう言う本でも買いに行こう。そして、ある程度の攻撃に対してカウンター方式で、一撃でのしていく、方法を調べてみっか。
起き上がり、今日は食パンにマヨネーズとケチャップをかけてオーブンでチン!
このパンは近所の兄ちゃんから教わった!
手軽で美味い自分で絶賛していた!
毎日のように、焼いたパンを2週間くらい、持ってきてくれた。
近所の兄ちゃんがら持って来てくれていたからオレは兄ちゃん焼きと呼んでいたが、ビックリする事にその兄ちゃんもこのパンを兄ちゃん焼きと呼んでいた。
このパンがなぜ兄ちゃん焼きと呼ばれているのは不明だ
たった2つのこのケチャップとマヨネーズをかけてチンしただけで、出せるこの味は、オレもまんざらでは無いが、ずっと美味しく、重宝し続けている。
今日は色々殺されて戻ってきた朝と違い、
そんな兄ちゃん焼きのパンを2枚完食し、私服に着替え、オレは街に繰り出した。
街はいつもと変わらない日常だ。
今まで学校ばかりで気がつかなかったが、よく考えてみたらこの街中を歩いている人の中に、異世界に行ってる人がいる可能性に気がつく。
そう思うと、無駄に周りを見渡してしまった。
…そういえば、自殺した人は青魔族として、転生されるんだよな。
…自分で、死まで決意して、実行した人が、また強制的に人間界に戻される事それは幸せなのかな?
…人間界に戻ってきて、死ねずに絶望してる人はいないんだろうか?
…でもな、みんな死んだら終わりで楽になれると思って自殺するんだろうから、それが、自殺したら、異世界で青魔族として、殺される300万倍の辛い死後の世界が待ってるって言われたら、それは確かに、また自殺しようとは思わなくなるかもしれないけど。
…マイも、キッドも人間界では、もがき苦しみながら生きているのかな?
…でもそうだよ。マイ、キッドだけじゃない!オレだって必死に、もがきながら生きてる。
誰1人生きてる間辛い事が一生なく、幸せに死ねる人間なんて、いる訳ないんだ!
大なり小なり必ず生きている限り、しがらみ、妬み、恨み、悲しみ、いろんな生きていく為の障害が山のように降ってくるはず。
うちらが生きていくって
モンスターと一緒で、そういう痛みに耐えていくことかもしれないな。
…マイ、キッド、青魔族のみんな、みんな色々大変かもしれないけど、頑張って生きていこーぜ。
…何も希望がなかったオレも異世界でやっと希望が持てるとこまでこれた。
…オレも異世界でも人間界でも必死で頑張るからみんなも頑張れよ!
オレは届くはずがない、思いを天に向けて願った。
そして、少し栄えた駅まで電車で行き、オレは少し大きめな本屋に本を探しに入った。
昔中学生時代もここで、本を買い、お世話になった本屋だ。
そしてオレはひたすら素振りや筋トレをするようになった!
今の自分の基礎を作ったとこと言っても過言ではない。
それが、結果的にやる側に回ってしまったのだけど、当時としては、逃げずに努力する自分にしてくれた、そんな原点みたいな。懐かしい場所だ。
…懐かしいな。あの本買ってから、2年ぶりか?
前買った場所と同じ場所で本を探していた所だった。
後ろから誰かに肩を叩かれる。
『ジュン君で間違いないかな?こういう者だけど!ちょっと時間いいかな?』
…警察手帳??
…警察の人か??
オレはそのまま警察の人に連れられて本屋を後にした。




