9.45話
『アキねぇー!』
キッドが元気にアキねぇに手を振っている。
「おーい!」
アキねぇもこっちに気が付いたみたいだ。
「ジュン君!昨日はごめんね。」
『大丈夫!みんながオレを想ってやってくれた事だから。それよりどうだった?』
そう言うと、アキねぇがカバンから、色々本を出して来た。
「これが初歩的な攻撃系魔法の本!読んでみて、本が光れば覚えられるの。これは個体差があるから、誰が覚えられるかわからないから、やってみるしかないかな、。魔法はスキルとは違うから覚えられるなら、覚えといて絶対損はしないわよ。スキルと違って、魔法は体がバテるまでは何回も使えるしね。」
早速マイが、開いてみたが、本は反応はしない
キッドが開くと、本が光、浮かび上がる。
『アキねぇ!アキねぇ!』
「キッドあんたどんだけ興奮してんのよ。手から何か出すイメージでやって見なさい。」
『ハーー!!』
凄い何か氷っぽいのが出た!
『アキねぇ、オレ火を出そうとしてイメージしたんだけど、』
「あははは、キッドあんたは、氷系の魔法が今は使えるのよ、火をイメージしても、雷をイメージしても、出るのは氷よ。強くなれば、そのうち火も出せるようになるかもね。」
よし!オレも、と思い開いて見たが、
なんの変化もない!
『アキねぇ。ゴブリンは魔法が使えないのかな?』
「それは私に聞かれても、そもそもモンスターに魔法教えた事無いし、モンスターに人間がいるのを知ったのも昨日だからね。」
『だな。知る訳無いよな。』
「後、これが補助魔法の本と、体の一部を変換するスキルの本、」
『アキねぇ、アスピルの魔法と、言葉が会話出来るスキルの本は?』
「アスピルの魔法の本は今はうちの村のシンってやつが持ってるらしいわ!なんかボス倒してドロップしたらしくて、個人所有物なんだよねー。多分言葉のスキルの本は街にあるよ。私自分が覚えた後、手放しちゃったのよねー。」
『見て見てー。』
オレがアキねぇと話してる間、マイがなんかの本を開いて本が光っている!
『アキさん何この本?』
「それは補助魔法の本だね。まあ1回覚えてしまえば後はレベルを上げていけば使える補助魔法がどんどん増えていくから。
それは攻撃魔法も一緒で、新しい魔法を使えるようになった時、それはなんとなく感覚でわかるんだよー。
補助魔法の初めはかなり美少の回復魔法と少しのストップ魔法だね。
イメージして使ってみなさい。」
『ハーー!!』
キッドが一瞬直立不動で1秒だけ止まる!
『おいー!マイミ!いきなり仲間にストップ魔法使うなよな!まず回復魔法とかだろ、、。』
『キッド出来たよ私。』
『聞いてんのかよ、、。』
2人の漫才は放って置こう。
「後はね、、、。」
ごそごそカバンの中に手を入れて何か探している
「これこれ!」
ナイフに剣、手甲まである。
『アキねぇ。これって?』
「あのナイフが結構レアだったらしくて、魔法の本とスキルの本と交換してもまだ、宝石余ったから、買って来たの。ジュン君は手甲でしょ。キッドは剣かな?マイちゃんは一応爪よりナイフの方がいいかなと思ってこれにしたよ。後ジュン君。これ一応、そんな強く無いけど護身用ナイフね。モンスターの時とかに使って。」
『アキねぇありがとう。』
『ジュン君!私も爪切らないとだね。』
なんだかマイは凄い楽しそうだ。
うちらの武器に初めての魔法だ!
結局オレは魔法は全部開いても本が光る事は無かったが、
少しの時間をかけて、体の一部を変換するスキルだけを覚えた!
なんか、かなり、異世界っぽくなって来た!
アキねぇに魔族村にある、スキルの話をしたら、快く了解をしてくれた。
この先どう動くか、
ここから2択になる。
先に魔族村に行き、アキねぇに、スキルを覚えてから、
↓
モンスターをある程度倒し、宝石を集めて、
↓
シンのいる村に行き、その宝石で言葉がわかるスキルの本を、買い
↓
シンに頼んでアスピルの本を貸してもらう
この場合!確実に光を消せるスキルを
覚える事は出来るが、シンが1人でいる時に接触出来る可能性が減る!
このパターンと、
もう1つは、
宝石を集めて先にシンの村に行き
最後に魔族村に行くパターンの2択だった。
こっちのパターンは先にシンの村に行くのでシン1人の時に村で、対応出来そうだが、時間がかかると、光を消すスキルを覚えられない可能性がある。
どっちもどっちでそれなりのリスクを伴う。
先にシンの方へ向えば、シンはまだ1人だろうと言う事になり、今日を逃せばシンが1人にいる可能性はこの先多分かなり少なく、今先にシンの方に行く事がリスクを1番少なく行ける方法だろうと言う話で、意見が満場一致!
とりあえずこの池の周りのモンスター達から最低限の宝石を早くゲットして、シンの村に向かう事で合意した。
池から村に向かう途中にある、かなり弱いモンスターがたくさんいる原っぱがあるらしい!
うちらはそこへ目指し、みんなで向かった。
『アキねぇ、シーツある?』
「あー?言われたから持って来たけど、どうするの?」
『ちょっと被ってくんない?』
そう言うとアキねぇの帽子を取って、シーツを被せた。
『アキねぇ、目はここらへん?肩は?』
「ここ!ここ!肩はマイちゃんここ!ここ!」
『了解!キッド!は目のとこ!マイはその肩のとこ抑えて、そのまま脱がしてこっち持って来て。』
みんなが言われた通り動いてくれてる。
オレは新しく貰ったナイフで、みんなが抑えてた場所を円状に切った。
『アキねぇ。もう1回被って。』
「ちょっとこれ、どういうこと?」
『アキねぇ、プレイヤーだから、うちらモンスターとプレイヤーで、一緒にモンスターを狩ってたり、モンスターと話してたら、変じゃん!
他のプレイヤーに目とかつけられたら、
アキねぇはうちらと同じ森に転生されないから、大変だと思うし』
「そっか。でも、結構この魔法使いの衣装気にいっていたんだけど。」
『アキさん。シーツの上から、帽子を被ってみたら、どう?』
「こう?」
…いやーだいぶ想像と違う、、んだけど、、、!
『あははは。アキねぇ、なんか変。シーツから出てる手が人間だもん。』
「キッド!だから、わかっていてもそれを言うから、女心がわからないって言うの。」
『はいっ!すいません。』
『まあ、アキねぇ、ずっと被っとく必要は無いと思うけど、心配なら被っといた方がいいよ。』
「わかった。とりあえず被ったまま、その弱いモンスター達がいる場所まで行ってみるわね。これ、でも、慣れるかな?」
モンスター3匹と仮装モンスター1匹のパーティが、モンスターを狩りに行く。




